合同誕生日パーティー
新年明けましておめでとうございます。
休暇明けのテストは頑張った甲斐があってエメリアと同点だった。
「良かったぁ。エメリアと同点だわ」
「セティーさんと同点なんて嬉しいです!」
頑張って良かったぁ。
図書館で勉強してたエメリアと同点なのは、かなり嬉しいわ
「うわぁ!俺ヤバイ!順位ヤバイよ!」
とヴィクトルが声を上げる
そんなにヤバイってどれだけ順位落としたのよ。
えっ!?
28番!?
上のクラスは15名だから15位までに入る必要があるのに!
いつもはマリアが、テストに出そうな所だけまとめて、丸暗記してたもんね。
ヴィクトル来年のクラス一緒になれるかな。
あれ?
クリスティーヌ様の名前が15番にある!?
すごい!みんなが油断してたテストとはいえ順位が凄く上がってる!
「まったく、ヴィはマリアに頼り過ぎだな」
とアル様が呆れた顔をして言った。
「だって勉強嫌いなんだよー」
「はぁ。そんなんで来年、1人だけクラスが違っても知らないぞ。クリスティーヌ嬢が順位を上げたようだし、ヴィと入れ替えもあり得るぞ」
「うっ!あっあり得る!マリアー!!どうしよう!?」
「まったく、ヴィったら。今日から少しでもいいから勉強しましょう。成績が悪いと監督生になれないわよ。お父様にもガッカリされるわよ!」
「それはまずい!模範生になれなくても、監督生にはなれるようにって言われてるんだよ!」
なるほど、ヴィクトルは剣術の稽古で見本を見せたりする監督生を狙ってるんだ。
「他の生徒に見本を見せたり、1年生の稽古の監督をするからな。普通は成績優秀者だ。ヴィ、監督生を目指すなら頑張るんだぞ」
とアル様が言う
「うぅ、わかったよ。頑張るよ」
ヴィクトルは溜息をついてショボーンとする。
「ふふ、ヴィクトル、頑張ってね。もちろん、教えるマリアも頑張ってね。私も手伝える所は手伝うから」
「「セティー、ありがとう」」
放課後。
私達はサロンに集まった。
前々からやろうと言っていた合同誕生日パーティーのためだ。
「ふふ、なんだか楽しいわね!」
みんなでお菓子を食べてプレゼント交換。
楽しいわ!
「本当ね!なんだかワクワクするわ!」
「誕生日パーティーなんて初めてです!」
「ケーキもお菓子も可愛いわね!」
ショートケーキにマカロンタワー、綺麗な色のチョコレート。
見てるだけでワクワクするわぁ!
「料理も美味しそうです!」
「シェフ達に頼んで良かったわね!」
「そうね! 無理を言ったと思うけど頼んで良かったわ!」
今日の料理は学園のシェフに前から依頼していたものだ。
シェフ達はお茶会を開く時にも依頼されるから大丈夫だと言っていたけど、参加者に王太子が2人も居ることに驚いていた。
「それにしても男性陣は遅いわね」
マリアが不安そうな顔をする。
「最後の授業は確か馬術だったから、遅れてるのかしら?」
着替えとかあるしね。
「リュカは校舎が違いますし、こっちの校舎に入る許可証は取ってありますが、手続きに戸惑っているのかもしれません。私迎えに行ってきます!」
と言ってエメリアが駆け出していく。
「エメリアとリュカは本当に仲良しよね」
せっかくだからリュカも誘おうって言った時のエメリア、嬉しそうだったし。
「昔からの友人なんだもんね。今じゃ校舎も違う上に身分の壁があるから、一緒に居れる時間は貴重なのよ。ああ!身分の壁を超える2人!そういうお話しありそうだわ!」
「もう、マリアったら。でも本当にありそうよね。」
でも、男女の幼馴染と言えば恋愛に発展するのは少女漫画の王道だけど、2人はどうなんだろう。
現実だとそんなことないのかな?
