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悪役令嬢だけど両思いになりたい  作者: 月乃
第3章
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ダミアンの頑張り①

誤字脱字報告ありがとうございます。

大変助かっています。

男子寮談話室。


「あの、アルベルト殿下」

「なんだ、ダミアンじゃないか。久しいな」

「お久しぶりでございます。あの、お聞きしたいのですが」

「なんだ?」

「殿下の襟元にぶら下がっているそれは流行っているのですか?」

「これか!これはセティーがくれたお揃いの飾りなんだ!」


「やっぱりセティーが用意した物だったのか」

「2人がお揃いの飾りを着けるようになってから女子の間で流行ってるってマリアが言ってたよ」


横からシャルエラントとヴィクトルが話に入る。


「やはり、流行っているのですか」

「まぁ、そのようだな。私とセティーは歩く広告塔だからな」

「それにしても赤いチェーンとはな。セティーも可愛らしいことをする」

「ん?この赤いチェーンに何か意味があるのか?セティーは金に銀も宝石で使っていて色が被るからだと言っていたが」

「いや、マリアに借りた小説に『赤い糸』という物が出てきてな」

「でもアル様のは糸じゃなくてチェーンだよ?」

「そのチェーンを糸に見立てていると俺は思うが」

「ふーん。マリアの小説って恋愛絡みが多いよね」

「まぁな。借りている物も大半は恋愛小説だな」

「男のシャル様が読んでつまんなくないの?ゲロ甘な台詞とか出てくるじゃん」

「案外面白いぞ。もちろん現実で言われたら引いてしまう言葉もあるが、ある程度、女性の理想が書かれているから参考にもなる」


「女性の理想ですか……」

ダミアンがポツリと呟く。


「どうしたダミアン?悩み事か?この襟飾りを気にしていたが」

「その、実はまだマリーに入学祝いを送れてなくて」

「何!?それは、不味くないか?」

「入学してもう数ヶ月が過ぎてるぞ」

「流石の俺でもヤバイってわかるよ」


3人の言葉でダミアンは焦る。


「いえ!マリーにはいつも同じ花を渡しているので。その花が咲くのがこの時期なのです」

「いつも同じ花だけか?」

「はい、そうですね。何を渡せば良いかわかりませんし、花ならそのうち枯れるので貰っても邪魔にはなりませんし」

「メッセージカードくらいは書いているだろ?」

アルベルトが恐る恐る質問する。


「いえ、筆不精なので」



「「「………。」」」


3人は口が開いたまま固まる。


「ヤバイ。俺より女心がわからない奴が居た」

「いやいや、もしかしたらマリエット嬢の好きな花なのかもしれん」

「それか花言葉が適しているかもしれない」


「ウイキョウの花を贈っています。実がスパイスにもなりますし、使える花です」


「ウイキョウって確か薬木にもなるんだよね?」

「あまり贈り物としては適してないだろ」

「花言葉はたしか『称賛に値する』だったな。婚約者に贈る花に相応しいとは言い難いな」


「そんなに不味かったですか?マリーはいつも喜んでくれていたのですが」

「出来た婚約者だな」

「ダミアン、正直その贈り物では自分に幼なじみ以上の感情はないと思われるぞ」

「そっそんなつもりはないのですが。実はここ数日マリーが令嬢達のペア飾りを眺めていたので、気になりまして」

「それで、相談しに来たのか」

「はい」


「普通に考えてペアの飾りが欲しいんじゃない?贈ったらいいじゃん」

「恥ずかしくありませんか?」

「私は平気だな。これの他にもお揃いの物がある」

「俺には婚約者が居ないが、俺も抵抗はないな」


アルベルトとシャルエラントが肯定意見を述べる。


「俺はマリアとお揃いにする事が多いけど、デザインとか色によるかなー。母様とマリアが盛り上がり過ぎて俺のことを考えてない花柄とかピンクとかは嫌だよね」

「そうですよね。女性と同じデザインなんて恥ずかしいですよね」


ヴィクトルの意見を聞いてダミアンはホッとする。


「シンプルなデザインで俺でも平気な色なら大丈夫だよ。自分が着けても平気なのを贈ったらいいんじゃない?」

