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悪役令嬢だけど両思いになりたい  作者: 月乃
第2章
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お買い物

その後は大変だった。

私の授業欠席がお兄様の耳に入り、マリアからヴィクトル、ヴィクトルからアル様とシャル様に伝わり、私の腫れた頬を見て、みんな怒り狂った。


各家から謝罪が来たが、エメリアの所には来ていない。

私はそのことに怒り、抗議してエメリアに対しての接近禁止と今後の妨害禁止の書状にサインをさせた。


それと令嬢達は1週間の謹慎となった。

本当は退学を求めたけど、当事者のエメリアが男爵家と爵位が低いため、この程度のお咎めになった。


「大丈夫よセティー。セティーとエメリアにこんなことをしたんだもの、私が社交界に伝えて噂にするわ。令嬢にとって評判は命。きっと堪えるはずよ。婚姻の話が来なくなるもの」

「当然だよね。僕も仲間内に広めるよ。可愛い妹とその友人が酷い目に遭わされたって。彼女達の婚約者は可哀想にね。彼女達を娶ることで公爵家と関わりを絶たれるんだから」

お兄様とマリアが冷たく笑いながら言った。


こわっ!普段冷静だからか余計に怖い。

それに、それって、もう令嬢として完全に詰んでるよね。

あっご愁傷様です。




「セティー」

横からアル様に声を掛けられ、手を握られる。


「言っただろう。勇気ある行動だが、危険なことだってあるって。頼むから、今度からは私に先に相談してくれ」

「わかりました。」

「約束だぞ!それと、しばらくは教師達に学生の監視を頼むことにしたから、こんなことはないと思う」

「それなら良かったです」




5日を過ぎて頬の腫れは完全に引いた。


「ねぇ、今度の休みに、みんなでどこかに行かない?嫌なこともあったし、気晴らしにさ!」

ヴィクトルがみんなに提案する。


「あの、すいません。私、今度の休みは王都にお買い物をしに行こうと思ってて」

エメリアが申し訳なさそうに言う。


「あら、私もよ」

エメリアに続きマリアが言う。


「あっじゃあみんなで買い物に行こうよ!女の子だけじゃ危ないし」

「それは良いな。俺もまだ王都には行っていないんだ。案内してくれ」

ヴィクトルがみんなで王都に行くことを提案し、シャル様が賛成する。


続いてアル様が口を開く。

「私は王都に行くことがないから、慣れてない。案内はヴィとマリア嬢に任せよう。」


「もちろん、セティーも行くわよね?」

マリアにそう聞かれて私は頷く。

「えぇ、みんなでお買い物行きたいわ」


「「やったー」」

私の答えにエメリアとマリアが喜ぶ。


みんなで王都に買い物かぁ、楽しみだなぁ。


あれ?

確かゲームでもみんなで王都に行ったはず。

ゲームでは私とマリアはいないけど。


あっそうだ!セレスティーヌが雇った暴漢にエメリアが襲われて誘拐されるんだった!

たしか、ヴィの戦闘シーンがあったような。

それと、連れ去られた小屋に最初に助けに入るのは、好感度が高いキャラだったはず。


まぁ、私そんなの雇ってないから大丈夫でしょ。

ゲーム修正が起こったらわからないけど、用心してれば平気よね!



そうして私達は王都に来た。

王都の街並みを見てシャル様が口を開く。

「ここが王都か。綺麗な街並みだな。」


私はシャル様に街の説明をする。

「ここは王都でも貴族街ですから。もう少し離れた所が平民街になるので、そっちには市場とか出店がありますよ」


「私、貴族街は初めてです!」

エメリアが感動したように言う。

「そっか。マリアとヴィは良く来るの?」

「「たまにね」」

「そっかぁ。私はあまり来ないからなぁ」


いいなぁ。

外に出るのなんて、孤児院とバザーぐらいだからなぁ。


あっでも、アル様と街に来たっけ。

貴族街と平民街の間ぐらいに行ってガラス細工を作ったんだ。

懐かしいなぁ。

あのガラス細工はまだ持ってる。


アル様も珍しいのか、楽しそうに辺りを見ている。


「なんだか、昔一緒に遊びに来たのを思い出しますね」

「セティーもか。私も思い出してたんだ。一緒にガラス細工をしたなって。あのガラス細工は今も大切にしている」

「私も大切にしてます! 御守りにして持っているんです!」

アル様もまだ大切にしてくれてるなんて嬉しいなぁ。


「セティー!アル様!こっちですよー」


思い出に浸っているとヴィクトルから声がかかる。

どうやらエメリアのお目当ての店に着いたらしい。


エメリアのお目当ての店は洋品店だった。


「エメリア、何を買いたいの?」

「制服用のシャツを買いたくて。家から持って来たのだけじゃあ足りなくて」

「そうなの。私も新しいの買おうかしら」


ふと、飾られている男女お揃いのシャツが目に入る

「あっこれ、マリアとヴィクトルに良いんじゃない?」

「本当だ!男女同じデザインなんだ」

「刺繍が綺麗ね! これならヴィも着れるし、良いわね!」


そして棚には同じデザインで色違いのシャツが置かれていた。


「このデザイン可愛い。私も色違いで買おうかしら」

ヴィクトルが着てない日なら、着ても良いかな?


