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悪役令嬢だけど両思いになりたい  作者: 月乃
第1章
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社交界デビュー②

お兄様とファーストダンスを踊る。

踊っていると、アル様が壇上で座っているのが見える。


アル様と踊ってみたかったなぁ。

ゲームのスチル絵で何度悶えたことか。

それが現実に目の前で見れると思ったのに。

婚約候補者が2人いる状態では、これからもアル様と踊れないのかな。

仕方ないことだけど、悲しい。

学園に入学した後には私の誕生日パーティーもあるのに。

アル様にエスコートもダンスも誘われないのは寂しいなぁ。


「セティー、兄様とのダンスじゃ楽しくない?」

「いいえ、そんなことありません。お兄様とのダンスは楽しいですよ」

やばい、考えごとしてた。


「それなら良いけど、やっぱりアル様と踊りたい? あーあ、昔は兄様が一番だったのになぁ」

「そんな、今でもお兄様は特別ですよ」

「ありがとう。でもセティーも恋をする年頃だもんね」


お兄様にそう言われて顔が赤くなる。

身内に自分の恋の話をされるなんて、恥ずかしい。

しかも気持ちがバレてるなんて。


「えっと、そのぉ」

「大丈夫だよ、隠さなくて。兄様はセティーの幸せを願っているからね。うーん、父様が宰相で国の重臣だけど、アルベール侯爵も財務大臣で貴族院の筆頭でもある重臣だから、セティーかクリスティーヌ嬢のどちらかを特別視するのは難しい現状だね。でも、これからは違うよ。成人したし、これから学園に行くからね。学園にいる間はアル様も自由に動けることが多くなるから」

「そうなのですか?ではこれから振り向いてもらえるように、より頑張らなくちゃですね」


これからヒロインが来るからライバルが増えて、ピンチなんだけど、チャンスがあるなら頑張らなくちゃ!


「セティーが頑張ることはないよ。むしろ頑張らないといけないのはアル様のほうかな」

「??」


なんでアル様が頑張るの?


一旦音楽が止まり、ファーストダンスが終了した。


その瞬間に複数の令嬢と子息がこちらに来るのが見えた。


お兄様狙いかな?

なんか怖い。


「セティー、踊らない?」

すぐ近くに居たヴィクトルとマリアから声が掛かる。

「では、パートナーを交換しよう」

お兄様がそう言って、私はヴィクトルとマリアはお兄様と踊ることにする。


私達がパートナーを決めたら、こちらに向かって来ていた令嬢と子息達は動きを止め、こちらを見ている。

きっとヴィクトルやマリアのことも狙っている方々なのね。


お兄様もだけど、2人とも婚約者が居ないから大変ね。


ヴィクトルとのダンスは……。

うん、疲れた。

ヴィクトルの勢いに振り回されっぱなしだった。

「ごめんね!俺、マリア以外だと上手く踊れないんだ。マリアは俺の動きを読んでくれるから、踊れてるように見えるんだけど」


さすが双子、動きでもシンクロ出来るのね。

ヴィクトルの動きに合わせれるなんて、マリア凄いわ。


ヴィクトルとのダンスが終わると、すぐ近くに居た男性に声を掛けられる


「セレスティーヌ嬢、どうか僕と踊ってくれませんか?」

「えっ?私ですか?」

「えぇ!どうか手をお取りください」


えっ!?

どうしよう。

知らない人とはあまり踊りたくないけど、断るわけにはいかないよね。


私が男性の手を取ろうとすると、横から手を掴まれる

「悪いが、次のダンスの相手は私だ」

「えっシャル様!?」

「えっあの、誰ですか?僕が先に申し込んでいたのに」

「私はシャルエラント・ハムダン・ビン・モハメド・ラーシド・ナハラセス。ナハラセス国の第1王子だ。ここは譲ってくれないか?」


シャル様の正体がわかると男性は顔を青くする。

「とんだ失礼を!どうぞ、僕は失礼させて頂きます!」

と言って男性はどこかに行く。


「さて、美しい人よ。どうか私と踊ってくれませんか?」

そう言って私の手を取ったまま、シャル様が目線を合わせてくる。

周りから歓声が聞こえてくる。


流石王子。洗練されて美しいわ。

注目されて嫌だけど、これこそ断れない。


「喜んで」

私はシャル様と踊ることにした。


「さっきはありがとうございます。知らない男性に誘われて困っていました」

「ふふ、俺は、姫のピンチに駆けつけただけだよ」

一人称が私的の時は俺になるんだなぁ。


「それにしても、なぜここに?」

「ん?国内の式典だから俺が参加するわけにはいかないので、本当は借りてる部屋に居たんだ。だけど、楽しそうだからこっそり参加することにしたんだ」

「えっいいんですか、勝手に参加して。しかもさっき名乗ってましたし」

「ハハ、セティーと踊ったら部屋に帰るよ。それに、みんなお忍びだとわかってくれるさ」

だと良いんだけど、後で怒られても知らないよ。


シャル様はダンスが終わると、私をお兄様やマリア達がいる所に連れて行ってくれた。

「では、俺は部屋に戻ろう。あんまり居ては後でアルに怒られるからな」

「シャルエラント様、妹をありがとうございます」

「そういえば、セティーはジェラルドの妹だったな」


えっ?