前世でも異性の幼馴染がいる子は居たけど、仲は良いけど、あれは弟か従兄弟みたいなものだって言ってたよね。
普通に大学まで友達だったし、付き合えばって冷やかされると、男女として意識したことないし、そんな意識があったらとっくに付き合ってるって言ってたなぁ。
「2人に恋愛感情ってないのかしらね?マリアはどう思う?」
「えっ?セティー本気で言ってるの?もうー相変わらず鈍感なんだからぁ」
えっ?
なにそれ?
結局どっち?
「えっ?わからないわよ。結局恋愛感情あるの?ないの?どっちなの?」
「私も本人から聞いたわけじゃないわ。でも見てたらなんとなくわかるわよ。気になるなら聞いてみれば?」
「えー!そんなこと聞けないわよー」
違ったらなんか2人に申し訳ないじゃない。
なんか男女の友情を傷つけるみたいで聞けないよー。
「ふふ、セティーたら眉間にシワが寄ってるわよ。よく観察してればわかるわよ。よく観察してその鈍さを直せば自分のためになるわよ」
うう、簡単にいうわね。
「お待たせしました!」
「お待たせしてしまって、申し訳ありません!」
エメリアに続いてリュカが入ってきた。
「良いのよ。手続き、無事に終わったのね」
「はい。予めに許可証を発行して頂いてましたし、途中でリアが来たのでスムーズに手続き出来ました。ありがとうございます」
とリュカがみんなに頭を下げる。
「私達が一番最後だと思っていたがリュカも着いたばかりなのか。良かった。セティーにマリア、エメリアも遅れてすまない」
「ごめんねー。授業で思ったより汗掻いちゃってさー」
「水浴びしてたら遅くなった。汚いまま女性と食事する訳にはいかないからな。しかし、女性を待たせてしまってすまない」
アル様、ヴィクトル、シャル様がサロンに入ってくる。
みんなズボンにシャツだけで、ベストとネクタイは手に抱えてラフな格好をしている
みんな急いで来てくれたのか髪が少し濡れてる。
ああ!
水が滴るアル様カッコいい!!
いつも癖が少しある髪だけど、濡れてるせいか直毛に見える!
直毛も似合ってる!
水も滴る良い男とは、まさにこのこと!!
「まだ身体の熱が冷めなくてな。こんな格好で悪いな。」
アル様が近づいてくる。
キャー!
目の前にアル様が!
こんなラフな格好初めて見たし、髪が湿っているせいでお風呂上がりに見える!
ヤバイ!
ここは冷静にならなきゃ!
「アッアル様、まだ髪が濡れてますよ。風邪を引いてしまいます」
私はそっとアル様の頭にハンカチを添える。
「ああ、すまない。ありがとう」
そう言ってアル様は大人しく私に頭を拭かれる
「甲斐甲斐しいな。セティー、俺も拭いてくれないか?」
シャル様はニヤニヤしながら顔を私に近づけてきた。
わっ近い。
「ほら、これなら俺の頭を拭けるだろ?」
「えっえっと。じゃあ「よし、それなら私が拭いてやろう!」
えっ?
仕方なく拭こうとしてらアル様がどこから出したのか、タオルをシャル様の頭に被せてガシガシ拭き始めた。
「えっ!?ちょっ!?アル!痛いぞ!」
「うるさいな。望み通り拭いてやってるだろう」
「男に拭かれても嬉しくないぞ!それなら自分で拭く まったく独占欲が過ぎると嫌われるぞ」
「ふふ、本当に2人は仲良しですね。シャル様も始めからアル様に頼めばよろしいのに」
2人の掛け合いは、まるでコントみたいだわ。
「いや、セティー。鈍すぎるだろ」
「そこがセティーの良いどころだ」
シャル様がやや呆れた顔して、アル様が笑っている。
なんだろう貶されてるのか、褒められてるのかわからない。
それから乾杯をして、しばらくケーキや料理を口にして、話しを楽しんだ。
「えっリュカも後期の選択授業、一緒なのね!」
「教室ではよろしくお願いします。この授業はリアと相談して決めました。」
「ふふ、みんな一緒の授業です!」
「4人1組のグループ授業するみたいだから、良ければ一緒にやりましょう!」
「僕なんかで良ければ喜んで」
わぁ!それ良いわね!
みんなで仲良く出来そう!
