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悪役令嬢だけど両思いになりたい  作者: 月乃
第2章
48/236

誕生日パーティー①

いよいよ私の誕生日パーティーまで後3日になった。


最近よく物がなくなる。

ペンだったり紙を留める文鎮だったり、ブックバンドだったり。

まぁ無くなっても対して困らない物だけど。

ペンは他のがあるし、文鎮だってなくてもいいし、ブックバンドも、なくても教科書は運べる。


それにしても多いなぁ。

そんなに落とした記憶がないんだけど。

教室を少し空けている時に無くなる気がするけど、ここは貴族棟だし、そんなの盗む人は居ないよね。

嫌がらせにしたってちっちゃ過ぎる。

それに貴族の令嬢にこんなことしたって困らないでしょ。

すぐに換えの物が手に入るし。


うーん、最近エメリアの攻略ルートばっかり気にしてるからかなぁ?

ぼーっと考えること多かったし、気をつけよう。



でも本当特に何も起きてないんだよね

あれから何か言ってくる人も居ないし、エメリアもクラスに馴染んで他の人達ともお話をしているし。

ゲームだとセレスティーヌが、嫌がらせにノートや教科書を池に捨てて、アル様や他のみんなと探してたなぁ。


お兄様とだって教科書がないから借りに行って、その流れで勉強を見てもらってたよね。

今のエメリアには特に何も起きてないし、勉強やマナーだって私やマリアに聞いてくるからお兄様に聞きに行くことがない。


あれ?

もしかして私みんなの邪魔してる?

マリアをエメリアに紹介することで、私とマリアという女友達がいて、エメリアはクラスで浮いてないし、私がエメリアに嫌がらせをしないからイベントが起きてない。


あぁ、無意識にみんなの幸せを邪魔してたなんて!

でもみんなの幸せの為に悪役令嬢になるなんて嫌!

みんなの為に処刑エンドなんて選べないし、何よりエメリアに嫌がらせなんて出来ないわ!


みんなごめんね!

実力で頑張って!

あれ?そうなると今度のパーティーって誰と来るの?

ゲームだとセレスティーヌが家の自慢の為にエメリアを招待して、好感度の高い人にエスコートされてダンスをするのよね。

でも今の私はエメリアを友人として招いている。

誰かエスコート誘ったのかな。

アル様は変わらず私の登場時にエスコートするって言ってくれてるけど。


ハッ!誰も誘ってないならお兄様はどうかしら!?

お兄様ルートだと、会場に入ろうか悩んでるエメリアに声を掛けて、2人で会場に入ってくるはず!

今回は最初からエスコートする予定にすれば良いのよ!


エメリアが将来お兄様と結婚すれば私とは家族! そんなの嬉しい過ぎるわぁ。

それにエメリアならお兄様を任せれるもの!


そうと決まればお兄様にエメリアにエスコートを申し込むように言わなきゃ!




「セティーのパーティーでのエスコート?それならもう、当てがあるってエメリア君が言ってたよ。」

「えっ!?」

がーん。

誰かに先越されたのね。

誰だろう?


「どなたかわかりませんか?」

「さぁ?相手までは言ってなかったからね。招待客で無くてもエスコート役なら誰でも来れるからね。誰かが声を掛けたのかも」

「うーん。エメリアがアル様達以外の男性と、話しをしているのなんて、あまり見ないんですけど」


クラスではアル様達以外の男性と話しをしてないし、放課後だってエメリアは庶民棟のお友達の所へ行ってしまうしね。


最近エメリアが庶民棟の方へ向かう姿を見ることが多くなって、聞いたら庶民だった頃の友人が居るんだと答えた。

エメリアが貴族になっちゃったから放課後にこっそり会っていたけど、最近は嫌がらせもないし、周囲の目も優しいから堂々と会いに行ってるんだと言っていた。

紹介してほしいけど、相手との身分の差があって相手にいい思いをさせないからなぁ。


「まぁ、何はともかくエメリア君の相手は大丈夫だろうし、あれこれ詮索するものじゃないからね」

「それもそうですね」


当日のお楽しみってやつかなぁ。

モヤモヤするけどしょうがないよね。

もしかしたら3人の誰かかもしれないし。


アル様だったらショックだけど。



----------

パーティー当日


「セティーちゃんも今日で15歳かぁ。大きくなったわねぇ」

「セティー!あぁ本当にこんなに大きくなって!少し前まではあんなに小さい、私の天使だったのに!」

「お父様、お母様ここまで育てて頂きありがとうございます。私は今日をもって15歳、成人致します」

「あら、まるでお嫁に行くみたいね」

「なっ!? お嫁になんてまだ早い! 全然早いぞ! セティーはまだまだお嫁には出さないからね! 今日のパーティーだって誰ともダンスしなくて良いからね!」

「あなた。それじゃあセティーちゃんが問題ありって言われちゃうわよー」

「うっ!でも!」

「ああ、でも、王太子様がエスコートしてくださるから問題ないわね」

「ああー!そうだったぁー!アルベルト様がそんなこと言うなんて! 議会では何も発言せずに、セティーの優位さをアピールしてないのにー!」


なっ!