お兄様とシャル様って知り合いなの?


「お兄様はシャル様と面識があるんですか?」

「うん、そうだよ。シャルエラント様にこちらの文化や言葉などを教えてるんだ」

「それだけではない、ジェラルドだけではなくて、ヴィクトルとも知り合いだぞ。剣の稽古で一緒だからな」


ああ、攻略対象者達が友人や知人になっている。

ゲーム通りだ。

アル様とシャル様、それにヴィクトルにお兄様が一緒に居る空間は特別になるんだろうなぁ。

そんなことを考えていると、シャル様はお部屋に帰っていった。


マリアと話をしていると、近くに居た令嬢達に話しかけられる。

「あっあの。セレスティーヌ様とマリア様、御一緒にお話せて頂いてもよろしいですか?」

「私達お2人とお話してみたかったんです!」

「お2人とも、社交界じゃ評判なんですよ!」


害はなさそうだし、マリアも頷いてるから良いかな。


「セレスティーヌ様は本当に美しいですわ。世間では白銀の乙女と呼ばれてるとか」

「マリア様も外国語に優れ、他国の文化や歴史に関心を持たれて、お父様のために尽くしていると聞きますわ」

流石マリア、お父様のために頑張ってるのね。


話しの話題がどんどん恋愛の話になる。


「マリア様は婚約者がいませんが、どんな方がタイプですか?」

「私は、リードしてくれる大人な方が良いです」

「「「わかりますわぁー」」」


えっマリアのタイプってそうなの?

初めて聞いたわ。


「所で、セレスティーヌ様の髪飾りってもしかして王太子様からの贈り物ですか?」

「ええ、そうですけど。」

また当てられた。

わかってないのって私とヴィクトルだけなのかな?


「「「キャー!素敵ですわぁ」」」

「相手から身につける物を贈られるなんて羨ましいですわ」

「ちなみに、セレスティーヌ様は何を贈られたのですか? 今後の参考にさせて下さい」

「私はアル様にネクタイピンを贈りました」


私の答えに令嬢達の目が光る


「「「キャー!愛称呼び!」」」

「そのネクタイピンって今王太子様が付けていらっしゃる物ですか?」

「遠目からではわかりませんが、白銀色のを贈りました」

「「「絶対にそれですわ」」」

「愛称呼びにお互いの贈り物を身につけるなんて本当に仲睦まじいのですね」

「噂は本当でしたのね!」

「私達は2人を応援致しますわ!」


噂って何?

膝枕の件は昔だし、どんな噂が流れてるの?


「あーら。デビュタントが固まっているだなんて、殿方からのお誘いはないのかしら?」

突然嫌味な言葉が聞こえてきたと思ったらクリスティーヌ様がいた。

関わりたくないけど、しょうがない。


「クリスティーヌ様、成人おめでとうございます。私達は踊り疲れてしまったので、楽しくお話しをしてましたの」

「あら、たった数回で疲れてしまうなんて、軟弱なのね」


うん、今日もいつも通り嫌味な人だ。


「それより、聞いてくださる?私ったらアルベルト様に成人の祝いとして万年筆とお花を頂いたの!」


話し続けるのね。

あまり話したくないんだけど。


「よかったですわね。手紙を書く時やお勉強の際に使えますわ」

「そうですのよ!きっと私のことを思って贈ってくださったのだわ。そういえば、あなたは何を頂いたのかしら?」

「この髪飾りを頂きました」

「何ですって!!?」


私の髪飾りを見て、クリスティーヌ様の顔が強張る。


「ふん、白いドレスに白っぽい髪のあなたを不憫に思ったに違いありませんわ。その点私の髪はこの完璧な金色ですもの。他の色など必要ありませんわ。ウェディングドレスのように美しいですのよ!」


すごい、自信だなぁ

それでほぼ白一色のドレスなのね。ドレスの端に金が使われてるだけで後は白い


「オーホホホホホ!他の令嬢は白いドレスを沢山の色で飾り立てる必要があるようですが、私には必要ありませわ!」


すごい、オーホホホホって高笑いする人本当に居るんだ。


「「「そこのお嬢さんよろしければ1曲いかがですか?」」」

数名の男性がこちらに向かってくる


するとクリスティーヌ様が前へ出る。


「仕方ありませんわ、順番にお相手を…

「セレスティーヌ嬢!」

「マリア嬢!」

男性はクリスティーヌ様の横を通り抜ける。どうやら話しかけられてるのは私達らしい。


私はアル様の名前を出して断り、マリアと令嬢達はダンスをしに行く


ふと隣を見るとクリスティーヌがワインを持っていた。

すいません。

まだ続きます

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