「ダミアンのセンスで大丈夫なのか?」

「いくら自分が着けて問題ない物とはいえ、自分の装飾品を選ぶ感覚ではダメだからな」

「ゔっ。自分としては飾りの少ないシンプルな物で色は黒か青が良いと思うのですが」

「ダミアンは黒髪、黒目だからな。自分の色を渡すという意味では黒が良いと思うが、他の色の装飾が少ないシンプルな物では女性が着けるには無骨ではないか?」

「宝石の土台に装飾をつけたら少しは女性向きになるんじゃないか?俺だったら相手の色を使った装飾をしたいな」


アルベルトとシャルエラントの会話を聞いたダミアンは表情を暗くする。


「まぁアル様とシャル様なら凝ったデザインを考えそうだけどさ、贈り物は気持ちだからそんなに気負うことないよ」

「ヴィクトルさん!見繕うの手伝って下さい!」

「えっ俺!?アル様達の方が良いに決まってるよ!」

「確かに殿下達は洗練された物をお選びになられるでしょう。しかし、それらは俺にはハードルが高いのです!ヴィクトルさんならマリア様とお揃いに慣れてますし、俺でも着けられる物が選べると思います!」

「うっ。俺はデザインにあまり口を出さないし、センスも良くないけど、それで良いなら」

「はい、お願いします!」


こうしてダミアンはヴィクトルと贈り物を選ぶことにした。




「こちらなんて如何でしょう。こちらは女性に大変人気でして」

「いやもっと装飾の少ない物を。それに、色も派手でない方が」


ダミアンは店の店主が勧めた品を全て却下する。


「ダン、少しは妥協しないとダメだよ」

「いやはや。これ以上に装飾も無くして色味を抑えるとなると男性用の物しかありません」

「ほらー。マリエット嬢に男性用なんて渡せないだろ?この男女兼用の中から選ぶしかないよ」

「しかし、こうゴテゴテしているのは苦手でして」


(ダンの奴、俺より頑固だよ)

(贈り先はファビウス侯爵の御令嬢!マルヴィン公爵令嬢と並ぶほど令嬢達に影響ある方だ。下手な物は選ばれては店の評判を落としかねない!)

「「はぁ……。」」


ヴィクトルと店主は同時にため息を着く。


「ではこの中から宝石を選び一からデザインするのはどうでしょう?」

「それならば、この石をそのまま使うというのではダメか?」

「そっそのままですか……。」


(はぁ、このままじゃダメだなぁ。何か良いのないかなー)


ヴィクトルはダミアンから離れ男性用の飾りが置かれている場所に移動し、品物を眺め始める。

少しすると、ヴィクトルの目に一つの黒い宝石の装飾が目に止まる。


(この宝石、黒いけど金色の光を放ってる。綺麗だなぁ。これならマリエット嬢が着けても違和感ないかも)


「ダン、この宝石はどうかな?黒い宝石だけど、金色の光を放ってるんだ。金はマリエット嬢の髪色だしどうかな?」

「綺麗ですね。丸くカットされていてシンプルですし」

「これと同じ女性用を作って貰えば良いよ。マリエット嬢用には土台にワンポイント装飾を足せば大丈夫だよ!」

「マリーの分だけに装飾を足すのはお揃いになりますか?」

「それくらい許容範囲じゃないの?」

「ええ、女性用に装飾を足すことは良くあることですよ」

「そうか、ではそれでお願いしよう。ヴィクトルさん、装飾は何が良いでしょうか」

「えっそれはダンが考えなよ」

「しかし、俺では何にしたら良いかさっぱりで」

「はぁ。ダンにとってマリエット嬢がただの幼馴染で、家の関係だけで繋がった婚約者なら俺が考えてもいいけど」

「そんな事はありません。マリーは俺にとって……」

「マリエット嬢ばダンの大事な人だよね。でもいくら婚約者だからってダン本人の気持ちを伝えていないのはダメじゃない?」

「そっそれは…マリーなら言わなくても分かってくれているはず……」

「そうかな?目に見えないことなんて誰にもわからないよ。だからダンの気持ちが伝わるような贈り物を考えないと」

「わっわかりました」




それからダミアンは店主とマリエット用のデザインを考えていく。


意外と長くなりそうなので2話に分けることにしました。

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