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悪役令嬢だけど両思いになりたい  作者: 月乃
第1章
35/236

社交界デビュー①

ストーリー評価ありがとうございます

嬉しいです

新年の満月の日

いよいよ社交界にデビューする日が来た。


鏡でドレスを着た自分を確認する。

ゲーム通り綺麗になったと思う。

背も伸びて160㎝を超え、胸も成長してお母様の様に、たわわになった。

腰は普段からの心掛けによって綺麗にくびれている。お陰でコルセットもそこまで苦しくない。

ただ、ゲームとは1つだけ違うことがある。

それは目付き。

あの釣り上がって冷たい印象の目はなく、鏡に映る目付きは普通だ。

釣り上がっていなければ、タレ目でもない。

やっぱり目付きとかって性格も繁栄されるのかな?


そんな事を考えていると、コンコンと部屋の扉を叩く音がする。

「セティー、準備は出来た?入ってもいいかな?」

「お兄様大丈夫ですよ!」

「セティー!あぁなんて綺麗なんだ!」

「ありがとうございます。お兄様も素敵です」


デビュタントは白地のドレスと決まっていて、白いドレスに他の色で飾り立てるのが一般的。

私のドレスも金と紫の糸で刺繍がされていて、所々に宝石が使われ、凄くお金が掛かっている。

恐縮してしまう。


「白一色ではないけど、まるでウェディングドレスのようだね。あぁ今からセティーがお嫁に行く日のことを考えると寂しいよ。」

「そうですか? ここぞとばかりにお金を掛けさせていただいたので。豪華過ぎて、恐縮してしまいます」

「そんな、デビュタントだし公爵家としてこれくらい当然だよ。それに凄く似合っているよ。本当にセティーは綺麗になったね」


お兄様こそ、凄く素敵になった。

ゲームの通りの容姿だけど、大事な兄という気持ちもあるのか、より素敵だと思う。


こんなに素敵なお兄様なら、ヒロインに取られて少し嫉妬するかもしれないけど、応援できる。

むしろ、ヒロインぐらい素敵な方じゃないと認められないかも。

あれ?

私こんなにブラコンだったっけ?


「今日はエスコートよろしくお願いしますね、お兄様」

「ああ、もちろんだよ。セティーをエスコートできるなんて嬉しいよ。父様なんて悔しがってたからね。セティーの晴れ姿も間近で見れなくて残念がるだろうから、パーティーが終わったら見せに行くといいよ」

「はい!」


お父様は今日も王宮に引きづられながら出勤して行った。


エスコートにお兄様が居て良かった。

本来婚約者や配偶者がいる場合はその方がエスコートするのが、居ない場合は兄弟や親戚、さらに居なければ、何処かの子息に頼まないといけない。

アル様が居るけど、私は候補者。

しかもクリスティーヌ様も居るので、アル様にエスコートされることはない。

ダンスもアル様とは踊れない。

残念だけど仕方ないよね。

私とクリスティーヌ様のどちらか先に踊ったりしたら、周りからとやかく言われてしまって、角が立つ。

だからお兄様が居て良かった。

ダンスもお兄様と一度踊れば令嬢として最低限の役目は終えられる。

後は壁の花になればいい。

最悪誘われてもアル様の名前を盾に断れば大丈夫だ。


「さぁ、支度が出来たなら、行こうか」

「あっ待って下さい。後はこの髪飾りをつければ完成です」

「じゃあ兄様がつけてあげるよ」

「ありがとうございます!」

私はお兄様に髪飾りを渡す。


「セティー、もしかして、この髪飾りアル様からの贈り物かな?」

「はい、そうですが、良くわかりましたね」

「わかりやすい物だからね」


わかりやすい?


アル様に成人のお祝いに頂いた髪飾りは、金で模様のような透かし彫りにアル様の瞳の色に似たブルーグレーの宝石が付いていて 、真ん中に私の瞳の色のアメジストが付いた素敵な物だ。

ちなみ私はアル様にネクタイピンを贈った。

白銀色に王家紋章が彫られ、こっそり隅にアメジストを付けた。

ネクタイピンの贈り物の意味は『あなたを見守っている』だけど、自分の色の物なんて大胆だったかな?

でもアル様の胸元に贈ったネクタイピンが飾られていたら嬉しい。

あぁー、考えただけで悶えるぅ。


そういえば、髪飾りと一緒に入っていた手紙に、ラストダンスの時間に中央のバルコニーに来るようにって書いてあったけど、なんだろう?


