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悪役令嬢だけど両思いになりたい  作者: 月乃
第1章
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新たな出会い

しばらくして、足が遠のいていた教会付きの孤児院に行くことにした。


最近忙しくて行けていなかったし、今日はバザーがあるからちょうどいいわ。


以前と同じように教会で祈り、孤児院の子供達とバザーに向かう。


バザーは中々賑わっていた。

私は作ってきたクッションやタペストリーなどを出し、子供達も自分達が作った物を並べる。



「「ありがとうございました」」

けっこう売れたなぁ。

ある程度売れた所で私は休憩として、少し離れた所で休む。


「お菓子はいかがですか?」


ん?

声のする方へ向くとフードを被った同い年ぐらいの女の子がお菓子を売り歩いていた。


手作りかな?

美味しそう。


「お一つ頂けますか?」

「ありがとうございます!」

女の子がこちらに振り返る


っ!!

可愛いぃぃぃ!!!!

髪はフードを被ってるからわからないけど、大きな灰色の瞳、薄く赤くなった頬、満点な笑顔!

今まで出会ったどの令嬢達より可愛い!


「あっあの?」

私が固まってると女の子が困ったような顔をする


「いえ、あの1つ頂けますか?」

「はい!ありがとうございます!暖かいウチに食べて下さいね!」


そう言われたので早速食べてみた。


美味しい!優しい味がする!


「とっても美味しいわ!これだけ美味しければお店に出せばいいのに!」

「ありがとうございます。でも、露店代が出せませんから」

「それなら、私が手伝ってるお店に置いてみませんか?」

「良いんですか!?」

私の言葉に女の子はパァッと笑顔になる。


うぅ可愛いぃ


「もちろんよ!」

「よかった! これで今月の家賃が払えるかもしれません!」


どうやら女の子は母親と2人で暮らしていて、母親はお針子の仕事をしていたが、最近身体の調子が悪いため仕事が出来ていないらしい。

それで、このバザーに出稼ぎにきたという。


「まぁ、お母様は大丈夫なの?」

「はい、幸いただの疲労で病気ではないので。ただ今月の家賃が払えていないので、困っていたんです」

「そうだったのね。お菓子売れると良いわね」

「はい!頑張って売ります!」



お菓子は売れた。

来てくださったお客様についでにお菓子を勧めると皆さん買ってくれた。


「あらがとうございます!おかげで売れました!」

「良かったわね。そういえばあなたのお名前……

「エメリア!こんな所で遊んでるなら早く家賃払いに来なさいよ!」

私達が話してるといきなり怒鳴り声がする。

声の方を見ると、赤毛の女の子を先頭に、複数の女の子がこちらを睨んでる。


「貧乏人のくせに、こんな所で遊んでいるなんて、生意気よ!」

「あっあの、遊んでません!」

「遊んでいないなら、何をしてるというのよ!あなたじゃ露店代も出せないでしょ?」


何この子、いじめっ子?

店先でこんなに怒鳴られたら迷惑だわ。

「私のお店を手伝ってくれたのよ。寄って集って店先で大声は辞めていただけませんか? ハッキリ言って迷惑です」

「なっ何よ!エメリアまた人に庇ってもらうのね!あなたっていっつもそう!男の子はみーんなあなたの味方だもんね!ちょっと可愛いからってズルいわ!」


あっ嫉妬だ。これだけ可愛いもんね、女の子から目の敵にされてるんだ


「醜い嫉妬は辞めなさい。顔にまで醜さが出てきてしまいますよ。こんな寄って集って人を貶める子なんて、誰も優しくしたくありませんよ。いざという時誰も助けてくれませんよ」

ゲームのセレスティーヌのようにね。


「関係ない人は引っ込んでてよ!」

「関係あるわ。ここはわたしのお店ですもの。お店の物も買わないようだし、お客様じゃないなら、どっか行っていただけるかしら? 嫌ならこれ以上は業務妨害で訴えますよ」


私がそう言うと、女の子達は悔しそうな顔をする。

「ふん、エメリア!さっさと家賃払いなさいよ!」


やれやれ、帰ってくれて良かった。

私は女の子の方へ向く。

「大丈夫だったかしら? 口出ししてごめんなさい。

あなた、エメリアって言うのね。名乗り遅れたけど、私はセレスティーヌと言うの」

「あっあのセレスティーヌ様!ありがとうございます!」

「様はいらないわよ。それに助けてはいないわ。根本的な解決はしていないから」

「貴族の方を呼び捨てにできません。せめて、セレスティーヌさんと呼ばせて下さい。それに、これは私の問題ですから。」


でも、せっかく知り合ったんだから、力になりたいなぁ。


「エメリアさんが妬まれてるのはわかったけど、後は何かされてるの? あっ言いづらかったら言わなくて良いわ」

「私に『さん』はいりません!えっと、私マナーとか習ってないんです。周りは普通の家か、少しお金がある家の子しかいないので、立ち居振る舞いを馬鹿にされて…。私自分に自信がなくて、言い返せなくて……。男の子達は気にするなって言ってくれるんですけど、余計酷くなって」


なるほどね。周りの子に恐縮してしまっているのね。

そこに、男の子達がこの子に優しくするから妬まれる。

でも、言い返せない。

言い返せないからまたイジメに会う。


悪循環だわ


「確かに、立ち居振る舞いは大事だわ。付け焼き刃でも身につければ、相手と対等に渡り合えるもの。そうね、まずは姿勢ね!それと、俯いてはダメよ、せっかく可愛いのだから堂々としてれば良いのよ」

「えっ!そんなことないです!でも、姿勢って大事ですか?」

「大事よ!正しい姿勢でいるだけで、キリッと綺麗に見えるわ。それに、猫背で俯いてる人は弱そうとか、暗いイメージが持たれやすいわ。」

「そうなんですね」

エメリアがほぉーという顔をする。


「ねぇエメリア、良ければ私と一緒に立ち居振る舞いを勉強しない?」

「えっ!?」

「私このバザーに定期的に来るから、良ければ、エメリアはまたお菓子を焼いて、売れば良いわ。その後一緒に立ち居振る舞いを勉強するの!どうかしら?」

「そんな、悪いです知り合ったばかりで、そんな御迷惑はかけられません!」

「迷惑なんて思ってないわ。それに、私はエメリアとお友達になりたい。私女の子のお友達が少ないの。エメリアが良ければお友達になってくれないかしら?」


私がそう言うとエメリアは驚いた顔をする。

「そんな、私の方こそお友達になって下さい!」

「良かった。じゃあ私達はもうお友達ね。お友達なら、お友達の為に何かさせてちょうだい?」

「うぅ、ありがとうございます!」


私達は互いに手を取り合い、お友達になった。

やっと新キャラが出せました。

後数話で学園編に入れたらと思います


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