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悪役令嬢だけど両思いになりたい  作者: 月乃
第3章
232/236

独占欲②

「セレスティーヌ様。湯浴みのお時間です」

「そうね。お願いするわ」


社交界当日。

王宮で支度をしているわ。


「お嬢様。香油を用意しますね」

「えぇお願い」


「香油でしたら、こちらでもご用意がございます」

「お嬢様に御使用する香油は特別な物ですから」


ウチのメイドと王宮のメイド達がバチバチしているわ。


「せっかくだけど、今日は持ってきた香油を使いたいの。秋桜の香油よ。この季節にぴったりでしょう?」


残暑がまだまだ厳しいけれど、暦は秋。

王宮で用意してくれる高級な薔薇の香油も良いけれど、秋の花の香りを使いたいわ。


「左様でございましたか。確かにこの時期にはピッタリな花でございますね」

「そうでしょう。ではよろしくね」


メイド皆んなに洗われ、丁寧に髪を拭かれる。

化粧をし、髪を結われる。


瞳と髪が目立つような化粧と髪型にしたわ。

私にしては珍しく前髪も結っているの。

おかげで少し吊り上がった目が目立っているわ。


「セレスティーヌ様、コルセットを締めましょう」

「えぇ」


憂鬱な時間だわ。


「もう少し締める余裕がありそうですね」

「そっそうかしら」


もう良いんじゃないと言いたい所だけど、アルから贈られたドレスをより綺麗に着たい気持ちが膨らんだ。


「そうね。もう少し締めましょう」

「「はい!!」」


コルセットを締めて、やっとドレスが着れるわ。

毎度思うけど、社交界の支度するのは大変ね。

時間も手間も凄く掛かるわ。


支度をしてくれた皆んなの為にも社交界を成功させないと。

エルド様とダンスをするよう頼まれているのよね。

他にも来訪される王族の相手が私の仕事。


アルの色を見に纏うのに相応しいと思われる様、頑張ろう。


「ドレスを着付け致します」

「お嬢様から聞いておりましたが、本当に美しいドレスですね」

「そうでしょう。アルからの贈り物。私の大切な宝物よ」

「その様に大切に想われて、王子もきっとお喜びになられます」

「そうだと嬉しいわ」


ドレスを着付け、アクセサリーを身に付ける。


鏡に映った自分を見て、改めて全身アルに染められていると感じたわ。


「「お嬢様!本当に美しいです!!」」

「セレスティーヌ様、本当に愛されておりますね」

「なんだか気恥ずかしいわね。でもありがとう」


そろそろアルが来る頃だわ。


贈り物、見てもらえたかしら。

堂々と直接渡す事が出来たら良かったのだけど。

でも見てもらえたら、私からだと気付いてもらえるはず。


ブルーグレーのドレスを贈りたいと言われた時から作り始めたのよ。

私だってアルを独占したい気持ちが強いのだから。

今日来訪される王族には姫様も居るし。

きっと1曲は踊るわ。


絶対にアルは好意を持たれるに決まっているもの。

前に来た特使の女性もアルに夢中だったもの。


コンコン

扉がノックされ、メイドが応対してくれているわ。

アルが来たみたいね。


「セティー支度は出来ただろうか?」

「えぇどうぞ!」


「セティー!なんて美しい…。それに今日はセティーの綺麗な瞳がよく見える」

「フフありがとう。アル様も凄くカッコいいわ」


今日のアルは髪を半分後ろに流しているから、アルも瞳がよく見えるわ。

それに何度見ても、正装が良く似合っていて、凄くカッコいい…。


「そのペリース…。」

ウソ。

本人の手に渡せれば十分だと思っていたのに。

身に付けてくれるだなんて。


「どうだろうか。似合うだろうか?」

「えぇ凄く似合ってるわ!」


アルに抱きしめられ、耳元で小さく囁かれる。


「私の為にペリースを作ってくれてありがとう」

「気付いてくれてありがとう」

「セティーからの贈り物に気付かないわけが無い」

「実はもう一つ贈り物があるの」


アルから体を離し、我が家のメイドに持ってくる様に伝える。


