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悪役令嬢だけど両思いになりたい  作者: 月乃
第2章
46/235

食堂で

教室に行くと既にみんなが揃って居た。


窓側の席にみんなが固まっている。

アル様、シャル様、ヴィクトル、マリアにエメリアと美男美女が固まり、窓から入る光に照らされみんなの髪の色がコントラストになっていて、周りが光っているように見える。


何あの空間!

超キラキラグループじゃん!

私今からあそこに入るの!?

周りから注目されてるんですけど!

みんな気にしてないようだけど、やっぱり美男美女だけあって見られることに慣れてるのかな?


「あっセティー!おはよう!こっちだよー!」

ヴィクトルが私に気づき、大きな声で話しかけてくる。

すると教室の生徒が一斉にこっちを見てくる。


ヴィクトルー!

注目されるから辞めてよー!


そそくさとみんなの所へ行く。

「セティーもちゃんと着てきたんだな」

シャル様が私を見ながら口を開き、続いてエメリアが口を開く

「みんなでお揃いなんて、くすぐったい感じがしますが、楽しいですね」

「ん?女性陣3人は髪型もお揃いだな。まるで神話の女神達のようだ」

シャル様が私達の髪型に気づき、甘い顔をする


私は編み込みハーフアップにアル様から頂いたリボンを、マリアは羽をモチーフにした髪飾りをつけ、エメリアは編み込みと一緒にリボンも編みこませている。


さすが、シャル様、すぐに気づいてくれた。


「本当だな。 それぞれ飾りを変えてアレンジしているのか」

アル様が違いに気づく。

「そうなんです!リボンを一緒に編み込んでもらいました」

「私は銀製の羽根にチェーンがついてるの」

うん、2人とも可愛い。

エメリアの編み込まれたリボンが髪に映えて可愛いし、マリアのはバックカチューシャみたいで可愛い。


「セティー、リボン似合ってる。使ってくれてありがとう」

「ありがとう。ふふ、このリボンはお気に入りよ。」

アル様に褒められて嬉しい。


「そのリボン、アル様からなんですね」

「ほぅ。アルからか」

「ふふ、またブルーグレーの色ね」

シャル様、エメリア、マリアがニヤニヤしながら会話する。


「へぇーみんなお揃いの髪型なんだ。俺言われないと分からなかったよ」

ヴィクトルが関心したような顔をする。


「もう、ヴィは鈍いんだから。少しはシャル様やアル様を見習いなさい」

ヴィクトルにマリアが怒るのが微笑ましい。


そうそう、みんな仲良くなって、マリアもエメリアもアル様とシャル様のことを愛称で呼んで、アル様も2人のことを敬称なしで呼ぶようになった。


ゲーム通りだなぁ。

今ってゲームでいうパラメーターどうなってるんだろう。

誰が好感度高いんだろうか。

今度の私の誕生日パーティ以降がルートの分かれ道だなぁ。

確かパーティーで好感度の高い攻略対象者とダンスをするはず。

そのまま何もなければ、その人のルートに入るはず


アル様以外だといいなぁ。


そんなことを思いながら授業の時間になり、お兄様が教室に入ってくる。


「ジェラルド先生のシャツもアルベルト様達と同じなんですね」

「ああ、そうだよ。みんなと違って色付きではないけどね」

お兄様が生徒に向かってニコッと笑う。


「「「「「「キャー!」」」」」」

女生徒の歓声が上がる。


お兄様、罪な人。


午前の授業が終わり私はお兄様に声を掛けた。

「お兄様もたまには一緒に食べませんか?」

「ふふ、セレスティーヌ君、今はお兄様じゃなくて先生だよ」

「あっごめんなさいお兄、いえ先生。」

「ふふ、でも、お昼休みくらい良いかな。じゃあ私もみんなの仲間に入れてもらうとするよ」


私達が食堂に行くと既に人が沢山いて、7人で座れるのは、注文口から一番遠いテーブルだった。

大きい食堂で広いから注文口に近いテーブルは埋まってても仕方ないけど、他のテーブルも空いてないなんて。


「みんな食堂にはアル様やシャル様を見に来てるのよ。ここならクラスや棟が違ってもお2人の姿を見れるもの」

とマリアがいう。


なるほどね。

国の王太子なんて滅多に見られないもんね。

そのせいで、さっきからヒソヒソされてるんだ。


---------

「キャ!アルベルト様にシャルエラント様よ!」

「はぁ、今日も素敵。」

「それに一緒にいる方々も素敵よね!」

「そうなの!侯爵家のヴィクトル様はカッコいいし、双子のマリア様もお綺麗よね。それから実力で上のクラスに入られたエメリアさん。そして、アルベルト様の婚約者であらせられるセレスティーヌ様!なんて素敵なのかしら!」

