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悪役令嬢だけど両思いになりたい  作者: 月乃
第3章
234/236

独占欲 side story

西の国の王子side


ベスタトールへの特使という大役を任された。

幼い頃から親しい隣国の王子も同じく、ベスタトールを訪れると聞いて、滞在中は退屈しないなと楽観的に考えていた。


「よっ!久しぶりだな!どうよ次期王弟殿下!」

「久しぶり!そっちこそ、来月には王弟殿下になるんだろう!」


そう僕はしがない第6王子だけど、運の良い事に、同じ母を持つ第2王子の兄上が王位を継ぐ事が決まった。

次期国王の直系の弟というだけで、僕の価値は急上昇している。

熾烈な王位争いを勝ち抜いた兄上には足を向けて眠れないよ。


そして目の前に居る友人である隣国の王子もまた、僕と同じ境遇に居る。


「俺ら運が良いよな。下位の王子に産まれて、割と自由に生きて来れたし、兄上のおかげで将来良い立場が貰えるだ」

「そうだけど、それなりに頑張らないといけないよ。今回の特使だって、外交を成功させて箔を付けて帰って来いって事だし」

「まぁな。でもよ、他の兄弟や姉妹よりずっと良いだろ?」

「それは…そうだね」


王位を争いに敗れた第1王子である兄上は離宮に引き篭もっているし、天へと昇った兄や妹だっている。


「まっお互い、政治に利用出来ない年の離れた弟を邪険にせず、可愛がってくれた兄上の為に頑張ろうぜ」

「うん。そうだね」

「そうと決まれば情報交換といこうぜ」

「あの兄妹の王子と姫は要注意だよ。さっきアルベルト殿とセレスティーヌ様に絡んでいたよ」

「あそこの国は今王位争い中だからな。アルベルト殿とセレスティーヌ様は政略的な婚約でも、相思相愛らしいぜ」

「へぇ。あの衣装、仲が良いっていうアピールの為じゃないんだ。じゃあ贈り物はペアか対になっている物が良いかな」

「その方が良いだろうな。この大陸で1番の国土面積を誇り、気候も安定しているこの国と親交を深めるのが俺らの目的だからな。贈り物は気に入られる物にしないとな」

「そうだね。僕らの国の大陸は度々嵐に見舞われて、各方面の産業が打撃を受けるからね。親交を深めて、何かあったら助けてもらえる関係を維持しないと」


過去何度も特使や大使を派遣して、ベスタトールとはそれなりの親交があるけど、ここで王族を遣わせしてより深い親交を深めるのが今回の目的だしね。


会場内には他国の特使や大使が居る。

ベスタトールの近隣の国であるミーシアンからエルド王子が短期留学に来ている。

ベスタトール以外の国とも親交を深めるのは、僕の大事な仕事だ。

その為、僕達は会場内を歩き、挨拶回りをしていた。

そこで僕は運命の出会いをする。


挨拶周りの途中、青みのあるシルバーブロンドに薄黄色の瞳の東の国の姫と出会った。


なっなんて、可憐なんだ!

あっ笑った顔も凄く可愛い!


リーファン姫。

名前まで可愛い。


「あっあの私の顔に何かついてますか?」


ハッ不味い!

あまりの可愛さに凝視し過ぎた!


「いっいえ。あの、あそこの桃のケーキが美味しそうだなって…ハハ」


あぁ!

桃のケーキってなんだよ!


「本当ですね!私、桃が1番好きで、後で頂きます。教えてくれてありがとうございます」


あぁ!良かった!


性格も見た目通りとても良い子そうだ。

僕のところに嫁いでくれないかな?

王族らしい贅沢はさせてあげられないけど、王宮の離宮で静かに庭を眺めながら、平和に暮らして。

あっそうだ、桃の木を植えたら喜んでくれるかな?

たまにこうして外交を任されたら一緒に他国の美味しい物を食べ歩くのもいいなぁ。


「おい!しっかりしろよ!」

「ハッ!」

「東の国の姫に一目惚れか」

「そっそれは…」

「あの国は少し前まで戦争をしていたからな。あの姫は社交に慣れていないらしい。たぶん最低限しか踊らないだろうから、ダンスの相手が出来たら良いな」


エルド殿とセレスティーヌ様の計らいで幸運にもリーファン姫とダンスを踊る事が出来た。

ダンス中はどのケーキが美味しかったか、どんな食べ物が好きかという話題で盛り上がった。


滞在中にベスタトールでケーキが有名なお店に一緒に行く約束も出来て、凄く嬉しい。


あの兄妹の王子がセレスティーヌ様とのダンスを踊る為に無茶振りをしてきた時はどうしようかと思った。アルベルト殿に直ぐに報告しに行って正解だったよ。



カミーユside


今回の社交界は父様と2人で参加している。

会場に着いて父様は直ぐに仕事関係の挨拶周りをしに行った。


「カミーユ様。こんばんは」

「こんばんはリーファ姫」


リーファン姫が挨拶に来てくれた。

後ろに居る男性は東の国の特使だね。

僕に紹介してくれるのかな?