「受け取ってもらえたら嬉しいわ」


箱を開いてアルに見せる。

プレゼントは襟飾り。

今アルが身につけてる飾りの邪魔にならないよう、小ぶりなら物にしたわ。


銀細工にアメジスト。

これも私の独占欲を昇華させるためのプレゼント。


アルは箱から飾りを取り出して、襟に付ける。


「どうだろうか?」

「凄く良く似合っているわ!」

「では行こうか」


アルの手を取り、国王陛下と王妃様達と共に会場へ入る。

陛下達と合流した際にアルと私の装いについてたっぷり揶揄われて、アルと私は顔を赤くして聴き流したわ。


アルのエスコートで陛下達と一緒に入場する事は、何度か経験しているけど、会場の人達に頭を下げられ、既に王族の一員の様な扱いにまだ慣れないわ。


陛下が頭を上げる様言い渡し、会場の人達が私達の装いに注目し始めたわ。


私が度々ブルーグレーのドレスを着る事があっても、全身ブルーグレーを纏う事は今まで無かったはず。


そして何より、皆んなアルのペリースを見て驚いているわ。

アルが今まで赤、青、白のペリースしか身に付けてないわ。

そんなアルが私の瞳の色のペリースを身に付けているのだもの、驚くわよね。


「アルベルト王太子様、並びにセレスティーヌ様にご挨拶申し上げます」


パーティーが始まり、来訪された方々が陛下達や私達に挨拶に来きたわ。


「ようこそベスタトールへ。長旅であっただろう。昨日は良く休まれたかな?」

「えぇ。お貸し頂いた部屋は自国を思わせる内装でしたから。また慣れ親しんだ香まで御用意して下さり、ありがとうございます」

「私の婚約者が手配した内装や香を気に入った様でなにより」

「セレスティーヌ様のお気遣いでしたか。ありがとうございます」

「良くお休みになる事が出来た様で良かったです」


来訪された王子は私の手に挨拶のキスをして行ったわ。


次は王子と姫ね。

2人は兄妹でこちらも遠路はるばるベスタトールに来られたわ。


「セレスティーヌ嬢。貴方の評判は我が国にも届いていた。会えてとても嬉しい」

「アルベルト様。是非私とダンスをお願いしますわ」

「妹は我が国の至宝と呼ばれるほどだ。アルベルト殿もきっと気に入られるだろう」


2人はとても強気な目で自信に満ち溢れた顔でこちらを見ているわ。


あぁこの兄妹は駄目だわ。

自分達の方が立場が強いと思っていそう。

それにアル狙いなのを隠そうともしない発言。


「他に交流する相手が居るため、約束は出来無いが、機会があれば」

「えぇ!是非!」

「その時はセレスティーヌ嬢は私と踊ろう」

「えぇその機会があれば」


「そういえばセレスティーヌ嬢は我が国のスパイスにご興味があるとか」


こちらの塩対応に他の話題を振ってきたわ。


「えぇスパイスを使った料理に興味があります。ナハラセスのシャルエラント王子と親しくさせて頂いていてまして、有難い事にスパイスをたくさん輸入させてもらえてます」

「シャルエラント殿はこちらに御留学されておりましたね」


ナハラセス「セレスティーヌ様湯浴みのお時間です」

「よろしくお願いするわ」


社交界当日。

王宮で支度をしているわ。


「お嬢様。香油を用意しますね」

「えぇお願い」


「香油でしたら、こちらでもご用意がございます」

「お嬢様に御使用する香油は特別な物ですから」


ウチのメイドと王宮のメイド達がバチバチとしているわ。


「せっかくだけど、今日は持ってきた香油を使いたいの。秋桜の香油よ。この季節にぴったりでしょう?」


残暑がまだまだ厳しいけれど、暦は秋。

王宮で用意してくれる高級な薔薇の香油も良いけれど、秋の花の香りを使いたいわ。


「左様でございましたか。確かにこの時期にはピッタリな花でございますね」

「そうでしょう。ではよろしくね」


メイド皆んなに洗われ、丁寧に髪を拭かれる。

化粧をし、髪を結われる。


瞳と髪が目立つような化粧と髪型にしたわ。

私にしては珍しく前髪も結っているの。

おかげで少し吊り上がった目が目立っているわ。


「セレスティーヌ様、コルセットを締めましょう」

「えぇ」


