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悪役令嬢だけど両思いになりたい  作者: 月乃
第1章
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噂話

「セティーちゃん!今日は母様と一緒にお茶会に行くわよ!」


朝一番でお母様にお茶会に行くと言われてしまった。

うん、いつもどおり断ろう。


「お母様、私は家でお勉強をしています」


私の返事を聞き、お母様は、にーっこりと笑う。

「いいえ、ダメよ!もう10歳なんだからお茶会に行かなくちゃ。セティーちゃんも後5年で社交界にデビューするのだから、慣れておかないと!」


うっ!確かに!

でも、貴族達の中に入るのってやっぱり怖いな

良いイメージないし、出来ればデビューまで家で大人しくしてたい。


「お母様、急に言われても着ていくドレスがありませんわ」

貴族のお茶会ならそれなりのドレスが必要だもの。

これで断れる!


「あら、それなら私の実家、お祖父様から贈られたのがあるわ!」


そっそんな!

お祖父様!

孫に甘いのも大概ですよ!!


「もう、セティーちゃんが着飾らなくなったから母様寂しいのよー。ふふっお祖父様からのドレスなら、お茶会についてきてくれるでしょう?」


うぅっ断る理由がない。

それにせっかくお祖父様が贈ってくれたドレスを着ないのは申し訳ない。


「はい、わかりました。そのドレスでお茶会に行きます」

私はあきらめた…。


「良かったわぁ。じゃあ早速準備しましょ!」


そうして私はメイドさん達に連れられ、全身を磨かれる。

全身磨かれ、着飾り、鏡の前に立たされる。


薄ピンク色のドレスに、腰から全体にレースが使われてふんわりしてて可愛い。


「セティーちゃん可愛いわぁ!妖精さんみたいよー!」

「あっありがとうございます」

「ふふ、これで御婦人達に自慢出来るわぁ」


ゔーん。

隅で大人しくしてたいな。




そうしてお茶会についてしまった。

とりあえず主催の夫人にお母様と挨拶をする。


挨拶が終わると金髪縦ロールの御婦人が話しかけてくる。

どっかで見たことあるような。


「あら、アルベール夫人御機嫌よう」

お母様が挨拶したので、私も挨拶をする。

アルベールってクリスティーヌ様のお母様だよね?


「アルベール夫人、お初にお目にかかります。セレスティーヌと申します。本日はよろしくお願い致します。」


「あら、エレオノーラの所の娘でしたのね。ふふ、私の娘のほうが美人で安心したわ」


うわぁ、親もすごいなぁ。

お母様を呼びすてにしてるし……。

あっお母様目が笑ってない。


「アルベール夫人ったら、わたくしを呼び捨てにするなんて、、淑女教育を娘様と一緒に受けた方がよろしくてよ」


お母様!?

それは嫌味ですよ!


あっ、アルベール夫人も目が笑ってない。

「なっなんですって!?」


「だってそうでしょう? わたくしは公爵夫人。あなたは侯爵夫人。わたくしの方が爵位は上です。生家の話しを出したとしても、あなたは伯爵家でしたわよね。わたくしの生家は辺境伯家ですわ。軽んじられる覚えはありませんもの。伯爵家では教育されなかったのかしら? そうだと侯爵夫人の責務は大変ですわねぇ。それでは侯爵様にご迷惑にならないよう、頑張って下さい。さっセレスティーヌ行きましょう。」


お母様、言いたいことだけ言って退散するのね。

アルベール夫人がすごい目で見てるけど……、


アルベール夫人の周りには誰もおらず、周りは遠巻きにクスクス笑っている。


少し離れるとすぐに他の御婦人や御令嬢達に囲まれた。

「エレオノーラ様さすがですわ!」

「アルベール夫人にはっきりと言えるのはエレオノーラ様しか居ませんわ」

「あの方前にも増して評判悪いんですのよ。娘様のクリスティーヌ様も悪い噂しか聞きませんわ」


人を悪く言うのは良くないけど、まぁあの親子はしょうがないか。

ウチは爵位が上だから良いけど、下の人達は大変だろうなぁ。

身分制度は貴族と平民というだけでなくて、貴族の中でも厳しい格差があるもの。

子爵、男爵家は貴族の中でも下位だから、他の貴族から軽んじられやすい。

ゲームのセレスティーヌもヒロインが男爵家だと馬鹿にしてたもんね。

私もあんな風にならないように気をつけるよう。




「ほんとセレスティーヌ様は…………の乙女と呼ばれるのにふさわしいですわ」


えっ?なんの乙女だって??

