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小説家になろう!  作者: ひとひら
5/9

こんな時は・・・。

学校帰りにカラオケ店へ。

熱狂的に歌いまくる千尋と、それを見守るオレ。。。

どうも嫌なことがあったようで、千尋のさ晴らしに連行された。

「ヒロ! オレンジジュースとコーラ。 あとアイスコーヒーも持って来て!」

マイク使わんでも聞こえるっつーの(汗)。

オレはOKサインを出しつつ、『いやいや、グラス一人一つですから。』と、突っ込みを心の中で入れておきながら、ルームから離脱。

ドリンクバーに向かうと、中学からの同級生で男勝りな話し方が特徴的なクラスメートがいた。

「おぉ、桜井。お前もか。」

「おぉ・・・てか、2時間経つが、まだ1曲も歌っとらん。」

クラスメートはいぶかしみながら、「何しに来たんだ?」、と聞く。

「長瀬の憂さ晴らしに付き合あってる。今日、なんかあったようだ。」というと、

「あぁ、多分あのことだろ。」と切り返された。

なんか知ってんのか?と、尋ねたところ、

「聞いた話なんだがな・・・」といって、話し始めた。


そいつの話によると、千尋は昼休みに他のクラスの女子に呼び出され、口論になったらしい。

内容は、仮にA子とするが、このA子が好意を寄せている男子(仮にB男としよう。)が、千尋に告白をした。

千尋はそれに対して、丁重にお断りをしたと。

そのことを知ったA子が、「付き合って欲しいとは思わないが、あんな素敵なB男君をあっさり振るなんて何様だ!ちょっと美人で人気があるからって、お高く止まってんじゃないわよ!」的なことを味方2人引き連れて千尋に物申した。

千尋は、「B男君のことはよく知らないし、今、誰かとお付き合いをするつもりはない。」、とA子に告げたところ、

「桜井とデキてるくせに、付き合うつもりはないとかよくいうわよ!

あんな男の通い妻やってるくせに白々しい。

一体、桜井なんかのどこがいいのよ?

あんなのB男君の足元にも及ばないし、良いとこなんて一つもないわ!」、的なことべたら、

千尋が豹変。

「あたしがあんた達にどういわれようと一向に構わない。

だけど、今回のことにヒロは全く関係ない!

通い妻とか、なんとか言いたいなら好きに言えばいい。

でもね、人様の家庭の事情を知りもしないで、土足で上がり込むんじゃないわよ!

ヒロの迷惑になるようなことをしたら、あんた達のこと、絶対に許さない!!

高校生活これからまだ2年ぐらいはあるんだから、覚悟しておきなさいよねっ!!!」、

と脅され、3人の幼気いたいけ(?)な女子は、涙目になり、縮み上がって一目散に逃げて行ったそうだ。

「そういうことか・・・。」

思わずため息。

千尋は言い方について、『やっちまった。』、という自責の念にかられたのだろう。

「長瀬はお前のことになると、人が変わるからなー。」

と、しみじみ。

「?」

「? 知らないのか? 昔からだぞ?」

「へ?」

「まー、その辺はお前もだけどな(笑)。」

といって、戻って行った。

オレは、クラスメートの後姿を目で追いかけながら一言。

「はぁぁあ?」

相当、間が抜けていたと思う。

そして、【告白された】ということに、なぜだろう?

胸の辺りがチクリとした。

でも、それより、、、

『ヒロくんは、チーが守るからね。』あの時のことを想いだす。

『ありがとな。 でも、無理すんなよ。』、そう心の中で呟く。


ルームに戻ると、「ヒロもなんか歌いなさいよ。」

といって、デンモクを差し出す。

オレはジンジャーエールと温かいコーンポタージュをおもむろに差出し様子をみる。

それから、「おー♪」、と返事をして検索にかかる。

千尋は…満足そうに両方少しずつ口に含む♪


こういう時、オレからは何も聞かない。

そうすると、

「・・・ねー、ヒロ。」

「どした?」

「実は、今日ね・・・」

という具合に、チーが話し始める。

結局この日は、1曲も歌わずに帰ることになった。

この間、オレはチーの話を真剣に聞き、受け止め、オレが助言できることをした。

こんなちっちゃなことだけれど、もし、多少役に立てたとしたら嬉しい。

守られてばかりじゃ、ね。

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