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悪役令嬢だけど両思いになりたい  作者: 月乃
第2章
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夏休暇②

マルヴィン家の領地は農産、鉱山、漁業と幅広く事業を行なっている。

街も中々大きいし、観光地としては良いと思う。


お母様の実家は辺境伯領とあって広大な土地に広がる山や森に泉があって自然豊かな所だ。


マルヴィン領では観光して、お母様の実家では自然の中でリフレッシュするのも良いかも!



----------

疲れた………。


マルヴィン領でも、お母様の実家でもお祖父様、お祖母様、叔父夫婦と従兄弟達に囲まれ、離してもらえなかった。


特にお祖母様や叔母様達には着せ替え人形にされ、連日買い物に付き合わされた。


男性陣も可愛がってもらえるのは嬉しいが、体力が違うことに気づいてほしい。


別れる際も抱きつかれたけど、お母様側の親戚は体格がゴツく、苦しかった。


本当ならゆっくり観光して、お兄様と遠乗りして綺麗な泉とか森とかに行く予定だったのに!


着せ替え人形になり、観光そっちのけで朝から晩まで買い物に付き合わされ。

景色そっちのけで、従兄弟達と遠乗り。

馬のスピードが速すぎて辛かった。

お兄様の馬に乗りたかったのに、せっかくだからと従兄弟の馬に順番に乗ったのが間違いだった。

みんな競うようにスピードを出すし。



はぁ。

今日は家で課題を終わらせよう。

休暇後のテストに備えないと。


テストについては、教師達は何も言ってなかった。

私はゲームに出てきたから知ってるけど、みんなはテストがあるの知らないのよね。


でもゲームのヒロインはもちろん、テストの点数は良かったわ。

エメリアも休暇中は勉強に励むって言ってたし、負けれないわ!


夏休暇も残りわずか。

後はマリアとエメリアとお茶会して、王妃教育に行って、アル様と出掛ける。


アル様には旅行中に絵葉書や手紙を出していた。


中々予定が合わなかったが、王都の国立公園に行くことにした。




「セティー、エメリア、久しぶり!」

「お二人とも、お久しぶりです」

「2人とも久しぶりね」


今日はマリアとエメリアとお茶会のためにエルランジェ邸を訪れている。


「はい、海外のお土産よ!」

「私もささやかですけど、領地のお土産を持ってきました!」


マリアは海外の絵集、エメリアは綺麗な布をくれた。


「絵が綺麗で思わずこれにしちゃった!」

「わぁ! 綺麗です! 私の領地は染物が盛んなので、特殊な染料で染めた布にしました。加工したものじゃなくてすいません」


本当に綺麗!


「二人ともありがとう! 絵も布も綺麗だわ! 布は何を作ろうか悩むわぁ」


うーん、何を作ろうかなぁ。


「ストールとかでも良いわね。刺繍をすれば映えそうだわ」

「それ良いわね!」

マリア、ナイス!


「良いですね! 今から加工すれば秋前には出来上がりますね!」


あっ忘れてた。

私もお土産渡さないと


「私もお土産があるの。領地でとれた宝石を加工したブローチよ」


2人には花のブローチを渡す。

中央に小さな宝石がついている。


「「わぁ! 綺麗!/です!」」


「ところでアル様とはもう出掛けたの?」

とマリアが聞いてきた。


「予定が合わなくて、これからよ」

「どちらに行かれるんですか?」


今度はエメリアが聞いてきた。


「王都の国立公園に行くわ」


「あらいいわね」

「南国の花が栽培されている温室があるんですよね!」

「そうなの! その花を見るのが楽しみだわ!」


エメリア、顔色変わらないけど、私がアル様と出掛けるの、なんとも思ってないのかな?

エメリアがアル様を好きになっていないなら良いけど。


その後はマリアの海外旅行やエメリアや私の領地での話などをして解散した。



「お嬢様、今日は日が強いので絶対に日傘から出ないで下さいませ」

「わかったわ」


いよいよアル様と出掛ける日が来た。

手紙ではやりとりしてたけど、顔を見るのは久しぶりでちょっと緊張する。


「お嬢様! 王太子様がいらっしゃいました」

「ありがとう、すぐにいくわ」


「セティー、久しぶりだな」

「ええ、アル様は元気にしてた?」

「元気だったぞ。セティー、絵葉書ありがとう。私も旅行した気分になれた」

「ふふ、気に入ってもらえて良かったわ」


馬車に乗り、公園に着く。


わぁ。

花がたくさん咲いて綺麗。


「セティー、エスコートをさせてくれるか?」

「はい、お願いします」


アル様の腕にそっと手を添える


ああ! 緊張する!

手を繋いだことはあったけど、これはこれで密着が!


「日傘、私が持とうか?」

「えっ? だっ大丈夫よ!」


アル様にそんなことさせられないわ!