「セティーと色違いなんて嬉しい! そうしましょう!」

私が色違いを買うことにマリアが賛成してくれる。


「マリアさんズルイです!私もこれの色違いを買います!」

エメリアがシャツを持ちながら言う。

「ふふ、じゃあエメリアもお揃いにしましょう!」

「女性たちとヴィがお揃いか。俺も混ぜてくれ、アルはどうする?」

シャル様もお揃いのシャツを買うようだ。

アル様はどうするんだろう?


「じゃあ私も皆とお揃いを買おう」

アル様もみんなと色違いのシャツを買うことにした。


「みんなお揃いですね!」

とエメリアが嬉しそうに言う。


可愛いなぁ。


ヒロインに攻略対象者がお揃いかぁ。

せっかくだからお兄様にも用意しよう。

お兄様は教員だから白いシャツがいいかな。


私がラベンダー、エメリアがピンク、ヴィクトルとマリアが若草、アル様が青

とそれぞれ色を決める。


「うーん、俺はどうしようか。皆と違って俺の肌は褐色だし、髪の色も濃いからな。なぁセティー、俺の色を選んでくれ」

1人だけ色に迷っていたシャル様が私に委ねてきた。


私が選ぶの?

センス問われるよね。

まぁシャル様ならなんでも似合うけど。


「うーん、そうですね。シャル様ならなんでも似合うと思いますけど。このカナリア色かワインレッドはいかがですか?カナリア色はシャル様の肌とは対照的で生えますし、ワインレッドは派手なようで、肌の色とも相性が良いと思います」

「そうか、では2つとも買おう。これがセティーが俺に選んでくれた色か。うん、気に入ったぞ」


気に入ったようで良かった。


「あっ!袖に刺繍のマークを入れてもらえるみたいですよ!」

「せっかくだからこれもお揃いにする?」

「わぁ!お揃いのマークなんて、物語に出てくる仲間達見たいだわ!」

「そうね!こないだマリアが貸してくれた本にも出てきたわ!」

私とマリアが本の話で盛り上がる。


話について来れないエメリアが寂しそうに「本ってなんですか?」と聞いてきた。


「私とマリアは物語とか、小説が好きなのよ」

「今度エメリアに私のオススメを貸すわ!良かったら読んでみて!」

「ふふ、マリアのオススメはどれも面白いわよ」

「最近は外国の本にもハマってるの。外国語の勉強にもなるし」

「あっそれ良いですね!楽しく勉強出来そうです!」



「盛り上がっている所悪いが、結局マークはどうするんだ?」

「そうだよ!早く決めよう!」

「ハハ、女性というものは、国が違っても話し好きなんだな。」

男性3人は呆れた顔をしている。


「「「ごめんなさい」」」


仕方ないよね。

女の子って話が盛り上がると終わりが見えないもん。


「七芒星はどうかしら?ジェラルド様を入れて7人のお揃いですし、七芒星には魔除けの御守りや男女の調和と言う意味があるから私達に丁度いいと思います」

とマリアが提案する。


「ほう、マリアは物知りだな。俺の国でも七芒星は良い意味で使われている。」

とシャル様が発言し、ヴィクトルが続く。

「星なんてカッコイイじゃん!」

「では、決まりだな」

最後のアル様の発言に全員が頷く。


後はそれぞれが採寸しオーダーをする。

お兄様のは、お店の記録にあったサイズでお願いした。


出来上がったら学園に届けてもらえるようにして、お店を出る。


「ふふ、みんなでお揃いなんて嬉しいわね」

「はい!それに私、オーダーメイドのシャツなんて初めてです!」

「これからは、多くなるわよ。自分の体のサイズに合ったものを身につけるだけで綺麗に見えるもの」

「ふふ、セティーの場合は特にそうよね。既製サイズじゃあ胸が止まらないもの」

マリアが私の胸を見ながら言い、エメリアも私の胸を見る。


えっあの若干目が怖いんだけど。

「セティーさん。どうしたらそんなに大きくなるんですか?」

「セティーばっかり胸が大きくなるなんてずるいわよね」

「これはお母様の遺伝よ。それにマリアだって大きいじゃない」


マリアも平均より大きいし、エメリアは……。

たぶん平均だと思う。


「セティーの場合は大きさだけじゃないのよねー」

「胸が大きいのに、こんなに細いだなんて、ズルすぎますよ」


私達はつい、男性陣のことを忘れて、キャッキャっと話しこむ。



「なんか、すごい会話してるよね。」

「完全に私達を忘れているな」

「ハハ、可愛いじゃないか。それに、良いことを聞けたと思うぞ。3人の胸のサイズが知れた。」

「シャル!セティーのは忘れろ!」

「シャル様、マリアは俺の妹なんですけど」

「ハハハハ」


男性陣がそんな会話をしているなんて、これっぽっちも気づかずに私達は話しながら前を歩く。


「あっあの髪飾り可愛い!」

「えっ?どれですか?」

マリアとエメリアがお店の窓枠を覗き込む。


2人とも可愛いなぁ。

やっぱりお買い物って楽しい。


少し離れて2人の様子を眺めていると、勢いよく馬車が走ってくる。


あの馬車危ないな。

私は馬車の車線から外れるように動いたが、馬車も軌道を変えてこっちにくる。

そして、私の近くを通る瞬間に馬車の中から手が伸びてくる。


「キャー!!」

声を出した時には、馬車の中に連れ込まれていた。


「「「セティー!!」」」


男性3人の叫ぶ声が聞こえたが、すぐに遠ざかる。


えっ?

何これ?

誘拐!?

なんで!?

私暴漢なんて雇ってないよ!?

そもそも私、ヒロインじゃないのに!?

本職があると中々書けませんが頑張ります

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