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第51話 美穂からの電話……?



「……もうすぐですね」



時刻は21時58分。美穂の電話まで残り2分を切っていた



「そうだな……あ、白瀬を起こしておいてくれ」

「分かりました」



芹は返事を返し、ベッドの上に()()()()()白瀬の身体を揺さぶった



「香奈宮先輩!もうすぐ連絡くるので起きてくださーい!」

「……………」

「……早く起きてくださーい!電話きちゃいますから‼︎」

「……………」

「……起きろぉ‼︎」ゴロンッ

「痛ったぁぁ‼︎」バシーン



芹はベッドから白瀬を突き落とした。落とされた白瀬は身体を強打した



「やっと起きましたか」

「やっと起きたかって……芹ちゃんに殺されかけて気絶したんだけどね⁉︎」



白瀬が晩御飯を買い、帰宅した際に芹が白瀬に飛びつき、怒った猫のように白瀬のことをポコスカと叩いたことが原因だった



「あれぐらいで気絶するとは思わなくて……」

「確かに威力は強くなかったけど、狙ってるかのように急所に入れてくるから痛かったの‼︎」



喚く白瀬。ただそうこうしているうちに59分になっていた



「白瀬。文句は後で。もうかかってくるぞ」

「あっ……そうでしたね。京先輩、頑張って時間を伸ばして下さいね」

「分かってるさ。なるべく引き伸ばせるように頑張るよ」



秒針は9の文字を回った……



「……芹。香織を助けような」

「……はいっ!」



そして……秒針は12の文字を回り、22時になった



プルルルルッ……プルルルルッ……



と、京の携帯に登録していない番号から電話が鳴った



「……もしもし」

「もしもし。直接お話しするのは初めてですね。私は東我謝 美穂と言います……って白瀬から聞いてるとは思いますが……」



初めて聞いた美穂の声は低く、ハスキーボイスと呼ばれる類の声だった。妹の瑠奈はロリ声だったので、思っていた声とは違った



「……香織をどこに連れ去ったんですか?」

「連れ去った……あぁでも連れ去ったで正解ではあるのかな」

「……どういうことです?」

「連れ去ったのは私の意思ではないですよ。私は()()()()だけです」



三人は香織の言葉に動揺した。香織が誘拐されたのは、美穂が香織を無事に返す代わりに自分と結婚するようにと、脅すためだと思っていたからだ



「今日、私が電話したのは他でもない……香織さんの()()()()()()()()です」



美穂の言葉は三人にとって願っても無い言葉だった。何としてでも居場所を突き止めるために、少しの情報も聞き逃さないようにとしていたのに、まさか美穂側からバラすとは……



「……それは信じて大丈夫なのか?」

「私の()()はもう達成してる。よって、私が香織さんの居場所を秘密にする理由はないの」



京はその美穂の目的を察した



「……()()()か」

「正解。私も瑠奈と同じで、()()()()ですから」

「えっ、えぇぇぇぇぇ‼︎」



驚きのあまり、白瀬は声を出してしまった



「やっぱり白瀬も聞いてたのね。分かってたけど」

「みみみ美穂さんっ⁉︎同性愛者だったんですか⁉︎あ、あと瑠奈さんもって……⁉︎」

「聞いたまんまだけど?私と瑠奈は同性愛者なの。だから残念だけど、微塵も赤坂京には興味がないの」



瑠奈と同様で美穂も京には興味がなかった



「じゃあなんで京さんの自治体に入って……」

「それはあんなにたくさんの女の子が集まる場所にいないなんてもったいないじゃない?」

「きょ、局長になったのは?」

「成り行き。別に熱心に取り組んでなんてなかったけど、2代目から指名されちゃったから仕方なくね」

「そ、そんな理由だったなんて……」



白瀬は力が抜けたようにへたり込んだ



「まあこの話はまた後日するとして……芹さん」

「は、はいっ‼︎」



芹が聞いていることもバレていたようだ



「詳しい位置まで私も把握出来てないから、貴方なら分かる伝え方をするね」

「は、はい!」



そして、美穂の口から香織の場所を告げられた



「場所は……香織さんのお父さんの実家よ」



芹の顔がみるみる焦りの顔に変わった



「な、なんでっ⁉︎」

「私にも分からないわ。ただ、このままだと香織さんは父親にいいように利用されるでしょうね……とりあえず場所は教えたわ。早めに来ないと……取り返しのつかないことになるから」



京はそう言い残して電話を切ろうとする美穂を呼び止めた



「待ってくれ!……なんでそんなに詳しく教えてくれるんだ?」

「……さっきも言ったけど、私の目的はもう達成ーーーー」

「それだけじゃないだろ?」

「……私は男が嫌いなので。それは赤坂さんも例外なく嫌いです。だから男の思うとおりに事が運んで欲しくないだけよ」



このセリフを聞いて確信した



「だから芹の時も尋のことを拘束したんだな?尋に芹を襲わせない為に」

「ご名答。芹さんのような可愛い子をあの男如きがどうかしていいわけありませんので」



あの日の謎が解けた一つ解けた瞬間だった



「……ではこれで……貴方達が来るのをお待ちしてます。……くれぐれも遅くならぬよう……お願いしますね」



美穂は電話を切った……

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