考えごとをしていると、お兄様が溜息をつく

「はぁー。セティー、むやみに愛想を振り向かないでね。セティーが綺麗だから変な虫が寄り付かないか、兄様は心配だよ」


うーん。まともに社交の場に顔を出さないような令嬢なんて相手にしないと思うけど。

相変わらず私への評価が甘いんだなぁ。


「ふふ、お兄様は考えすぎですよ」

「もう、わかってないセティーも可愛いけど、これからは大人なんだから気をつけないと」

「はい、わかりました。今日はアル様とは踊れないですし、お兄様と踊ったら壁の花になりますから御心配には及びません。」

「セティーが壁の花なんて!そんな不名誉なこと!でも、変な虫は付いて欲しくないし、兄様と踊った後は帰ろうか」

お兄様が真面目な顔をして言ってきた。


イヤイヤ、そんなこと出来るわけないよね。


「もう、お兄様ったら。会場にはマリアやヴィクトルも居ますし大丈夫ですよ。他の令嬢達とも適当にお話ししてますから」

「うーん、そうなんだけどね、心配なんだよ。社交界でのセティーのイメージは深窓の令嬢だし、他にも白銀の乙女なんて言われて、今期のデビュタントの中で一番注目されてるから」


何ですって!?

深窓の令嬢ってもっとか弱くて、綺麗な人に付けるものでしょ!?

私はただ社交界のドロドロしたのが嫌であまりお茶会とかに行かなかっただけなのに!

白銀の乙女って良い意味で言われてるのかな?

とにかく注目されるなんて、嫌だなぁ。

公爵令嬢として、アル様の婚約候補者としてそこそこの評価が貰えれば良いんだけど。



そんなこんなで王宮に着き、会場へお兄様と一緒に入場する。


入場した瞬間に周りがザワつく

令嬢達の歓声の声が聞こえ、どうやらお兄様が注目されているようだ。

それもそうだろう。前にも言ったが、顔良し、家柄良し、性格良しの優良物件だ。

そんな人が未だに婚約者も決まっていないだなんて。

両親が恋愛結婚だから子供達に政略結婚を推奨しないなんて、貴族らしくないと言われるかもしれないけど、両親らしい。

でも、そのお陰で令嬢達のお兄様を見る目はハンターだ。

隣に居る私なんか「なにあの女」とか言われ、誰かが私を妹だと言うと、近づいて取り込みたいとか言っているのが聞こえる。


怖っ!絶対に捕まりたくない!!


私が恐怖を感じていると、マリアが近づいてくるのが見えた。

「セティー!ジェラルド様も御機嫌よう。セティー凄く素敵だわ!」

「マリア、ヴィクトル御機嫌よう。ありがとう!マリアも素敵よ!ヴィクトルの正装も初めて見たわ!」

「堅苦しくて苦手なんだけどね。今日のセティーも綺麗だね。花嫁みたいだよ」

「あっありがとう」

相変わらず、ヴィクトルはさらっと凄いことを言うなぁ。

まぁヴィクトルの性格からして嘘はないから、ありがたく賛辞を受け取ろう。


それにしても、今日のマリアは特に可愛いなぁ。白のドレスに赤のリボンやレースをアクセントにしていて、赤い髪もドレスに映えてるわぁ。

良いなぁ。

私の髪だと白いドレスには目立たないからなぁ。

編み込んだ髪にアル様から頂いた髪飾りがあるけど、似合ってるかな?

