表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
悪役令嬢だけど両思いになりたい  作者: 月乃
第2章
41/235

ヒロイン登場

待って、どういうこと!?

銀髪ってことは……

エメリアがヒロイン!?

え?

じゃあなに。

私はもうヒロインに出会ってたの?

エメリアが私のライバル?

私、エメリアに嫉妬するの?

最悪、アル様もエメリアも失うの?


私は混乱のあまり、焦点が定まらなくなり、何も言えずにいた。


「あの…」

そんな私にエメリアが話しかける。


「やっぱり、お手紙も出せなかったから、私のこと、忘れちゃいました?」

そう言ったエメリアの瞳は潤んでいた。


ギャー!

潤んだ瞳のエメリア可愛いぃー!!


ハッ!

いやいや、そうじゃなくて!

ヤバイ!泣かせた!

こんな所、アル様に見られたら悪役令嬢に認定される!


「覚えているわよ!ここで再会するとは思ってなくて、驚いたのよ!」

私は慌てて、エメリアに駆け寄り、なだめる。


すると、茂みがガサッと音をたて、茂みの向こうからアル様が現れた。

「セティー!大丈夫か?」


アル様!?

今なの!?

このタイミングで!?

まだエメリア泣き止んでないよ!?

あぁ、私がいじめたって、思われたらどうしよう!


「あっアル様どうしてここに?」

「言い争う声がしていたから、気になってこっちに来たんだ。さっき数人の令嬢とすれ違った。すれ違った際に、公爵令嬢がとか言っていたから、セティーが巻き込まれているんじゃないかと、慌てて来たんだ。」


アル様私を心配して?

優しい!!


「大丈夫だったか?何があった!?ん?その令嬢は?」


あっそうだった!

エメリアのこと忘れてた!


「えっと、彼女は……」

「私が責め立てられている所をセティーさんが助けて下さったのです。」


私が答えに迷っているとエメリアが答える。


「そうだったのか。セティー、勇気ある行動だな。」

「あっありがとう」

「しかし、危ないことだってあるんだ。気をつけてくれ。」

「はっはい。」


うっ叱られた。

でも私がいじめたって思われてないみたいで良かった。


「君も大丈夫だったか?えっと君はエメリア嬢だったか?」


えっ?

アル様、エメリアのこと知ってるの?

ヒロインだから?

美少女だから?


「はい。あの、何故私の名前を?」

私の疑問をエメリアが聞いてくれた。


「君がバルリエ男爵家の新しい御令嬢だろ? 珍しい銀髪だと聞いていたし、父上から新しく加わった、貴族に心を配るよう言われている。さぁ、立って。」


そう言ってアル様はエメリアに手を差し伸べる


これは!

ゲームのスチル絵と同じ!

あぁ目の前で見れるだなんて、嬉しい!


「私はアルベルト・ヴェスタトール。よろしく、エメリア嬢」

「おっ王太子様!? 失礼しました!エメリア・バルリエです。以後お見知り置きを」


おぉ!ゲーム通り!

あれ?でもゲームのヒロインってちゃんとした挨拶出来たっけ?


「貴族の生活に、まだ慣れてないだろうから、なんでも聞いてくれて構わない。後で私の友人達を紹介しよう。では先に私の婚約者を紹介させてくれ。こちらが私の婚約者、セレスティーヌ・マルヴィン嬢だ。」

「セティーさんって王太子様の婚約者だったんですね!」

「えっええ。まだ候補者なんだけど。」


あれ?

ゲームと違う。

あっ私が居るからか!


「ん?セティー、エメリア嬢と知り合いなのか?愛称呼びだが?」

「前にバザーで知り合ったのよ」

「はい、セティーさんとはお友達です!」

「そうか。何かあればセティーを頼るといい。同性同士だし、私より気軽に相談出来るだろう。セティーもエメリア嬢のこと、よろしく頼む」

「はい、そうします!セティーさん、またよろしくお願いします!」

「ええ、よろしくね」


ヒロインとお友達認定された。

いや、エメリアとはお友達だけど。


アル様は入学式の打ち合わせのため、先に校舎の方へ行き、エメリアと2人になる。


「ふふ、私セティーさんとこの学園で再会出来ると思って頑張ったんですよ。いきなり男爵家に入って、貴族になって戸惑ったんですけど、前にセティーさんに立ち居振る舞いの大切さを教えて頂いたので、貴族らしくオドオドしてられないって思って、マナーもお勉強も頑張りました!」


そっかぁエメリア頑張ったんだ。


「役に立てて良かったわ。でも、お手紙もくれなかったのは寂しかったわ。それと、あの令嬢達は知り合い?」

「本当は私もセティーさんにお手紙を出したかったんですけど、男爵家の娘がいきなり公爵家の御令嬢にお手紙を出すなんて、非常識だって言われて……。あの令嬢達は近くの領地の方々で、私が元庶民だって知ってるからいつもあの態度なんです。でも、前にも同じことありましたし、大丈夫です!舐められないように、マナーもお勉強もしました!」


典型的な階級社会の有り様だわ。

でも、あの令嬢達、またエメリアをいじめてきたらどうしよう。

ゲームの最初の頃は、いろんな人からいじめを受けていたし。

ヒロインに関わるのは嫌って思っていたけど、エメリアがいじめられるのはもっと嫌だなぁ。


「そうだったのね。貴族の階級社会って、こういう時辛いわよね。エメリア、ああいう人達はきっとまた同じことをするわ。だから、私と一緒に居ましょう? 私は一応まがりなりにも公爵家の人間だから、一緒に居る時は私の身分が、エメリアを守ってくれるはずよ!」

「そんな!それだと、セティーさんを利用しているようで嫌です。私は、私自身がセティーさんと一緒に居たいんです。だから一緒に居ても、釣り合うように頑張ります!」


あぁ、なんていい子なの!

もし私だったらそのまま頷いてるわ。

さすがヒロイン。心意気まで完璧だわ!


「もちろん私も、私自身がエメリアと一緒に居たいのよ。」

「セティーさん!私、嬉しいです!あの、今更ですがこれからもセティーさんって呼んで良いですか? 前だって身分の差がありましたけど、今は他の人の目があるから、どうしようかと思っていたんですけど、やっぱり、セティーさんと親しい関係で居たいんです!」

「もちろんよ!今まで通り、お友達で居たいわ!どんな身分だって私達はお友達よ!」


私がそう言うとエメリアが抱きついてくる。

「はい!ずっとずっとお友達です!」


可愛いぃ!!

こんな可愛い子とお友達だなんて幸せだわ。


エメリアのことは、守る方向で行こう。

後はエメリアがアル様ルートに入らないことを祈ろう。

そして、アル様ルート以外なら全力で応援しよう。


そうして私達は入学式のため、一緒に校舎へ向かった。

人の名前を考える方が大変です。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