聞いてなかった!

もしかして、銀の乙女!?

セレスティーヌにとっての銀の乙女=溺愛されたワガママ令嬢という悪口だよね!?

ヒロインのような名誉ある呼ばれかたされるようなことしてないし。


私社交界では悪口言われてるのかな?


「本当にセレスティーヌ様は可愛いらしいですわ。」

「なんでも慈善活動に熱心とか」

「まさに『白銀の乙女』ですわね」

「教会で祈る姿は神の使いのようだと聞いてますわ」

「あら、私は自ら炊き出しに参加する姿は天使のようだと聞きましたわ」


あれ?

白銀??

確かに私の髪は白銀だけど。

あれかな? 私がセレスティーヌになったことでのズレかな。

とりあえず悪口ではないみたいで良かった。


「ウチのセレスティーヌは家でも勉強熱心ですのよー。教師達が毎日褒めますの!」

お母様は上機嫌だ。


「聞いておりますわ。学問や淑女教育も進んでいるとか。」

「お勉強の他にもピアノの才能に秀でてると聞きますわ」


褒めてくれてるみたいで良かった。

まぁ勉強は前世の知識あるからね、ズルしてるみたいで申し訳ない。


「ふふ、それほどでもなくてよ。皆さんにウチのセレスティーヌを知っていただけているなんて嬉しいわ」


お母様の高笑いが止まらない。

でも機嫌が直って良かった。


そうしてお茶会はお開きになり、馬車に乗るため移動する。

馬車に乗る間際にまたアルベール夫人が近づいてきた。


「エレオノーラ!あなたは昔からそうなのよ!私からなんでも持っていく!今日は娘を使って注目されるなんて!」


アルベール夫人がそう言うと周りがヒソヒソ話し始める。

うわぁまた注目されてるよ。


お母様はスッと表情消して、淡々と話し出す。

「ここはあえて侯爵夫人とは呼ばず、あなた個人に問います。サンドラ様は何をおっしゃっているのかしら? 私が貴方の何を持っていったと言うのかしら」

「学園でも社交界でも私より上の立場だったわ! 私が得るはずの地位を奪ったわ!」


アルベール夫人は金切り声で話しだす。


「それは私の努力の結果で、貴方から奪ったわけではありませんわ。」

「エドガルド様のことだって、私の方が先に好きになったのに!」

「たしかに私はエドに求婚されましたけど。エドは貴方の婚約者でも親しい間柄でもなかったはずです。貴方から奪ったと言われるようなことはありません。」

お母様は呆れたような顔をする。


「貴方さえ居なければ、皆の注目の的は私だったはずなのに」

「それは、私のせいではありませんわ。対人関係を良好にする能力は人それぞれですもの。でも、今はある意味注目の的ですわね。さて、私はあなた個人に問いましたので、この件に関して侯爵家に抗議するつもりはありません。しかし、我が公爵家を軽んじる発言はお控え下さいませ。そうでは、御機嫌よう」


そう言ってお母様は私を連れ馬車に乗り込む。

お母様すごい!

いつも私を着せ替え人形にしている時とは大違い!


「全く!サンドラは昔から嫌な人だったのよ!こんな人前でケンカを売るなんてありえないわ。セティーちゃん! サンドラの娘とは仲良くしなくていいわ。

セティーちゃんがマリアちゃんのようにお友達になりたいって言うなら別だけど」


「いえ、関わりたくないです」

あんな親子には関わらないほうが良いに決まってる!


「あら、それなら良かった。これから王妃教育で顔合わせると思うけど、何言われても負けちゃダメよ!そのためには場慣れしなくちゃ。これからたくさんお茶会に参加しましょうね」


げっ!?

またお茶会に行かなきゃ行けなの!?

こんなバチバチの口喧嘩に場慣れしたくないよ!

ていうか、王妃教育!?

聞いてないよー!?

やっと更新できました。

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