せっかく頂いた物だし、出来ればアル様にも綺麗だと思われたい。


「その、髪飾りもしかてアルベルト様からの贈り物?」

「そうだけど、なんでわかったの?」

お兄様だけじゃなくて、マリアも気づいたなんて。


「ふふ、わかりやすいもの。金はアルベルト様の髪の色だし、その宝石もアルベルト様の瞳の色よ」

「でも、金の髪飾りは一般的だし、確かにこのブルーグレーの宝石は他では珍しかもだけど、王都では良く見かけるものよ?」

良く商人が王家の色ですよって勧めてくるもの。


「ふふ、セティーったら相変わらず鈍いわ」

「マリア、どう言うこと? 俺もよくわからないよ」


ヴィクトルも私と同じようにピンときていないらしい。


「あーあ、ヴィったら。そんなんで将来結婚出来るのかしら。相手に愛想尽かされるわよ」

「えっ? なんで?」

「もう、そう言うところが鈍いのよ。」


双子のやり取りを聞きながら、ヴィクトルを見る。

ヴィクトルは素直だし、思ったことが口に出る分悪いこともあるけど、素直に相手を褒めれるから、女性は悪い気はしないと思う。

何より、ゲーム通り美男子に育ったもの。

赤い髪にツリ目で意志の強そうな目。

その反対に明るい笑顔。

ヒロインに出会う運命だとしても、令嬢達が放っては置かないよね。


「ヴィクトルなら結婚相手に困らないでしょう? こんなにカッコよくなったし、性格も良いんだから。おまけに侯爵家の跡取りだし」

「えっ?カッコいい?ありがとう!嬉しいよ!」

うん、やっぱり素直な性格だな。


「それでも、相手の気持ちに気づけない鈍さが仇になってるわ」

「なんだよー。マリアだって相手が居ないだろう。それに、縁談から逃げてるじゃないか」

「私はまだ自由でいたいのよ。ヴィと違って、選ぶ権利はないから」

「ゔっ!そう、だよな。でも、マリアが嫌な相手なんて俺、認めないから!俺はマリアの味方だぞ!マリアは俺の大事な双子で片割れなんだから」

「うん、ありがとう。いつもヴィが居てくれるから心強いわ」


わぁ!

美しい兄弟愛って、こういうことを言うのね!

ゔぅ、なんだか負けてなれない。


「お兄様!私もお兄様の味方ですからね!」

「あぁ、セティー!なんて可愛いいんだ!人前だから抱きしめられないのが残念だよ」

そう言うお兄様にセットが崩れないように頭を撫でられ、私はドヤ顔をする

「ふふ、ウチも兄妹愛なら負けてないわ」


「「イヤ、2人のはブラコン、シスコンだから」」

と双子がハモる。


うっ!

やっぱり私ってブラコンなのかな。

イヤ、だってしょうがないよね。

こんな、カッコよくて優しい兄なんて、前世では考えられないし。

最初は攻略対象者だから距離を置かなきゃって考えたこともあったけど、こんな素敵なお兄様と過ごさないなんて無理。

ヒロインに嫉妬しなければ良いだけで、兄妹だから他の攻略対象者より安全だしね。


「セティーはたった1人の妹だからね。いつまで経っても可愛くてしょうがないんだ」

「お兄様!」

長年一緒に過ごしてきたけど、お兄様とのスキンシップはやっぱり好きだな。


「「ハァー。アル/アルベルト様も苦労する」」

と双子がまたハモる。


そんなことをしていると国王夫妻とアル様が入場する


あぁーアル様!

アル様の正装姿!

素敵すぎるぅ!

白のタキシードに金の刺繍がされていて、青いネクタイには白銀の物がついているのが見える。

もしかして、ネクタイピン使ってくれてる?

そうだとしたら嬉しい!


そして、横から宰相であるお父様が出てきて、進行を務めている。

お父様、仕事中のキリッとした顔はカッコいいんだけどなぁ。


デビュタントは前へ出るように言われ、マリアとヴィクトルと一緒に前へ行く。

爵位順に前へ、と言われ仕方なく先頭に立つ。

目立ちたくないのに。

すぐ後ろにはマリアとヴィクトル、それからクリスティーヌ様が居る。


あれ?

クリスティーヌ様のドレス、ほとんど白だけしか使われてない。

デビュタントは白と決まりがあるけど、白一色はウェディングの時と決まっているので、ほぼ白一色のドレスはややマナーに引っかかる。

目立ってはいるけど。後で王妃教育の先生に怒られないと良いけど。


「此度は成人、誠におめでとう。これから我が国を担っていく紳士・淑女として互いに分かち合い、築いていってほしい。前途ある若者達に幸多からんことを祈っている。」


国王陛下の言葉に私達は礼をし、その後は成人の署名をし、聖水に手と額を軽く浸すという略式の洗礼を受ける。

これで晴れて成人した。

と言ってもまだ15歳、前世で言うとまだ中学生だから実感はない。


全員の署名と洗礼が終わりダンスが始まった。

ブックマークして頂いている方々本当に感謝いたします。


例のごとく、まとまりきれず続きます。


※テラスをバルコニーに変更しました

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