憂鬱な時間だわ。


「もう少し締める余裕がありそうですね」

「そっそうかしら」


もう良いんじゃないと言いたい所だけど、アルから贈られたドレスをより綺麗に着たい気持ちが膨らんだ。


「そうね。もう少し締めましょう」

「「はい!!」」


コルセットを締めて、やっとドレスが着れるわ。

毎度思うけど、社交界の支度するのは大変ね。

時間も手間も凄く掛かるわ。


支度をしてくれた皆んなの為にも社交界を成功させないと。

エルド様とダンスをするよう頼まれているのよね。

他にも来訪される王族の相手が私の仕事。


アルの色を見に纏うのに相応しいと思われる様、頑張ろう。


「ドレスを着付け致します」

「お嬢様から聞いておりましたが、本当に美しいドレスですね」

「そうでしょう。アルからの贈り物。私の大切な宝物よ」

「その様に大切に想われて、王子もきっとお喜びになられます」

「そうだと嬉しいわ」


ドレスを着付け、アクセサリーを身に付ける。


鏡に映った自分を見て、改めて全身アルに染められていると感じたわ。


「「お嬢様!本当に美しいです!!」」

「セレスティーヌ様、本当に愛されておりますね」

「なんだか気恥ずかしいわね。でもありがとう」


そろそろアルが来る頃だわ。


贈り物、見てもらえたかしら。

堂々と直接渡す事が出来たら良かったのだけど。

でも、見てもらえたら私からだと気付いてもらえるはず。


ブルーグレーのドレスを贈りたいと言われた時から作り始めたのよ。

私だってアルを独占したい気持ちを強いのだから。

今日来訪される王族には姫様も居るし。

1曲は踊るだろうし。


絶対にアルは好意を持たれるに決まっているもの。

前に来た特使の女性もアルに夢中だったもの。


コンコン

扉がノックされ、メイドが応対してくれているわ。

アルが来たみたいね。


「セティー支度は出来ただろうか?」

「えぇどうぞ!」


「セティー!なんて美しい…。それに今日はセティーの綺麗な瞳がよく見える」

「フフありがとう。アルも凄くカッコいいわ」


今日のアルは髪を半分後ろに流しているから、アルも瞳がよく見えるわ。

それに何度見ても、正装が良く似合っていて、凄くカッコいい…。


「そのペリース…。」

ウソ。

本人の手に渡せれば十分だと思っていたのに。

身に付けてくれるだなんて。


「どうだろうか。似合うだろうか?」

「えぇ凄く似合ってるわ!」


アルに抱きしめられ、耳元で小さく囁かれる。


「私の為にペリースを作ってくれてありがとう」

「気付いてくれてありがとう」

「セティーからの贈り物に気付かないわけが無い」

「実はもう一つ贈り物があるの」


アルから体を離し、我が家のメイドに持ってくる様に伝える。


「受け取ってもらえたら嬉しいわ」


箱を開いてアルに見せる。

プレゼントは襟飾り。

今アルが身につけてる飾りの邪魔にならないために、小さい飾りにしたわ。


銀細工にアメジスト。

これも私の独占欲を昇華させるためのプレゼント。


アルは箱から飾りを取り出して、襟に付ける。


「どうだろうか?」

「凄く良く似合っているわ!」

「では行こうか」


アルの手を取り、国王陛下と王妃様達と共に会場へ入る。

陛下達と合流した際にアルと私の装いについてたっぷり揶揄われて、アルと私は顔を赤くして聴き流したわ。


アルにエスコートで陛下達と一緒に入場する事は今までも何度か経験しているけど、会場の人達に頭を下げられて、既に王族の一員の様な扱いにまだ慣れないわ。


陛下が頭を上げる様言い渡し、会場の人達が私達の装いに注目し始めたわ。


私が度々ブルーグレーのドレスを着る事があっても、全身ブルーグレーを纏う事は今まで無かったはず。


そして何より、皆んなアルのペリースを見て驚いているわ。

アルが今まで赤、青、白のペリースしか身に付けてないわ。

そんなアルが私の瞳の色のペリースを身に付けているのだもの、驚くわよね。


「アルベルト王太子様、並びにセレスティーヌ様にご挨拶申し上げます」


