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第52話 隠せないオーラ……?



「にしてもよく有給取れましたね……」

「まあ融通が利く会社だからねー。……効きすぎな気もするけど……」



現在朝の8時。三人は今、新幹線に乗っていた。元々出勤日ではあったが、社長に事情を伝えると二つ返事で了承を得ることが出来た



なぜ新幹線に乗り込んでいるのか……それは、香織のいる場所は県を三つ程越えた場所にあるため、車ではなく、新幹線で移動することになったからだ



「……なぁこれ外しちゃダメなのか?」

「「ダメです‼︎」」

「あ、はい……」



京はマスクにサングラス。そして深々と黒い帽子を被っていた



「それ外したらまた()()()()()()()()になりますよ⁉︎」

「そうです!どれだけ大変だったか忘れたんですか⁉︎」



そう……実は新幹線に乗り込む前……三人は()()()()()に巻き込まれていた……



「 ーーーーすいません。ありがとうございました!」



新幹線の通っている駅までタクシーで来た三人



「あと15分ぐらいで来るみたいですね……二人とも、はいこれ。私達の乗る新幹線の切符です」

「なんでもう買ってるんですか⁉︎」

「あれ?聞きたいの?聞いちゃったらもう()()()()()()()()()()


昨日の夜判明した香織の居場所。そして新幹線で向かうことも23時を回った頃に決めたのだが、なぜ切符をもう既に持っているのだろうか……あまり深く考えないことにした



「い、いいです……」

「賢明な判断だね。じゃあ行きましょうか!」



そして三人は駅の中に入った……



「えっとどの方面だったかなぁ……」



白瀬が乗る予定の新幹線が何番線に来るかを把握していると……



「えっ……やばくない?」

「やばぁ!凄い凄いよ‼︎」



周りがザワザワし始めたのだ



「な、なんか……視線がたくさんこっちに向いてるような……」

「確かにな。めっちゃ見られてる気がするんだが……」



ここで白瀬が騒ついている理由を理解した



「し、しまったぁ‼︎京さんの()を隠すの忘れてたぁ‼︎」



次第に周りにいた人達が三人を取り囲んだ。ただし……女性だけで



「そ、そうだった‼︎京さんをあの街の外から出しちゃダメな事忘れてた‼︎」

「き、京先輩!に、逃げて‼︎」



女性の集団にもみくちゃにされる三人。芹と白瀬は巻き込まれているだけだが、中心部にいる京は色々な女性からボディタッチをされていた



「あぁっ!京先輩の顔がっ‼︎心ここにあらずみたいなことになってる‼︎」

「と、とりあえず皆さん落ち着いて下さーい‼︎お願いだから止まってぇぇ‼︎」



その後、約5分間。警備員が止めに入るまでの間、三人はもみくちゃにされたのだった……



「ーーーーってことがありましたよね?」

「そんなことあったっけ?」

「多分、京先輩はあの時放心状態になってたから覚えてないのよ……」



未だに女が苦手なことに変わりのない京。あれほど大量の女性に触られまくったのだから、ショックで忘れていても仕方ない



「とりあえず現地に着くまで外すのはやめて下さい!本当に大変なんですから!」

「でもこれ怪しすぎないか?不審者にしか見えないが……」



と、そこに三人組のギャルという言葉が似合うグループが自分達の席を探して歩いていた



「……はっ!ここの車両に凄いイケメンオーラを放ってる人がいる‼︎」



芹と白瀬がギクッと身体を身震いさせた



「確かに感じるね。今まで見たことないようなぐらい……巨大なイケメンオーラが!」

「これは……日本でもトップクラスのオーラ……」



と、話す三人がこちらに向かって歩いてくる



「やばあの人達……占い師かなんかなの⁉︎」

「き、京さん‼︎早くイケメンオーラ消してください!」

「出してる覚えのないものは消せるわけないだろ‼︎」

「とりあえず顔だけでも伏せて!」



三人組が近づいてくる……京は俯き、顔を見えないようにした



……そして三人は通り過ぎた



「た、助かった……」



と、思いきや……



「この人だぁ!」



と、京に指差した



「凄い……これは逸材だね」

「この人から100年……いや、3000年に一度のオーラが見える‼︎」



騒いでいるギャル達に気がついたのか、同じ車両に乗る女性達が一気に立ち上がった



「もしかしてさっき駅にいた人じゃない⁉︎」

「本当に⁉︎私も見たい見たい‼︎」



と、その騒ぎを聞きつけた別の車両の女性達も集まりはじめ、駅と同じ構図がまた出来上がってしまった……



「や、やめっ……他の客に迷惑かかってるから!」



そんな白瀬の言葉虚しく、どんどん押し寄せる女性



「め、迷惑ですって!ほらっ!前の席のおじさんも迷惑してますから‼︎」

「いや、気にしないでください。こんなハーレム状態にして頂いた、私は感謝していますから」



と、芹に向かって飛び切りの笑顔を送るサラリーマンの男性



「感謝するなぁ‼︎この状況を憂いてぇ‼︎」

「あっ!芹ちゃんヤバイ!京先輩がっ!」



京はマスクとサングラス越しでも分かるぐらい顔色が悪くなっていた



「京さん!しっかりしてぇ!」



そして、芹達は駅員に止められるまでの10分間。もみくちゃにされたのだった……



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