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悪役令嬢だけど両思いになりたい  作者: 月乃
第1章
28/235

成長する思い

13歳になり、お兄様が学園を卒業し屋敷に戻って来て、文官になった。

ゲーム通りに進んでる。

後2年で私も学園に行く。

ゲームの本編が始まってしまう。


そういえば、私ヒロインの顔覚えてないんだよね。

転生して8年も経つし、ゲームだと自分がヒロインで、自分目線でゲームが進むから、顔って中々出てこないから覚えてない。

名前も変えてたからデフォルト名なんて覚えてないよー。

でも、銀の髪なんて珍しいし、見ればわかるよね!

アル様との初接触の場所はわかるし、ヒロインを見つけ次第、関わらないようにしよう!


ふと、鏡を見る。

13歳かぁ、やっぱり日本人より大人っぽく見えるわ。

ここ最近背も伸びて150cmはある。

胸も前世の自分よりある…。

なんか複雑な気分だ。


鏡に映る自分を見続けると、疑問が浮かんでくる。

セレスティーヌってたしかもっと意地悪そうな顔してたよね?

ツリ目がちで、いかにも悪役みたいな顔だったはず。

でも今の私はツリ目じゃないし、悪役顔というわけではない。

アメジストの大きな瞳、高く筋の通った鼻に形の良い口。

自分で言うのもなんだけど、可愛くて綺麗だ。

普通に結婚する気になれば、相手に困らさそう。


まぁゲームのセレスティーヌのように自分が一番とか思ってない。

上には上がいるだろうし、ヒロインはきっと自分より可愛いはずだ。

その自分より可愛いヒロインを妬む気はない。

けど、嫉妬しない自信がない。

クリスティーヌ様がアル様とオペラに行ったというだけで嫌な気分になった。

きっと嫉妬したんだと思う。

今までの様子でアル様がクリスティーヌ様をそんなに好いてはいないとわかっているのに。

こんなんでヒロインの時大丈夫なんだろうか。


転生した最初はアル様の内側の人間に、近くに立てる人間になりたいって思ったけど、だんだんとそれだけじゃ嫌で、もっと特別になりたいって気持ちが大きくなって来た。


嫉妬に狂ったらどうしよう。

自分に自信がないよ。

令嬢としても、婚約候補者としても特別秀でているわけではない。

特別頭が良いわけでもないし、令嬢として行ってることも普通だと思う。

つまり、ヒロインに勝てるものがない。


自分に自信をつける必要がある。

自信をつけるためには今まで以上に努力しなきゃ。


私は王妃教育以外にも学習時間を取り、その他に刺繍やお花のお稽古の時間を増やした。

ピアノの練習も忘れない。


----------

「セレスティーヌ様!素晴らしいです、ほとんど正解ですよ」

「ありがとうございます」


外国語のテストの点数が良かった。

褒められるのは嬉しい。


マナーの授業もなんとかこなせている。

今までの淑女教育よりもさらに厳しく、式典などの注意事項や来賓に対する応対を学ぶ。

他国の来賓の場合、向こうの文化や宗教にも影響されるので、覚えなければ失礼にあたる。

そのため、授業がだんだんと厳しくなっていく。



私は疲れたので休憩の時間は庭園に行くとこにした。

クリスティーヌ様のようにアル様にアピールしに行こうかと思ったけど、最近のアル様は公務やお勉強で忙しい。

押しかけては迷惑だと思い、辞めた。


ベンチの方へ行くと誰かが寝ている。


「えっ!?アル様?」

「ん?セティーか。セティーも休みにきたのか?」

近づくとなんとアル様だった。


「えぇ。いつもは御部屋にいるのに、ここで休んでるの?」

「ああ、いつもこの時間はクリスティーヌ嬢が部屋に来て休めないから、逃げてきた!」

アル様は笑いながら言う。


「そっか。じゃあ私も邪魔しては悪いし、退散するわ」

そう言うとアル様は焦りだす。

「まっまて!邪魔じゃない。セティーは邪魔じゃないから! このまま私と話をしよう」

「アル様が良いなら、じゃあお言葉に甘えるね」


少し悩んだが、せっかくアル様に会えたのでお言葉に甘えることにする。

私達はベンチに腰掛けて話しをする。


「そういえば、クリスティーヌ嬢はよく訪ねて来るが、セティーは中々私に会いに来てくれないな。私のことが嫌いか?」

「嫌いなわけないわ!アル様が忙しいから、休憩時間くらいゆっくりしてもらいたくて、訪ねなかっただけで、嫌いじゃないわ」

私は慌てて答える。


「そうか、良かった。ただ私は傷ついた。セティーは心を許した婚約者だ。私がセティーと一緒に居て疲れるはずがないだろう」


心を許したって!

えぇー嬉しい!!


「謝罪として、1つ頼みを聞いてもらおう。全く、これからはちゃんと会いに来てくれ、私も最近セティーに会いに行けなくて寂しいんだ。」


「っ!!」

アル様!それは反則ですよ!

私は顔が赤くなった。


アル様の顔を見ると薄っすらクマが見える。

本当はお疲れなんだよね。


「私で出来ることなら、なんでもするわ」


「なんでも!?セティー!女性がなんでもするなんて、言うもんじゃない!」


アル様、自分から言っといて何を言うの?

まぁアル様になら何をされても良いけどね。

「アル様になら平気よ」


「っ!!あーもう、無自覚はこれだから。じゃあ私の望みを叶えてもらおう。後で文句を言わないように!」


アル様の顔が赤い気がする。

大丈夫かな?

やっぱり疲れてるのに無理してるのかな?


「はい、どうぞ」

わたしがそう答えると、不意に膝に重みを感じた。


「っ!!」

私の膝にアル様の頭が!

これは俗に言う膝枕!?

ヒャー!!


「謝罪として、私の枕になってもらおう」

「はっはい!!」

「うん、気持ちいい。悪いがこのまま寝かせてくれ」


そう言われてしばらくするとスゥーとアル様の寝息が聞こえてくる。


アル様の顔が近くに!

膝に伝わる体温がぁ!

心臓よ! おさまれ!


私は深呼吸をして、アル様の顔を見つめる。


出会った頃はあんなに小さかったのに、もうほとんどゲームのアル様と変わらない。

王太子としての重責や皆の期待がある中で、努力し続けている。

だけど、努力し過ぎて無理をするタイプだから心配だなぁ。

今だけでも休んでもらおう。



休憩時間が終わるまで、私はアル様に膝枕をして過ごした。

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