パーティーが始まり、来訪された方々が陛下達や私達に挨拶に来きたわ。


「ようこそベスタトールへ。長旅であっただろう。良く休まれたかな?」

「えぇ。貸して頂いた部屋は自国を思わせる内装に慣れ親しんだ香まで用意して下さりありがとうございます」

「私の婚約者が手配した内装や香を気に入られてたようでなにより」

「セレスティーヌ様のお気遣いでしたか。ありがとうございます」

「良くお休みになる事が出来た様で、良かったです」


来訪された王子は私の手に挨拶のキスをして行ったわ。


次は王子と姫ね。

2人は兄妹で、こちらも遠路はるばるベスタトールに来られたわ。


「セレスティーヌ嬢。貴方の評判は我が国にも届いていた。会えてとても嬉しい」

「アルベルト様。是非私のダンスのお相手をお願いしますわ」

「妹は我が国の至宝と呼ばれるほどだ。アルベルト殿もきっと気に入られるだろう」


2人はとても強気な目で自信に満ち溢れた顔でこちらを見ているわ。


あぁこの兄妹は駄目だわ。

自分達の方が立場が強いと思っていそう。

それにアル狙いなのを隠そうともしない発言。


「他に交流する相手が居るため、約束は出来無いが、機会があれば」

「えぇ!是非!」

「その時はセレスティーヌ嬢は私と踊ろう」

「えぇその機会があれば」


「そういえばセレスティーヌ嬢は我が国のスパイスにご興味があるとか」


こちらの塩対応に他の話題を振ってきたわ。


「えぇスパイスを使った料理に興味があります。ナハラセスのシャルエラント王子と親しくさせて頂いていて、有難い事にスパイスをたくさん輸入させてもらえてます」

「…。確かシャルエラント殿はこちらに留学されてたな」


ナハラセスにもないスパイスは魅力的だけど、ここは貴方の国の力を借りなくて大丈夫だとアピールしないとね。


「後ろの方々を待たせてしまっている。話の続きはまたの機会としよう」


アルが話を切って、後ろの来訪者達が挨拶の口上を述べてくれたおかげで、兄妹は渋々離れていってくれたわ。


うわぁ離れた所からこっちを見てる。

目を合わせないようにそっちの方向を見ないようにしないと。


挨拶が一通り終わってアルとファーストダンスを踊り、そのまま2曲目も踊ったわ。


さて、あの兄妹に会わないように挨拶周りをしないとね。


アルも気持ちは一緒のようで、兄妹が近くに来ようとした瞬間に別の方向の方々に声を掛けていたわ。


そろそろエルド様と踊らないとね。

アルもリーファン姫と踊らないと、後で大臣達がうるさいわ。


あっ2人ともマリア達と一緒にいるわ。


「マリア!エメリア!」

「セティー!そのドレスとアクセサリーすっごく似合ってるわ!」

「前髪を結ってるの新鮮ですね!」

「ありがとう!エルド様達と居たのね」


「自国の特使が煩わしくてね」

「私も、特使の方とは親しくなくて。マリア様達とご一緒させて頂いてます」

「リーファン姫は先程までカミーユ様と居たの。だけど、カミーユ様が仕事の相手と話をするから、こちらで一緒にお話ししているの」


リーファン姫は特使の方とは面識があまりないのね。東の国の姫君であるリーファン姫は、あわよくば嫁にと狙わせてるわよね。

エメリアも人気だけど、姫という地位があるリーファン姫は段違いで狙われているわ。

現にさっき挨拶に来た王子がリーファン姫を見て頬を赤くさせているわ。


「セティー。丁度曲が変わる頃だ。私と一曲お願い出来るかな?リーファン姫もこの機会にアルベルト殿と踊ってしまえば後が楽だと思うが」

「そっそうですね!アルベルト様、ご面倒お掛けしますが、よろしくお願いします」


私とアルは顔を見合わせて頷いたわ。


私はエルド様と。

アルはリーファン姫とダンスエリアに移動する。


わぁリーファン姫とアルが凄く絵になってる。

リーファン姫がアルに全くその気が無いのを知ってるけど、なんだか悔しい。


アル達の方を見ていると、エルド様に腰をグイッと抱き寄せられる。


「セティー。私を見て」

「えっ」




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