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悪役令嬢だけど両思いになりたい  作者: 月乃
第2章
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アルベルト誕生日

「可愛いわね!」

「どの色にします?」

「男の子でも女の子でも大丈夫な色が良いと思ってるの」

「あっこれ見本ですよ」

「「「可愛いー!!ちっちゃーい!!」」」


私はマリアとエメリアと、生まれてくる妹か弟のために、靴下を作ろうと、生地や毛糸を選んでいる。


気が早いって思うかもしれないけど、赤ちゃん用の物を見たら止まらなくなった。


何もかも小さくて可愛い!

はぁ、早く会いたいなぁ。

絶対ベロベロに甘やかすわ!

ふふ、王妃教育のない週末はほとんど家に帰っちゃおう!

あぁ、楽しみで仕方ないわ!



「そういえばセティー、アル様のプレゼント決めたの?」

「ゔっ実はまだなの」

マリアに聞かれて私は固まり、私の返答にエメリアが驚く

「えっ後1ヶ月しかないですよ!」


「そうなのよ!何が良いのか全然わからなくて困ってるのよ!」

私はさらに項垂れる。


アル様と一日一緒に過ごすのは、ダンスでの失態を挽回するためだし、ちゃんと形ある物を贈りたい。

けど、何が良いかわからない。


「ちなみに2人は何を贈るの?」

「私は、外国の政治の本が手に入ったからそれを贈るわ」

マリアらしいプレゼントだ

「私はマリアさんに相談して、その本に使えるように金細工の栞にしました」

とエメリアが続いて答える


「えっ2人ともずるいわ。私も仲間に入れて」


「何を言ってるのよ!セティーは、セティーにしか贈れない物をあげなきゃ!」

「そうですよ!特別な何かにしないと!」

「そうよ!赤ちゃんの物を選んでる場合じゃないわよ!」


2人の圧に押されて私は頷く。


あっそうだ、シャル様やヴィクトルにも相談してみよう!



「貰って嬉しい物か。それは前にセティーが言ってたじゃないか、プレゼントは気持ちが大事だと。でもそうだな、強いて言うならセティーが欲しい。くれるか?」

「シャル様、冗談はやめて下さい。」

全くこれだから色気担当は


「冗談ではないんだがなぁ」


「俺は今グローブが欲しいなぁ!剣の鍛錬してたらすぐボロボロになるし」

「じゃあヴィクトルの誕生日はそれにするわ」

「わーい、ありがとう!」


うーん、2人とも参考にならなかったわ。

私にしか出来ないプレゼントって何だろう?

思い出とか?

この世界って写真とかないしなぁ


あっガラス細工!

昔2人で交換したガラス細工に似せたものにしよう!




そうしてあっと言う間にアル様の誕生日になる。

王太子の成人の誕生日パーティーは盛大だ。


国王とアル様の挨拶が終わり歓談の場となる

少ししたらダンスタイムだ。


私はアル様から付けてくるようにと言われた青い薔薇の花を付け壁の花になっている。

この花は今日の朝に届いた。

元々は白薔薇だけど、青の液を茎から吸わせて青く染めたらしい。


アル様に迎えに行くと言われているけど、今日はアル様の元に人が殺到するから無理だよね。


「あら、セレスティーヌ。こんな所で壁の花なんて、公爵令嬢の名が泣くわね」

クリスティーヌ様が来た。


「クリスティーヌ様こそどうされたんですか?」

「私はこれからアル様に話し掛けてダンスをお願いするわ!」

「そうですか」


ちなみお兄様は仕事の話が、ヴィクトルとマリアはお父様のお仕事関係者と顔合わせが、シャル様は王族なので、国王の近くにいる。

エメリアは男爵位なので、このパーティーには不参加ということになった。

エメリアが不参加だから今度みんなで内輪のパーティーをする予定だ。


そう言うわけで私は1人壁の花になっている。


「そこの美しい方、私とお話しをしませんか?」

「よろしくてよ」

知らない男性に話しかけられ、瞬時にクリスティーヌ様が反応する。

「えっ!ああ、いや、はい。あの、そちらのお嬢さんもいかがですか?」

私も話しかけられたようだ


「いいえ。相手を待ってますので」

「お相手とは、、ああ、そうか。いや残念です。またの機会に」

「はい、ありがとうございました。」


私は2人から少し離れて再び壁の花になる。


向こうからアル様が来るのが、見えた。

「セティー!待たせてすまない。もうすぐダンスが始まる。さぁお手をどうぞ」

「はっはい。今日は話せないと思ってたわ」

「まさか。迎えに行くと約束しただろう。その花付けてくれてありがとう。実は私とお揃いなんだ」


えっ!?本当だ!

うっ嬉しい!


「アルベルト様!」

「ん?クリスティーヌ嬢か。どうかしたか」

「私とダンスを踊って下さい。」

「すまないが、ファーストダンスはセティーと踊るので、クリスティーヌ嬢は次のお相手にしてもらおう」

「そっそんな!私の誕生日には来て下さらなかったのですから、ここは私を優遇して下さいませ!」


そういえば、アル様は公務で行かないって言ってたっけ。

私も、家の代理の者がお祝いの賛辞を届けたから行ってないけど。


「ダンスの約束を、この花に誓っている」

「っ! お揃いの花!?」


えっそうなの?

最近の流行りかな?


「もう良いだろうか、そろそろ時間だ」

「えっ!そんな、あの」


「アルベルト王太子様、娘に構うことはありません。どうぞ、御心の赴くままにして下さい。」

「お父様!」


クリスティーヌ様のお父様?

栗毛に黒目の厳つい雰囲気だけど、目が優しそうな人。


「ガジミーユ侯爵、ありがとうございます。」

「お父様!邪魔をしないで下さいませ!」

「うるさい、喚くな。これ以上、侯爵家の名に泥を塗るな。せめて、母と一緒に大人しくしていろ」

お父様にそう言われたクリスティーヌ様はお父様に引かれて行ってしまった。


「さっこれで踊りに行けるな」

「いいのかな?」

「いいんだ。さぁ行こう」


私とアル様はダンスを踊りながら話をする。

「お誕生日おめでとう」

「ありがとう、セティーに言われると嬉しい」

「それにしてもこの花の意味って何?」

「知らないのか!? お揃いの花を付けた相手はダンスの約束をしている意味になるんだ」

「へぇーそうだったのね」

「セティーはこういう事に疎いなぁ」

「ゔぅ、マリアのお陰でなんとかなってると思ってたんだけど。やっぱりもっと令嬢らしく流行とか気にしないといけないわよね」

「私はセティーらしくて良いと思うが。それに、私は流行やお洒落の話はついていけないからな」

「ふふ、それなら良かった。」

「セティー、話は変わるが出掛ける約束は来週で良いか?」

「うん、大丈夫よ!プレゼントはその時渡すわね」

「ん?それなら出掛ける約束ですでに貰っているが」

「私ばかり貰って悪いし、何か形に残る物を贈りたかったのよ」

「そっそうか。ありがとう」

ややアル様の顔が赤くなり、照れた表情をする。


ゔぅ、そんな顔されるとこっちまで照れるよ。

セティーのが長かったので、アルベルトのはサラッとです。


そろそろアルベール家の話を書きたいです。

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