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悪役令嬢だけど両思いになりたい  作者: 月乃
第2章
62/235

婚約式

選択授業のため、みんなで廊下を歩いていた。

分かれ道で男性陣と別れる。

男性陣はこれから剣術の授業なのだ。


「それじゃあ私達はこっちだから」

「ええ、頑張ってね」


「アルベルト様!」

クリスティーヌ様が取り巻きを引き連れて来た。

「クリスティーヌ嬢、どうかしたか?」

「ええ!私、今回のテスト15番でしたの!来年にはアルベルト様と同じクラスになれるはずですわ!」

クリスティーヌ様は自信満々という感じで笑顔で言った。


確かに凄いよね。


「ああ、知っている。今回は頑張ったのだな」

アル様もクリスティーヌ様の頑張りを認めているようだ。


「そうなんですの!お義兄様の指導の下、頑張りましたのよ!今日はそのテストの結果をお知らせするのと、今度の王宮でのパーティーのエスコートをお頼みしたくて!」

「テストの結果はわかった。しかし、すまないがパーティーのエスコートは出来ない。私は開催側のホストだからな」


アル様はエスコートの申し入れをあっさり断った。


そっか、来月にはもう社交界シーズンだもんね。

シーズンの最初は王宮でのパーティーと決まっている。

準備で色々忙しいのか、王宮内も慌しい雰囲気だし。


あっドレスとかどうしよう。

そろそろ考えないと。


「そっそれでは、ダンスの約束をして下さい!」

「来賓の相手をしなければならないので、約束は出来ないが、空いていればな」


あっアル様、あからさまに拒否しない。

クリスティーヌ様の努力認めてるのかな?

ちょっと複雑。


「お約束しましたわ!それでは私はこれで、御機嫌よう!」


「ふぅ。相変わらず圧が強いな。あっセティーは必ず迎えに行くからな」

「はっはい。わかったわ」




「もう社交界シーズンなんですね」

「今年デビューしたばかりだから、忘れてたわ」

「もう、セティーもエメリアも大事なことなのよ!そういえばエメリア、ダンスは大丈夫なの?」

「えっと、まだそんなに自信ないです。授業ではいつもジル先生が相手をして下さるので、なんとか踊れてるんですが」

「ふふ、お兄様のリードは完璧ですものね」

流石お兄様!


「他に踊ったことあるのは、アル様にシャル様だもんね。リード完璧な人ばかりね。問題は他の人よね」

「ダンスも問題なんですが、エスコートを頼める相手がいないことも問題なんです」

エメリアの表情は暗い。


私の誕生日パーティーではリュカがエスコートをしてたけど、流石に王宮のパーティーにリュカが参加するのは無理だから、他の人を探さないといけないのよね。


「それなら、お兄様にお願いしてみるわ!エスコートの相手とダンスをすれば、他の人とはしなくても問題ないし、お兄様となら上手く踊れてるもの!」

「えっ!?それじゃあセティーさんのエスコートはどうするんですか!?」

「お母様側の従兄弟が参加するはずだから、そちらに頼むから大丈夫よ!」




「そういうわけでお兄様、お願いします!」


私のお願いにお兄様が渋い顔をする。

えっ?ダメ?

そんな。

そこまでのワガママは言ったことないと思うけど、お兄様にお願いを断られたことなんてないのに。


「うーん。後何回セティーをエスコート出来るかわからないから、本当はガルドに譲りたくないんだけど。セティーのお願いじゃあしょうがないか」

「お兄様!ありがとうございます!もちろん次は私のエスコートをお願いしますね!」

「もちろんだよ」


良かったわぁ。

これでエメリアのエスコートとダンスは大丈夫だわ。


従兄弟のガルド兄様にエスコートを頼むお手紙を書いたらすぐに了承の返事が来た。



さてと、そろそろドレスの用意をしないとね。


メイドさん3人組にドレスを相談すると。

「お嬢様のドレスならもう準備が進んでおりますよ」

「奥様と旦那様が既に手配しておりましたよ」

「どんなドレスか楽しみですね」

と返答された。


「えっ?そうなの?」

「「「はい」」」


あれ?

こういうのって本人の意見とか必要じゃないのかな?


「ちなみに何色のドレスかわかる?」

「白だと伺っています」


「えっ?デビュタントで白を着たばかりなのに」

てっきりカラードレスだと思ったわ。


「次にカラードレスにすればよろしいですよ。パーティーはたくさんありますから」

「それもそうね」




---------------

あっと言う間に王宮のパーティーの日になった。


私は実家に戻り支度をする。

お兄様はエメリアを迎えに行った。


今日のドレスは、真っ白でフリルのついたドレスに所々青い飾りが使われている。


なんか凄く豪華。

いくら王宮のパーティーだからって気合い入れすぎじゃない?