「あなた!なんてことしてるの!恋する女の子の邪魔をするなんて!」

「恋!?セティー!恋ってどう言うことだい!?まさか、アルベルト様が好きなのか!?」


えぇ親に言うのって恥ずかしいよね

でもお父様に邪魔されるのは嫌だしなぁ。

でも、ここで好きって言えば、協力してくれるかも。

アル様の顔を思い浮かべると顔が赤くなる。

私は声に出さずに頷いた。


「っ!?そんな!最初は興味なさそうだったのに!私のセティーがぁー!!」

「もう!これで、わかったら邪魔しちゃダメよ!」

「セティーが………私のセティーが……」


お父様、灰になりそうだったけど、大丈夫かな?



お父様達が会場で進行を務め、いよいよ私の出番が近づいてきた。


コンコンとドアをノックする音がする

「はい」

「セティー、入っていいか?」

「アル様! どうぞ!」


あっやばい。

さっきお父様達とあんな話しをしたからアル様の顔見れないかも。

いつもは、みんなと一緒だから変に意識しないで居れるけど、今は無理。


「セティーとても綺麗だ!誕生日おめでとう!」

「あっありがとう」

絶対に顔が赤い

「セティー、顔を上げてくれないか」

アル様にそう言われて上を向くと目が合った。

うわぁ、やっぱりカッコいい!


「誕生日プレゼントにこれを」

「えっ?」

首に手を回されて気がつくと自分の首にムーンストーンのネックレスがついていた。


「今日の為に飾りは用意していると思っていたが、贈りたかったんだ」

「あっありがとう!このネックレスで会場に行くわ」


今日のドレスはハイネックだから元々小さいパールのネックレスをしてたけど、このネックレスで行こう。

パールの方のネックレス外さないとね


私は留め金を探して自分の首の後ろに手を当てるが、上手く外せない。


「私がやろうか?」

「ごめん、お願い」

私はアル様に外してもらおうと、アル様に背を向ける


「っ!?セティー前にも露出は控えるように言ったと思うが」

「えっ?あっこれは、その。デザインにお母様のテコ入れが入って……。あの、前も後ろも露出を控えすぎては野暮ったくなるからって」

そう、このドレスは前から見たらわからないけど、後ろが大きく開いて、背中が丸見えになっている。

しかも髪はアップにされてしまった。


「ストールはするから少しは隠れると思うんだけど」

「はぁ。今日は私以外の誰とも踊らないでくれ」

「うっ努力するわ」




そうして2人で会場に向かう

アル様に手を引かれて階段を降りるとすぐにマリアとヴィクトル、それにシャル様を見つける。


お父様に紹介され私は挨拶をする。

「ご紹介に与りました。セレスティーヌ・マルヴィンでございます。本日は私の為にお集まり頂き感謝致します。皆様のおかげで無事に15歳を迎え成人することが出来ました。まだまだ未熟者ですが、皆様に追いつけるよう、精進致しますのでこれからもどうぞよろしくお願いします」


頭を下げると拍手が起きた。

良かった、無事に役目は終えたわ。

はぁー緊張した。


「セティー立派だったぞ」

「ありがとう!」

「このままファーストダンスだろ、さぁ、行こう」

「はっはい」



アル様の右手が背中に回る。

ひぃ!背中が開いてるからアル様の手が直接肌に!


アル様の方を見ると心なしか顔が赤い。

変に照れないでー。

平常心、平常心


踊りながら、エメリアを探す。


あっいた!

エメリアの銀髪を見つけた。


ん?

隣の人は誰??


エメリアの隣には赤茶色の髪をした男性が立っていた。


まさか、ナンパ!?

ちょっと!

いくらエメリアが可愛いからって!


「セティー、私が目の前にいるというのに、周りの男性が気になるのかな?」

「えっあっごっごめん。ダンスに集中するわ」

突然アル様の冷たい声に驚いて顔を上げるとアル様の怒った顔が見えた。


あぁ、怒らせちゃった。

そりゃそうだよね。

せっかく、エスコートして、ダンスまで踊ってくれてるのに、周りばかり気にして集中してないなんて。

あぁどうしよう、嫌われたかな?


「あっアル様、お怒りはごもっともです。ですが、挽回のチャンスを下さい。」

「いやそこまで怒ってない。敬語になってるし、そんな怯えなくても大丈夫だから」

「それなら良かった。嫌われちゃったかと思ったわ」

「そんなわけないだろう。でもそうだな、では私の誕生日にプレゼントが欲しい。」

「えっ? そんなことで良いの? 元々用意しようと思っていたし」

「プレゼントに1日、セティーの時間が欲しい」

「えっ?時間?」

「ああ、誰にも邪魔されずに1日どこかへ行って一緒にいたい」

「そんなことで良ければ喜んで」

「良かった! ふふ、誕生日が楽しみだなんて、子供の頃でも思っていなかったのに、今はすごく楽しみになった!」


うぅ!

アル様の素の笑顔はやっぱり心臓に悪いよー!



ダンスが終わり、アル様とエメリアの方へ行こうと歩く。

しかし、少し歩けば招待客に話しかけられる。


エメリアの方を見ると先程の男性とバルコニーへ向かうのが見えた。


えっ!?

2人でバルコニー!?

ダメよ!

そんな知らないモブキャラとなんて!!

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