花と芝が広がり、大きな噴水と彫刻が展示された綺麗な公園を一通り一周する。

歩いていると、チラチラと見られている気がする。


王都の国立公園だけあってけっこう人居るのね。

自国の王太子が歩いているんだもん。

そりゃあ見るよね。


「セティー、せっかくだから温室に行かないか?」

「ええ! 南国の花が見たかったの!」


2人で温室へ向かい、温室の扉を開ける。


あっ暑い………。

季節は夏。

ここは温室。

そりゃ暑いのは仕方ないけど、汗が!

アル様の腕に添えている手の汗が気になる!


「流石に暑いな。シャルの国も暑かったがここも負けてないな」

「シャル様の国ってこんなに暑いのね」

「セティー、大丈夫か? 辛かったら出よう」

「大丈夫よ! せっかく来たんだし」


私はそう言ってそっとアル様から離れる。

汗さえ拭ければ大丈夫だわ。


「セティー、なぜ離れる。最後までエスコートさせてくれ」

「ごっごめん」

だって汗が気になるんだもん。


色鮮やかな植物を見ると南国のジャングルに来た気分になる。

奥に進むとハイビスカスの群生が現れる。


「わぁ! 綺麗!」


赤、黄、白、ピンクのハイビスカス達。

うん! 夏って感じ!


「鮮やかだな!」

「ええ! 夏を感じさせられるわ!」


しばらく堪能して温室を出る。

心なしか外が涼しく感じる。


「温室に居たから水分を取りに行こう」

「うん、賛成!」


併設されているカフェに入る。

日陰のテラス席に座り、飲み物を注文する。


冷たい紅茶が美味しい!

生き返るー!


「ハハ、、美味しそうに飲むな」

「うっだって」


緩んだ顔見られた!

恥ずかしいー!


「そっそうだお土産があるの!」


私はアル様にお土産を渡す


マルヴィン領で買った万年筆だ

所々小さな宝石があしらってあって、アル様の名前を刻印してもらった物だ。


「綺麗な万年筆だな。ありがとう! 私もシャルの国に行ったのでお土産があるんだ」


アル様はそう言って私の手を取り、私の腕にバングルをつけた。


細身のバングルでアメジストがつけられている。

可愛い!


「アル様! ありがとう! とっても可愛い!」

「気に入ってくれて良かった」



それから領地やお母様の実家での話やアル様が公務で訪れた土地の話をした。


「ハハ、相変わらずマルヴィン家もシャリエール家も凄いな。輿入れした嫁以外で、女性はセティーだけだからな。みんなセティーをかまいたくてしょうがないんだ」

「可愛がってくれるのはありがたいんだけどね。遠乗りってあんなに辛いのね。前に一緒に遠乗りした時、アル様かなり気を使ってくれていたのね。ありがとう」

「私は何もしてない。セティーの従兄弟達がスピードを出し過ぎただけだ」

「そうなのかも。怖すぎて、ずっと従兄弟の兄様達に抱きついていて、景色を楽しめなかったのが残念だわ」


しばらく遠乗りはしたくないわ。


「ふーん。ずっと抱きついていたのか」

アル様の顔がやや不機嫌になる。


えっ? なんか気に障ること言った??


「あっあのアル様?」

「なんでもない」


えー拗ねてる?


「アル様はシャル様の国に行ってどうだった?観光は出来た?」


話題を変えよう!


「いや、シャルの姉君や妹君達の相手をさせられて観光どころではなかった」


えっ!?

それってお姫様達に囲まれてたってこと!?

ゔーん、なんか嫌だなぁ。

これなら私も付いて行けば良かった。


「そっそう。でもお姫様達とお話出来て良かったじゃない」

「そうか? 香水の香りがキツくて、意見が強くて困った。正直疲れた」


あっ好印象じゃなかったみたい。

失礼だけど良かった。


「そうだったの。お疲れさま」

「ああ、そういえばセティーはいつも花の香りがするな」

「えっ? いつもメイドさん達が湯に花の香料を入れてくれるんだけど、香り強かったかしら?」


臭かったかな!?


「いや、いつも良い香りだと思っていた。香水は苦手なんだが、セティーの香りは自然で落ち着く」

「それなら良かった」


良かったぁ!

叔母様達に香水を勧められて頂いたけど、使わないでおこう!


「だいぶ涼んだし、また公園を散歩しよう」

「ええ!」


カフェを出てまた公園を歩き出す。

もちろんアル様の腕に手を絡めて。


しばらく歩いて途中休憩したり、ベンチブランコに乗ったりした。


日が暮れ、帰る時間になり、馬車で家まで送ってもらった


「アル様! 今日はありがとう! 楽しかったわ! これもありがとう! 大事にするわ!」

「ああ、私こそ楽しかった。何よりセティーの顔が見れたからな。私も大事に使わせてもらうよ」


そう言ってアル様は帰っていった。


来週には休暇が終わる。

間が空いてしまいました。

すいません。


次にクリスティーヌの話を出すつもりです。

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