「本当に素敵よね。他の女性なら嫉妬してしまうけど、あの3人なら納得だわ!」

「あっ今日はジェラルド先生までいるわよ!私、学園に来れて良かったわ。あの方は本当は公爵家御子息ですもの。こんなに近くで見れるなんて!」

「ねぇ皆様のシャツってお揃いじゃなくて?袖には同じマークがありますわ!」

「本当ですわ!羨ましいですわ!」

「本当に仲がいいのね!あのマークは友情の証なのかしら?」

「女性3人は髪型も同じですわ!」

「本当だわ!はぁ、同じ髪型でもあれだけ美しいとそれぞれ個性がでるのね」

「本当に。私達が同じ髪型にするなんて、ありえないわよね。争いが起きるわ」

「「「本当にね」」」

「はぁ、でも本当に素敵な人達よね」


----------


「端っこの席ですけど、あそこにしましょうか」

エメリアの言葉に頷き、席へと移動する。



「そこの者達、ここは私達が座るからおどきなさい!」


突然声がして、振り返ると、クリスティーヌ様とその取り巻きがいた。


「さっさとおどきなさい!貴方達の学費は私達のような貴族の寄付で成り立っているのだから、私達に席を譲るくらい当然よ!」


うわぁ、相変わらずだなぁ。


「クリスティーヌ嬢何をしている!?」

クリスティーヌ様の行いにアル様が怒る。


「あら、アル様!よろしければご一緒にいかがですか?」

「結構だ!私は親しい友人達と食事をとるので。それから勝手に愛称で呼ばないでもらおうか。それ以前に私は何をしていると尋ねているのだが」

「愛称くらい良いではありませんか!最近ではマリアやあの庶民上がりの男爵家の娘なんかも愛称呼びされてるとか!私は婚約者ですのよ!あの者達が許されているのに私が許されていないなんておかしいですわ!それに、席が空いてなかったので譲らせてるだけですわ!」

「私が愛称で呼ぶことを許可しない。貴女とはそれほど親しくもないからな。それにただの候補者だ。それから、後から来ておいて席を譲らせるとは何を考えているんだ。この学園は身分関係なく皆、平等!それは貴女が身に染みてわかったと思っていたが」

「っ!そんなのそこの成り上がりがいなければ、私はアル様と同じクラスでしたわ!」


そう、クリスティーヌ様は上のクラスから落ちていた。

エメリアとシャル様の分、身分が高くとも下のクラスに落ちる方が出る。

あっ私の分もかな?

ゲームのセレスティーヌって成績良くないから、アル様達とは違うクラスなのよね。


「仮にエメリアが居なかったとして、貴女のような成績では結果は同じだ」

「私は王妃教育もあるのですよ!他の方より忙しいのですわ!」

「そんなのはセティーも同じだ。言い訳にはならないな。ただの怠慢だ」

「っ!そもそも、なんで私と一緒に居る時間を作ってくれませんの!?同じ候補者であるセレスティーヌとは一緒に過ごしていて。それこそ不公平ですわ!」

「はぁー。私がこの学園で誰と親しくしようと勝手だろう。王太子としてではなく、一生徒として通っているからな。共に過ごしたいと思う相手は私が決めることだ。あぁ、貴女達は退かなくて良い。クリスティーヌ嬢が言った通り貴族達からのお金で学費を賄っているが、それは元々貴族に課せられた税金だ。

特別に寄付を募っているわけではない。むしろ貴族達は貴女方の血税で暮らす身だ。少しくらい民のために使うこともせねばならない」

「アル様!そんなことを言えば庶民はつけ上がりますわ!」

「いい加減愛称で呼ぶのを辞めてもらおうか。それと、貴女こそ侯爵家に生まれたことに感謝すべきだな。その身分がなければ学園に来ることも出来なかっただろう。この方々は将来この国の為に働いてくれる。国の為に働いてくれる、未来ある民を思い遣れないとは、貴女に王妃など向いていない。お父上の力がなければとっくに候補から外している」


アル様の言葉にクリスティーヌ様は顔を赤くする。

周りからクスクスと笑い声がする。


「っ失礼しますわ!」

そう言ってクリスティーヌ様は取り巻きを連れて退散する。


「全く、あの者には呆れてしまう。」

「あれがアルのもう1人の婚約候補者か、中々インパクトのある令嬢だな」

「全く!エメリアを悪く言うなんて」

「クリスティーヌは昔からああだったよね」

「あんな人が未来の王妃候補なんて嫌ですね」

「クリスティーヌ嬢は教師の間でも評判が悪いんだよ。後でこのことで減点されるだろうね」

みんなそれぞれクリスティーヌ様に対して感想を言う。


ちなみにお兄様が言った減点とは、生活点や学習点のことだ。

点数を集めると模範生となり、生徒会に入り、中庭の温室も自由に使えるようになる。

ゲームでは攻略対象のみんなとエメリアが模範生になっていた。


この様子ならクリスティーヌ様は難しいだろうなぁ。

私は狙ってみようかな。




こうしてようやく私達は食事を取り始めた。

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