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悪役令嬢だけど両思いになりたい  作者: 月乃
第1章
8/229

お披露目会①

ついに、パーティーの日がやってきた。


鏡に映る自分の姿を確認する。


自分のアメジストの瞳に合わせたラベンダー色のプリンセスラインのドレス。

ウエスト部分に、大きめのリボンがあり、ドレスの裾には、綺麗な刺繍がされていて可愛い。

髪は編み込みのハーフアップ。

編み込みの部分には、小さい花の髪飾りがあちこちに付いている。


うん!

自分で言うのもなんだが、可愛いじゃないか!

これなら悪い印象はないだろう。


公爵家の馬車に乗り王宮へ向かう。

一緒に行くのはお兄様とお母様だ。

父は宰相の仕事があるのですでに王宮にいる。


「セティー、緊張してるのかい?大丈夫だよ!会場では兄様がちゃんとエスコートするから!」


「ありがとうございます。お兄様」

うーん。

我が兄ながらカッコイイな。

正装姿はさながら王子様だ。


アルベルト様に会うことが、緊張してないと言えば嘘になる。

だか、それ以外にも不安要素がある。

家族以外の貴族に会うのはこれが初めてなのだ。

ゲーム内での貴族というのは、陰湿な人が多い。

社交界は嘘と見栄で塗り固められている。

まだ私は子供だが、なにせ我が家は公爵家なのだ。

どうしたって注目されるし、値踏みされるだろう。

もしかしたら以前のセレスティーヌの性格が噂されているかもしれない。

不安だ。

それに他の貴族の子供達に囲まれたら対応出来る自信がない。

そんな情けない姿は公爵家の人間として見せてはいけないだろう。


絶対にお兄様の隣を離れないようにしよう。



そう決心し、気合いを入れた所で王宮に着いた。

案内人に連れられ会場に着く。


「マルヴィン公爵家、御到着です」


いよいよだ。


私達が一歩会場内に入ると周りの視線が集まり、ざわついていく。


なに!?

なんかヒソヒソされてる!?

やっぱり、セレスティーヌの悪さが知られてて、悪口言われてるのかな?


うつむきたくなる気持ちを抑えて、イザベル夫人に習った通りに笑顔を作り前を向く。

私は見た目は子供でも中身は大人だ。

こんな事に負けてはいけない。


しばらくして、やっと周りを見る余裕が出てきた。


庭園を眺めてみる。

色鮮やかな花。

それと綺麗に整えられた草木と芝のコントラスト。

中央には大きな噴水も置かれ、少し離れた所には東屋も見える。


ベルサイユとかに出てきそうな庭園だなぁ。

行ったことないけど。

外国に旅行に来たみたいで、気持ちが上がるなぁ。


次に周りにいる貴族の子供達が目に入った。


あれ?

男の子はお兄様と同じような正装服だけど、女の子の格好がみんな派手じゃない?

セレスティーヌのボツにしたドレスではないけど、みんな飾りが盛り盛りだ。

私の格好、地味かな?

みんな、アルベルト様や他の貴族にアピールするために気合い入ってるだけなのかな?


今日の目的はアルベルト様に悪い印象を与えないことだけど、印象にすら残らないかも。

地味って思われたらヤダなぁ。


------------

「見て、マルヴィン公爵家の方々よ」

「相変わらず公爵夫人の美しさは少しも陰らないわね」

「御子息も立派になられて」

「御子息の隣にいる令嬢が、あのセレスティーヌ嬢か!」

「まぁ、なんて可愛らしいのでしょう」

「着ているドレスも可愛らしい。花の髪飾りも庭園の花々と合ってますわ」

「庭園に舞い降りた花の妖精のよう」

「宰相殿が溺愛しているのも納得だな」

------------


周りがザワつく中、

国王夫妻と王子であるアルベルト様の入場が告げられる。


私は不安と期待が入り混じる、心臓の鼓動が奏でる音を聞きながら待った。

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