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俺に告白してきたのは元カノの娘でした  作者: 三折 佐天
第三章 隣人は元カノ
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第13話 やめたほうがいいですよ……?



「ありがとうございます京さん。こんなにたくさん買ってもらっちゃって……」



分厚い紙袋を手に(ひっさ)げる芹。服屋で買い物を終え、一度荷物を置くために家に帰っている最中だ



「まあ就職祝いだ。受け取ったからにはしっかり仕事してもらうからな」

「もちろんです!買ってもらってなくてもそのつもりです!」

「そうか。なら買う必要なかったから返してもらおうかな」



芹の持つ紙袋をひょいと取り上げた京



「ああっ!う、うそうそ!やっぱりそれがないとやる気出ません!」

「冗談だ。ほらっ」



京は奪った紙袋を返した



「……京さんってたまにいじわるですよね」

「大丈夫。芹にしかしてないから」

「大丈夫な要素が私にはないですよね⁉︎」



二人でわちゃわちゃと会話をする二人。その様子を香織は横で何も言わずにじっと見ていた



「……仲ええなぁ。二人は」

「そりゃあ……まあ」

「一週間同じ家で過ごしましたもんね」

「ふーん……営んだ?」



さらっととんでもないことを聞く香織



「なななな何言ってるの⁉︎お母さん⁉︎」

「急に何言い出すんだよ!」



香織の質問に焦る二人



「いや……一週間も同じ家に男女二人でいたらさ……さすがにねぇ」

「してないから!一回りも歳が違うのに手なんか出さねえよ!」



京は否定した。事実本当にしていないし、何よりもしようという発想も京にはなかった



「……そう。ならいいのだけど」

「心臓に悪いこと聞くな……」



とりあえず香織の疑いは晴らせたようだ



「……バカ」

「ん?芹……なんか言ったか?」

「……別になんでもないです」



明らかに先ほどのテンションが違う芹。なんだか怒っているようだった



そして三人はマンションの前まで到着した。荷物があるのは芹と香織で、京は何も買っていなかった



「じゃあ私が芹の分まで置いてくるからここで待っててくれるかしら」

「ああ。……今さらだが、お前の分も払ってやっても良かったんだぞ?」

「いいのいいの。特に何もないのに買ってもらうのは悪いからね」



そう言うと、香織は自分の分と、芹の買った分の紙袋を持って階段を上がっていった



京はムスッとしている芹と二人きりになった



「……なぁ。何怒ってるんだ?」

「……怒ってないです」

「んなわけあるか。顔を見れば分かる」



誰が見ても芹の顔はムスッとしていた



「……京さんは、私に興味ないの?」

「……急にどうした?」

「だってさっき……私に手を出す訳ないって……」



その発言に対して芹は怒っていたようだ



「……当たり前だ。未成年に手を出すか」

「なんで?私もう結婚も出来る歳だよ?高校生ならともかく、もう社会人なんだよ?」

「……こんなおっさんに手を出されなかっただけで、なんでそんなに怒ってるんだ?」

「……本当にわからないの?」



分からなかった。検討もつかない



「……鈍感すぎ」



そう呟き、そして芹は決心した



「……私。京さんのこと……好きなんですよ」

「……っ!



突然の告白。告白されることは何回……いや何百回とあった。その度に京は心臓がバクバクしていたが、今回は今までの比ではないほどバクバクしていた



「京さんはモテモテだから、京さんにとっては数いる候補のうちの一人にしか見えないかもしれないけど……私にとってはたった一人なんですよ?」

「……おっさんをからかうのはよせって」

「この流れでからかったりしませんよ。本気です」



真剣な表情で話す芹。京はこの言葉に偽りがないと判断した



「この気持ちは、香奈宮先輩より強いです。負ける気がしないです」

「……相当だな」

「はい。相当です。でも付き合ってほしいとは言いません。今は()()……。とりあえず今は私の気持ちを知っていてほしいだけです」



嘘偽りを感じない。真っ直ぐな言葉だった



「京さんが私を好きになってくれるまで……京さんから私に告白してくれるように……私頑張りますから」

「……そうか」



やばい……いろんな意味で心臓爆発しそうだ……



「だから……もう私を恋愛の対象外として見るの……やめたほうがいいですよ?」



ニコッと笑顔を向ける芹。その表情に京は鼓動が早くなった



これはいつもと同じで女性への恐怖か?それとも……ドキドキしてるのか?



今の京には、皆目見当もつかなかった……





読者の皆様。この度、評価ポイントが1000を超えることが出来ました!本当にありがとうございます!


感想を頂く機会が多くなりまして、今回の話も感想から早めに元カノとの過去をあげてほしいというコメントを頂いたのですが、第13話は芹の告白にさせて頂きました。元カノとの過去編は少し長めにとるつもりですので、その時まで楽しみに待って頂けると幸いです。


あ、コメントの返信方法が未だに分からないので……後書きで返信することもあるかもしれないです。


なにはともあれ、これからも〈俺に告白してきたのは元カノの娘でした〉をよろしくお願い致します!

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