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俺に告白してきたのは元カノの娘でした  作者: 三折 佐天
第五章 変わった日常生活
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第25話 閉じ込められた……?



「どうすっかな……」

「助けてもらうのを待つしかないですよ」



京は今、とある密室空間にある女の子と閉じ込められていた。京はエレベーターのボタン近くに立ち、女の子は座っていた



「大家さんが今修理の人を呼んでくれてるみたいなので潔く待ちましょう」

「あ、ああ」



閉じ込められている空間はマンションに階段側の反対側。つまり京の部屋が1番手前に来る場所に設置されているエレベーター。仕事が終わり、芹と白瀬は用事があるというので久しぶりに1人で帰ってきたのだ



いつもは運動がてら階段を使っていたのだが、たまには楽しようとエレベーターに乗ったのだが、一緒に乗った女の子とエレベーターが異常を起こし、止まってしまったのだ



京が女の子と密室空間で2人きり……この状況には2つの危険があった



まず1つ目は、京の女性恐怖症だ



密室空間、しかもエレベーター内はかなり狭い。そんな中に2人きりなど親しくない相手であっても京にとっては命に関わってくる



だが、この危険は回避された。なぜなら相手が赤いランドセルを背負った小学生だからだ

赤いランドセルに黒い髪を上で止めたツインテールに身長も約135cmほどの胸も平らく、容姿も幼い低学年辺りの子だ



さすがの京も女の子であっても、小学生相手には鼓動が早くなったりはしなかった。故に女性恐怖症の発症の可能性はなくなった



そして2つ目は、相手の京への想いだ



小学生であっても京のことを好きになってしまい、この街の小学校で〈好きな男の子ランキング〉というものが開催されたのだが、結果はなぜか赤坂 京が一位なのだ。しかも9割近くの票数を占めていた



だがこの危険もなかった



この女の子からは好意を感じないのだ。多少チラチラ見られてはいるが、それは多分気まずさからくるものだろう



「あ、君親に連絡入れなくて大丈夫?時間も遅いし心配してる話じゃない?」



京は少女を気遣った。時間は7時過ぎ。小学生ならとっくに家に帰ってる時間だろう



「……大丈夫だよ。家に親居ないから」



重い空気が流れる。あんまり聞かない方が良かったのかもしれない……



「1人で住んでるの?」

「……うん」



子供が1人で住んでるのはどう考えても普通ではない。京は探りを入れることにした



「親御さんはどこにいるの?」

「……遠いところ」



子供を捨てて出て行ってしまったのだろうか?



「お金とか大丈夫なの?」

「……問題ない。たくさんあるから」



親が子供にお金を渡して生活させてるってことだろうか?それともある程度置いていったのだろうか?



「……子供が1人で住むのは危ないと思う。誰か近くに親戚とかいないのかい?」

「……いないよ。あと、大家さんが住むことを許してくれてるから」



どうやら大家さんは事情を知ってるようだ



「……そうか。何かあったらおじさんに頼るんだよ?」

「……え?」

「2階の1番奥の……エレベーター側だと1番手前か……そこに住んでるから困ったことがあったら頼りなさい」

「……いいの?」



申し訳なさそうに問いかける少女。小学生なのに遠慮もしっかり出来る良い子だと感心した



「……いいよ。なんでもいいな」



京の言葉に少女は感動したのか俯いた。……そして



「今の言葉……しっかり録音させてもらいました」



なぜか携帯で録音されていた



「……ん?な、なんで録音する必要があるんだい?」

「これで言うこと聞いてくれなかった場合、この録音を証拠にして言うことを聞かせるためです」



京は頭がこんがらがった。なぜこんなことをするのかと



「まあ聞いてくれなかった場合は……()()さんの秘密をバラしちゃうだけですけどね」



名前を教えていないのに知られていた



「……なんのことだ?」

「とぼけないでくださいよ。私……知ってるんですから」



すると突然、エレベーターがガタッと音と共に動き出した。一度下に降りるようだ



「赤坂さんが()()()()()なことを」

「なっ!」



たった数人しか知らないはずの秘密を知られていることに驚きを隠せない京。上手く誤魔化せていたと思っていたのだが、まさか感づかれてしまったのか?



「なんでそのことを知ってる⁉︎」

「……簡単な話です」



一階に到着したエレベーターの扉が開いた。そして少女はエレベーターから出ると同時に、髪留めを外し、 髪を下ろし、振り返った



「私が……〈赤坂京保護自治体〉()()ですから」

















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