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小説家になろう!  作者: ひとひら
4/9

黒縁めがね

休日。

今日は千尋と商店街の写真屋に焼き増しをしてもらいに来た。

少しかかるということなので、駅前のハンバーガーショップ【楽どーなるの?】へ。

2階の窓際、千尋とハンバーガーセットを対面で食しながら、銀の翼について、お互い熱く語っているところだった。

「千尋ちゃん?」と、千尋を呼ぶ声がしたので、2人して声の方へ。

「・・・美咲ちゃん! 久しぶり!元気だった? 今日はどうしたの? 誰かと一緒?」

と、千尋の矢継ぎ早な質問が声の主へ飛ぶ。

「ぁ、ぅん。 お昼ついでに勉強しよっかなって思って…一人だよ。(微笑)。」

相手はしどろもどろになりながらも答えていく。

「えー!そうなんだぁ!偉いね!」

萌えの主は×、声の主は、萌え声だった○。

それはさておき、どっかで・・・。

「とりあえずこっち座って♪」

千尋が強引に横に座らせる。

「ぁ!?、ぅ、ぅん。(汗)。」

ほぼ、いいなりに見えなくもない。

なんともおいたわしい(微泣)。

「桜井♪ 覚えてるでしょ? 美咲ちゃん!」

『ウッ!?何、その知っていて当たり前のようなフリは!?とりあえず合わせときながら思い出そう(汗)。』

「お~、チーの仲良しだっ、痛っ!」

大地母神様ゆずりのニコ(^^)♪やかなる、【慈悲深くない】すねへの蹴り一発。

どうしても忘れてしまう。

学校や友達がいる時には、【チー】と呼んではいけないことを・・・。

「?」

黒縁めがねが、キョトンとしている・・・黒縁めがね?・・ん~?・・んー・・んっ!?・・・、おぉっ!思い出した。

小島をいつもかけている黒縁めがねだ!・・・×、

黒縁めがねをいつもかけている小島だ!・・・○

「お、覚えてるに決まってんじゃん♪(汗)千、グッ!?(2発目(涙))…な、長瀬の友達で、同じクラスだったことのある・・・。」

「そう!小島美咲ちゃん♪」

この間の話に出て来てくれて助かった。

『知らん』といったら、また滅殺されかねん(震)。

「美咲ちゃんも覚えてるよねぇ~?」

ん? なんだ、千尋のその顔は?

記憶に蘇ってきたが、小島の顔をまともに見たことがない。

話す時はいつも下を向いて、オレの上履きと話をしていたからだ。

なので、オレも顔を見ないように、黒縁めがねと話をしていた。

「ぇっ!?…ぁ、ぅん。ぉ、覚えてるよ(汗汗)。」

小柄な上に、話す声も小さいのか。。。

誰かBGMを切ってくれ(-・-;)。

「ん?」小島の様子が少し気になり、失礼かとは思ったが、手で口元を隠して小声で千尋に話しかける。

「チー、こいつ大丈夫か?熱でもあるんじゃないか?耳が真っ赤だぞ。」

と、伝え終わった瞬間、ㇵヒッ!? 3発目(><!)…な、なんでだ。。。

千尋は全く気にする様子もなく、

「美咲ちゃん、学校はどう?」

「ぅ、うん。勉強は大変だけど、友達も直ぐに出来たし楽しいよ♪」

「進学校だもんね。」

「千尋ちゃんも入学すればよかったのに…。」

小島は心底残念そうにいう。

「ゎ!? 私は、家から近い方がいいから…(照)。」

オレは頑張った結果、家から近いのだが・・・。

とまー、女子2人いれば会話も弾むってもんで、オレは暫く外野にて様子を見ていた。

『へー、小島って、千尋と話す時は顔見て話すんだな。』

初めて小島の顔をまともに見た。

いわゆる萌え系女子ってやつだろう。

そんなオレに対して、どちらからともなく視線をよこす。

小島の方は、サッと直ぐに下を向き、また耳が赤に変わった。

敵意の表れか?(汗)。

「なによ?」千尋が怪訝そうに聞く。

「ん? 小島ってかわいい顔してんだなと思って。なんなら、めがねやめてコンタクトにでもしたらいいんじゃねーの?」

―――――――――――――――――――――――――――――――!!!

一瞬で場が凍りついた。

オレにはやはり、禁断の魔法でもあるのだろうか?

完全に2人の時を止めてしまった。

小島の理由は、残念だがわからん。

もしかして、最近よく聞くハラスメントというやつだろうか!?

よしっ!、直ぐに謝罪して訴えられないようにしよう!

だが、、、千尋の固まっている理由は想像できる。。。ってか間違いない、こうだ。

『あんたの知っている日本語の中に、人に対して【かわいい】っていう言葉があったのね(驚)・・・

漢字で書けないでしょうけど。』だ。

馬鹿にするな。ちゃんと後で調べとく。

「あ、小島悪い。変なこと言って。」

「●∥■ДИ◆£…。」

『小島、悪いがオレは、お前とは幼馴染ではない…。』

「小島にとって、話にくい相手なんだろうし、嫌ってるかもしれないのに悪かった。

ごめん。」と、素直に謝ったところ、

「そんなことない!」

バンッ!と、小島はテーブルを叩くと同時に、驚いてけ反るオレに迫り………、

3秒経過・・・ピクリともしない。。。

5秒経過・・・顔の筋肉が痙攣しだしてるぞ(汗)。

7秒経過・・・目の玉グルグルまわってる(怪)。

10秒経過! 赤を通り越して青ざめてる! しかも頭から湯気~っ!?

「血、ちっ、千ホロちゃん、わたす用事おもいだしちゃったから、かっ、か、カエルね。」

「あ、美咲ちゃん!」

時の流れを取り戻した千尋が声をかける。

小島は、ポシェットと勉強道具を素早く抱え込むと、良く似合うショートカットを振り乱しながら、猛スピードで降りて行った。。。

千尋の哀愁あいしゅう漂う右手が、空を虚しくさまよう。

「ま、またね・・・(汗)。」

千尋は姿の見えなくなった小島に、別れの挨拶をするのだった。

「な、なんだったんだ?(汗)。」

オレは【壁ドン!】ならぬ【テーブルドン!】に事の顛末てんまつが理解できないでいる。

「まーいいんじゃない?」と、千尋は意味深な表情を浮かべる。

「そ、そうか?」

「とりあえず美咲ちゃん、あんたのこと嫌いではないよ。」

「そうなのか?」

全くわからんが、千尋の言葉を頼りに、訴えられる心配がなくなったと信じることにした。

「さて、そろそろ行ってみよっか?」

「ぉ、おう♪」

千尋の号令と共に、動き出す。

オレは平静さを取り戻そうと、千尋のぶんもトレ―を片付けるのだった。


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