「さぁお嬢様後は飾りを付ければ完成です」

「一段と華やかになりましたね」


髪飾りと首飾りは前にアル様に頂いたものを。耳飾りは首飾りに合わせて、ムーンストーンの物を今日のために発注された。



お父様もお母様もどんだけお金掛けたんだろう?

なんか申し訳ないなぁ。

鏡に映った化粧され着飾った自分を見て、家族の協力やメイドさん達の努力がわかる。


これだけして貰ったんだから、パーティーでは粗相なんてないように頑張ろう。


私が決意をすると、突然部屋の扉が勢いよく開いた。


「セティー!!会いたかったぞー!!」

「ガルド兄様!?」

「待ちきれなくて部屋まで来てしまった!セティー、本当に綺麗だ!いつもジルがエスコートするのを羨ましいと思ってたから、今日はセティーをエスコート出来て嬉しいぞ!」

「ガルド兄様、今日はよろしくお願いします」

「ああ!まかせろ!」

ガルド兄様は私をぐわっと抱きしめた

「ゔぐっ!ガルド兄様、苦しい…」

「ああ!すまん!力加減が難しいなぁ」


くっ苦しかった。

ガルド兄様は相変わらず力が強いわ。


ガルド兄様はゴリマッチョな体型でいかにも強そうといった感じだ。

そして不器用だから力加減が出来ない。


「2人ともー。遅れちゃうわよー」

「お母様、今行きます」

「ふふ、早くいきましょう」

「というか、お母様もパーティーに参加されるんですか?」

妊婦だから今シーズンは参加しないって言ってたのに。

大丈夫なのかな?

人多いし、ぶつかったりしたら危ないわ。


「王宮のパーティーだし、今回は特別なパーティーだからよー」


ん?

特別?

王宮だからかな?


「心配しなくてもソファでゆっくりしてるから大丈夫よー」

「それなら良いんですけど。あっそうだお母様、ドレスに耳飾り、ありがとうございます」

「ふふ、良いのよ。セティーちゃんとっても綺麗よ。後でエドにも見せてあげてね」

「はい!」



王宮に着いてガルド兄様と入場する。

お母様は着いてすぐに婦人達の所へ行ってしまった。


相変わらずヒソヒソされている。


「セレスティーヌ様のお隣がジェラルド様じゃないわ!」

「辺境伯家のガルド様よ」

「ジェラルド様はどうされたのかしら?」

「まさか他の令嬢をエスコートされてるのでは!?」

「そんな!?」



うーん。

お兄様のことが気になるみたい。

エメリアが変に注目されちゃうかも。


「ガルドじゃないか!久しぶりだな」

「おお!久しぶりだな!」


会場を歩いているとガルド兄様の知り合いに会った。


「なんだ、お前が女性連れなんて珍しいと思ったら自慢の従妹様か」


相手が私を見たので挨拶をする

「セレスティーヌ・マルヴィンと申します。今日は訳あって兄の代わりに、ガルド様にエスコートをお願いをしております」


「それで女性達が騒いでいるのか。もしや、ジェラルド殿に意中の相手が出来たのですか?」

「ふふ、残念ながら。お兄様には、私の友人のエスコートをお願いしましたの」

「それは残念。早く意中の相手を見つけて、女性達の目をこちらに向けてほしいものです」


ふふ、お兄様はモテますからね!



お兄様とエメリアが入場してきた。

会場内が一気に騒がしくなる。

男性達は羨望の眼差しを、女性達は嫉妬の眼差しを2人に向けている。


怖っ!?

女性達のエメリアを見る目が怖すぎる!

ああエメリアが怯えてる!


「お兄様!エメリア!ご機嫌よう!」

「セティー、とても綺麗だよ。ガルドはちゃんとエスコートしてるかい?」

「おおジル、久しぶりだな。ちゃんとやってるぞ。そっちの子がセティーの友人か」

「はい!エメリア・バルリエです」

「君のおかげでセティーをエスコートすることが出来た。ありがとう!」

「いっいえ!こちらこそ!私の為にセティーさんがジル先生に頼んでくれたんです。セティーさん、ジル先生、改めてありがとうございます」


ガルド兄様とエメリアの声が大きいため、周りに聞こえていたのか、エメリアへの女性達の視線は弱まった。


「まぁバルリエ家の令嬢といえば『銀の乙女』と呼ばれる方ではありませんか」

「セレスティーヌ様と並び称さるだけあってなんて可愛らしい方なんでしょう」

「お二人はご友人ですのね!」

「今回はご友人の縁で、ジェラルド様がエスコートされてるのですね!」


あっという間に令嬢達に取り囲まれた。


「はい、そうなんです。まだ社交界に慣れない私の為に、セティー様がお兄様であるジェラルド様にお願いして下さったんです。ジェラルド様は、学園でも接しているので安心だろうと。皆様、まだまだ不慣れではありますが、どうか仲良くして下さい」