「ハハ、ハーレム状態だな。羨ましいぞ」
「いや女性陣をまとめるのは大変だと思うぞ」
「3人ともお喋りしだすと長いしね」
「ヴィったら、何よ。いいじゃない。お喋りだって私達には大切なことなのよ!これから社交界でも必要だし。」
マリアが頬を膨らませる。
「でも、リュカは男性1人じゃやり辛いわよね?私達に遠慮しなくていいのよ?」
他の生徒にやっかみを言われても困るしね。
「いえ、庶民の生徒はあまりこの授業を選択していないので、皆様と組めるなら有難いです。他の知らない貴族の方と組む自信はありませんし」
「そうなの?なら良かった」
「そろそろプレゼント交換しましょう!」
「いいですね!そうしましょう!」
マリアとエメリアの声にみな賛成しクジを引く。
あっ私はリュカのが当たったわ。
私のはヴィクトルに当たったみたい
「セティー様、どうぞ」
「ありがとう!わぁ!綺麗なコップね!」
リュカがくれたのは、模様が綺麗なガラスのコップだった。
「僭越ながら自分が作りました」
「そうなの!?凄いわ!ありがとう!大事にするわね!」
「気に入って頂けて嬉しいです」
「セティーのはボタンだ!綺麗だね!」
「それはウチの領地で取れた石の加工品なの。服の袖や襟に着けてアクセントにしてみて」
「うん!ありがとう!」
良かった。
男女どちらに当たってもいい物って、選ぶの難しかったから。
喜んでもらえてホッとしたわ。
みんなそれぞれプレゼントが交換された。
みんなは紅茶やお菓子が当たったみたい。
「そうだ、俺から女性陣に渡す物があるんだ」
とシャル様が笑顔で言う。
「シャル様、何かしら?」
「俺の国の衣装だ!是非3人に着て欲しくて持ってきたんだ!」
そう言ってシャル様が取り出したのは、アラブの踊り子のような衣装だった。
お腹も出てるし、足も透けて見えてしまっている。
えっ!?
これを着るなんて無理よ!
文化の違いがあったとしても無理!
恥ずかしすぎる!
「「そんな衣装着れないわ!/ません!」」
マリアもエメリアも拒否する
「何故だ?俺の国の女性はみんなこのような格好だぞ?」
「シャル様!文化の違いだとしても、そんな露出の多い衣装は恥ずかして人前じゃ着れません!」
「そうか?これでも布の多い物を選んだつもりなんだが。姉や妹はもっと露出の多い格好をしているからな」
「えっ?」
アル様は休暇中、そんな露出の多い格好をした姫様達に囲まれてたの!?
「アル、別に姉や妹がこの格好でもおかしくなかっただろう?」
「シャルの国は南国だから、そういう衣装なんだろが、こちらではその様な格好はしない。それに正直目のやり場に困ったぞ!」
「むぅ。そうか。ドレスも綺麗だが、俺の国衣装を着ている所も見たかったんだが、諦めるか。せっかく持ってきたんだが、これは国に送り返すか。」
シャル様はショボーンと落ち込んでいる。
「もう、シャル様。有り難く頂きますが、人前では着れないので、寝巻きか部屋着にしますが、それで良いですか?」
「ああ!せっかくだ、貰ってくれ!」
シャル様はパァッと明るくなる
「マリアとエメリアもそれで良い?」
「まぁ貰うだけなら良いわ。人前じゃあ着れないけど」
「私も同じです!」
「良かった。あっそうだ!今度この衣装着てパジャマパーティーしない?」
「「パジャマパーティー??」」
2人はなんのことか分からない様子だ。
「この衣装着て寮の部屋で、いつもより夜更かししてお喋りするの。お茶会を夜に行う感じよ!」
「わぁ!楽しそうだわ!」
「3人だけならこの衣装でも恥ずかしくないです!」
「それはなんとも魅惑的な会だな」
「「「男子禁制です!」」」
「むぅ。まぁ良い。みんなを俺の国に招待すれば良い話しだ。俺の国は暑すぎてドレスなんて着ていられないはずだからな。否応無しにこの衣装を着ることになるさ」
そんなこんなで合同誕生日パーティーはお開きになった。
気づけば間が空いていました。
更新遅くなって申し訳ありません。