「クリスティーヌ様がお見えになりませんが、御欠席ですか?」

「えぇ生憎体調を崩してまして」

「そうですか…残念です」

「所でリーファン姫、そちらの方は?」

「あっこちらは私の国の特使の方です」

「初めましてカミーユ様。リーファン姫がお世話になっているそうで」

「いえいえこちらこそ。妹共々リーファン姫にはお世話になっています」


リーファン姫のおかげでクリスは学園を楽しのめている様だしね。


「左様でございます。この先も末永くよろしくお願いします」

「…。えぇこちらこそ」


末永くかぁ。

この間、リーファン姫をオペラに誘った事はこの特使に筒抜けなんだろうなぁ。


リーファン姫とファーストダンスを踊る。

事前にリーファン姫から頼まれていたんだ。


他国の王族が来訪されていて、ファーストダンスは王族ばかりになり、注目を浴びてしまうから、慣れた相手が良いと。


ファーストダンス後、僕は仕事の挨拶回りをする為リーファン姫と別れた。


リーファン姫は特使と合流せず、マリア様達と話をしている。


しばらく挨拶周りをしている間に、リーファン姫はアルベルト王太子様とダンスをしていた。


リーファン姫から事前に自国とベスタトールの親交の為、踊る様にと言われていると、聞いていたから、驚きはしなかった。


ダンス後はまたマリア様達と合流すると思っていたけど、予想とは違い、西の国の王子達とダンスを踊っていた。


2人の西の国の王子の内、1人の王子ととても楽しそうに踊っていた。

その姿を見て、胸の奥がチクチクとする感覚を覚えた。


ダンス後も一緒に談笑をしている。

途中、特使の男性も2人の仲を取り持つ様にしている様に見えた。


心臓をギュッと掴まれた様な痛みが身体に走る。


確かにリーファン姫と居ると楽しい。

それに、落ち着ける感覚がある。

色んな事に目を輝かせるリーファン姫が可愛いとさえ思える事は多々ある。


僕はリーファン姫が好きなんだろうか…。


「リーファン姫、ダンスお疲れ様です。何か飲みますか?」

「あっありがとうございます!」


リーファン姫とシャンパンを飲む。


「ダンス、楽しかった様ですね」

「なんとか踊れていたと思います!西の国の王子とどのケーキが美味しかったか話していました」

「そうですか。それは良かったですね」


恋愛につながる様な話題ではないみたいだ。

良かった…。


「王都のケーキが有名なカフェに行く約束をしたのでしたよね」


東の国の特使がスッと僕達の会話に入ってきた。


「あっはい。そうですね。そこのケーキが美味しいと話題になりまして」

「西の国の王子は1週間ほど滞在するそうですよ。その間、王都をご案内して差し上げては如何ですか?」

「でっでも私はそこまで王都に詳しいわけでは…」

「詳しくなくとも、2人で王都を散策で良いと思いますよ。気も合う様ですし、この機会に交友関係を広げてみるのも良いかと。日程の設定でしたら、私があちらの特使と調整致します」

「そっそうですか…あっでしたらカミーユ様もご一緒に…「王子の滞在期間に限りがある為、カミーユ様のご予定も合わせるのは難しいと思います」


特使はリーファン姫と西の国の王子の接点を繋げようとしているのがわかる。


そりゃあ侯爵家の息子よりも王子の方が地位は高いし、あの王子はまもなく王弟殿下となるお方だ。

しかも即位する王とは同じ母親から産まれ、仲も良いらしい。


後継者争いも落ち着いていて、王弟として安定した地位や暮らしが保障されている。

東の国としても、姫を嫁がせるならあちらだろうな。


その後、仕事関係者に話しかけられ、リーファン姫と話せないまま、社交界がおわってしまった。


はぁ。

なんだかモヤモヤしたまま社交界が終わってしまったな。


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