エメリアが可憐な笑顔を浮かべる。


エメリアの笑顔に女性達も少し離れた所にいる男性達も顔を赤くする。


「もっもちろんですわ」

「こちらこそ仲良くして下さいませ」


流石エメリア!

女性達を味方に付けたわ!

これなら社交界も問題ないわ!



「ふぅ。ちょっと怖かったです。セリフ変じゃなかったですか?」

「大丈夫だったわよ!ちゃんと淑女に見えたわ!」

「良かったです!会場に入ったら女性達の目が怖くて!ジル先生って本当にモテるんですね!」

「お兄様だからね!でも、そこまで考えが及ばなかったわ。ごめんなさい、怖い思いをさせて」

「怖い思いをさせてごめんね。私が未だに婚約もしてないのが悪いんだけど」

「いっいえ!2人が悪いわけじゃないですから!でもジル先生の恋人になる人は大変ですね」

「いい加減、婚約したらどうだ? 俺ですらしてるぞ」

「有難いことに、両親は恋愛結婚を推奨してくれてるからね。私はまだ良いんだよ」

「叔母上達は恋愛結婚だからなぁ。しかもこの歳で懐妊したと言われた時は驚いた。まぁ、夫婦仲が円満なのはいいことだな」


確かにウチの両親はいつもラブラブだ。


「そういえば母様は?」

「あちらのソファーで御婦人達とお話しをしています」


ふとお母様の方を見ると、お母様を中心に盛り上がっているのが見えた。

まぁ妊娠という大きな話題があるもんね。



「公爵夫人はいつもお美しいわぁ」

「旦那様に愛され続ける秘訣はなんですの?」


「ふふ、それは旦那様を愛することですよ」


うわぁ。

お母様ったら惚気全開。


「あら? あそこに居るのはアルベール侯爵夫人じゃなくて?」

「あら本当。サンドラ様だわ」

「珍しいですわね。いつもは会場の真ん中にいらっしゃるのに」

「それに、あのドレスや飾りは見た事がありますわ。侯爵夫人がドレスや飾りを新調されないなんて珍しいですわ」

「やっぱり御実家が大変なんですのね。」

「今まで御実家からのお金でドレスや宝石を買っていたらしいですものね」



ちょっと離れてるのに会話が全部聞こえてくる。

やっぱり社交界って噂が回るのが早いなぁ。


確かにサンドラ様は珍しく壁の花になっているし、ドレスも少し前に流行っていた物で少し流行遅れだ。

それでも豪華なドレスには違いないけど。



「「セティー、エメリア!」」

マリアとヴィクトルが来た。


「「ジル様もこんばんは」」

「2人ともどこに居たの?」

「父様と母様も参加してるからあっちで一緒に居たんだよ」

「挨拶周りも終わったからこっちに来たの」


あっ挨拶周り!

忘れてた!!


後で回るしかないよね。

そろそろ始まるし。



そして楽器の音と共に王族の入場が知らされた。

国王夫妻とアル様、それに来賓の方々が壇上に上がっている。


いよいよ社交界が始まる。


爵位的に前に行かなきゃ。

エメリアもお兄様の相手なので必然的に前だ。


「私がこんな前で良いんでしょうか?」

「いいのよ。お兄様の相手なんだから」

「そうよ。堂々としてればいいのよ」



国王が挨拶のため立ち上がり前に出る。

皆一斉に頭を下げる。


「面を上げよ。今年も社交界を開催できること、喜ばしく思う。そして、今年は喜ばしい報せを皆に伝えれることが出来ることを嬉しく思う。まず1つは王妃が懐妊した。新しい王族が無事に誕生することを願っている。またもう1つは王太子である息子の婚約が、長らく候補者という形になっていたが、ようやく決定した。アルベール家の辞退を持って、セレスティーヌ・マルヴィン嬢を婚約者として迎えいれることになった。本日は皆の前で社交界の開催と共に2人の婚約式を執り行うこととする」



!?

えっ!?聞いてないよ!?

ケータイの調子が悪く更新が遅くなっています。

申し訳ありません。

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