恋愛相談
「セティーさん!最近あまり酷いこと言われなくなりました!」
あれから私とエメリアは定期的に会い、私のことも愛称で呼ぶようになった。
そして、会うたびに立ち居振る舞いの勉強をした。
エメリアは教えたことを直ぐに出来た。
「エメリア頑張ってるもの、良かったわね」
ふふ、先生として嬉しいわぁ。
「いいえ、セティーさんのおかげですよ!」
「そんなことはないわ、生徒が良いのよ。さぁどんどん教えて行きますからね」
「はい!」
エメリアが無邪気に笑う
あぁ!可愛いぃ!!
そんなやり取りからしばらくたったある日、エメリアから手紙が届いた。
内容はエメリアのお母様が少し離れた所へ嫁ぐことになり、親子で引越しをするというものだった。
手紙の最後には急な事で直接お別れを言えなくて申し訳ないと綴られていた。
そんな!
でもそんなに遠い所じゃないし、せめて手紙のやり取りはしたい。
ただエメリアの手紙には、どこに行くのか書いてなかった。
この手紙も教会を通してわたされたものだ。
落ち着いたらエメリアから手紙もらえるかな?
離れてもお友達でいたいよ。
気持ちが沈んでいた私はマリアに誘われて、エルランジェ邸を訪れ、マリアとお茶会をすることにした。
マリアと会うのも久しぶりだなぁ。
私はマリアにエメリアの事を話した。
「ふーん。そんなに仲良しなのね」
あれ?
マリア機嫌が悪い??
心なしかマリアの頬が膨らんでいる。
「ねぇセティー、私がセティーの一番のお友達よね?」
「えっ?もちろんよ。マリアは私の初めてのお友達だもの」
私の答えにマリアは満足したのか、笑顔になる。
「そう!それなら良いのよ!最近セティーに会えなくて寂しかったの」
えっマリアったら可愛い!
そう思ってるとマリアがなんだかニアニアした表情になった。
「それはそうと。アルベルト様とはどうなの?」
「えっ?」
突然言われて私は動揺する。
「少し前にセティーとアルベルト様が王宮の庭園で仲睦ましく、恋人達のように膝枕をしてたって聞いたけど!」
「なっ!?な、なんでそれを!?」
私は思わず飲んでいた紅茶にむせそうになった。
慌てる私に対してマリアは面白そうに答える。
「だって噂になってるもの」
………。
なんだって!?
「噂になってるの!?」
「そんなに驚くことないじゃない。だって王宮よ。誰に見られてもおかしくないわ」
うわぁー恥ずかしいよぉー!
でも恋人みたいって、ちょっと嬉しい。
「セティーはアルベルト様が好きなの?嫌ってはいないと思ってたけど、セティーからはアルベルト様に近づく所見たことないし、他の令嬢のようにアピールしてなかったでしょう? 実際どうなの?」
マリアの言葉に私の顔は真っ赤になる。
「あ、あの、私、アル様のことが好きなの」
恥ずかしぃー。
私は前にアル様がクリスティーヌ様とオペラに行ったことを嫉妬してアル様のことが好きだと自覚したとマリアに話した
「はぁ?アルベルト様ったらなんなのよ!」
「でもね、候補者に平等に接するのは当然だし、しょうがないってわかってるわ」
「そうだとしても、私は納得出来ないわ。
私がせっかく協力してあげたっていうのに(ブツブツ)」
最後の方はブツブツと話していたので、聞き取れなかったが、私の代わりにマリアが怒ってくれているのがわかる。
良いお友達をもったなぁ。
「じゃあ、これからはアルベルト様に積極的にアピールしていくのね!」
「う、うん。ねぇマリア、お願いあるだけど。」
「何かしら? もちろんアルベルト様のことは協力するわよ?」
「えっと、そうじゃなくて。私が嫉妬のあまり暴走したら止めてほしいの。これからアル様はもっともっと素敵になるわ。だから、アル様が他の令嬢と仲睦まじくしている所を見たり、聞いたりしたら私は嫉妬で狂ってしまうかもしれないわ。」
ヒロインに対して暴走する前に止めてもらおう。
「そんな、アルベルト様がセティー以外の方となんてありえないわ」
「いいえ、私は所詮婚約候補者、アル様の特別ではないもの。可能性はゼロではないわ」
特別じゃないって自分で言ってて悲しいなぁ。
またマリアがブツブツ独り言を言っている。
「もう、何やってんのよアルベルト様は。セティーもセティーで鈍感なんだから」
マリアがこちらをみて、今度はしっかり話し始める
「とりあえず、クリスティーヌ様には勝たなきゃいけないわ。負けないようにアピールしないとね」
あのクリスティーヌ様よりアピールするってどうしたらいいんだろう。
「何かした方がいいのよね? どうしたら振り向いてもらえるかしら?」
私はマリアに恋愛相談をすることにした。
「ふふ、まかせて!私セティーより恋愛本読んでるし、ヴィーからアルベルト様の情報を集めるわ」
あぁ、持つべきはお友達、親友だわ。
「ありがとう!持つべきは親友ね」
「そうよ!私とセティーは親友よ!」
昨日は更新できませんでした(汗




