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悪役令嬢だけど両思いになりたい  作者: 月乃
第3章
221/236

王子達とのお茶会

エルド王子への贈り物は眼鏡につけるチェーンにしたわ。

眼鏡と同様に素材は銀で、華美にならない程度に宝石が付いている物を選んだわ。

細工もエルド王子の眼鏡の細工に似ている物を選んだから、デザインの好みは大丈夫だと思うわ。


「お嬢様、お茶とお食事やお菓子はこちらでよろしいでしょうか?」

「ありがとう。お茶は私が淹れるから準備をお願い。食事とお菓子はこの順番通りに持ってきて」

「かしこまりました」


アルは甘いのもがそこまで得意ではないし、エルド王子もそうかもしれないから甘さ控えめの物を。

軽食もサンドイッチよりお腹に溜まる物を用意したわ。


「ではそろそろお嬢様自身の準備をしませんと!」

「アルベルト王子はもちろん、ミーシアン国の王子も見惚れるほど美しくしませんと!」

「エルド王子からは見惚れられなくて良いのだけど…」


頂いたのネックレスとピアスを着けたわ。

ドレスはアクセサリーが映える様に白色にしたわ。


「はぁ。本当に美しいです」

「このネックレスとピアス、お嬢様によくお似合いです」

「ありがとう」


「お嬢様、準備が整いました」

「ありがとう」


準備した茶会の席でアルとエルド王子が来るのを待つわ。

2人が来るまで少し時間があるわ。

本を読みながら待とうかしら。


「お嬢様、エルド王子がご到着されました」

「あらそう。ではこちらにご案内してちょうだい」


お早いお着きね。

アルが来るまで後30分くらいあるわ。


「セレスティーヌ嬢、本日はお招きありがとうございます。そして約束の時間よりも早い訪問、お許し下さい」

「いいえ。こちらこそ、起こし下さり、ありがとうございます」


初対面でも思ったけど、エルド王子は私に丁寧過ぎるわ。

王子が他国の公爵令嬢に敬語だなんて。


「こちらへお掛け下さい。今お茶をお淹れします」

「セレスティーヌ嬢直々にお茶を淹れて頂けるとは、光栄です」

「エルド王子、私への敬語は不要です」

「いえ、私は所詮は第2王子。次期王太子妃であるセレスティーヌ嬢の方が尊い」

「それはあくまで未来の話です。未来は不確定なものです。私は一介の公爵家の娘に過ぎません。どうか楽にお話ください」

「では、私にも敬称は入らない。貴方とは良き友人になれたら嬉しい」

「是非!よろしくお願いします。エルド様」

「あぁよろしく。言うのが遅くなったが、そのピアスとネックレス良く似合っている」

「ありがとうございます。この様な素敵な物を頂きありがとうございます」

「いや、それはベスタトール国への贈り物。贈った相手がした事に礼は不要だよ」

「ありがとうございます。こちらは私からエルド様へ。受け取って頂けれたら嬉しいです」

「気を遣わせてしまったな。ありがとう、開けても良いだろうか?」

「どうぞ」


エルド様が箱を開けるのをドキドキしながら見守るわ。

気に入ってもらえたら嬉しいのだけど。


「これは…。素敵な贈り物をありがとう。さっそく使わさせてもらおう」


エルド王子は一度眼鏡を外して、贈ったチェーンを付けるわ。

その間、眼鏡を外したエルド様のお顔が見えて、印象が変わるなと感じたわ。


眼鏡が無いと少し幼いというか、ヴィクトルの様なハツラツ系に見えるわ。


「どうだろうか?」

「とてもお似合いです」

「ありがとう。この銀細工、もしかして私の眼鏡の細工に寄せたのかな?」

「はい。細工のデザインが似ていれば相性が良いと思いまして」

「セレスティーヌ嬢の面会したのは僅かな時間だったはずだが、良く覚えられたものだ」

「美しい細工でしたから。エルド様、私への敬称も必要ありませんよ」

「ありがとう。だが、呼び捨てというのは…。愛称で呼びたいのだが、アルベルト殿の許可必要かな?」

「えっいえ大丈夫です。皆セティーと呼んでくれています」


私がアル以外の男性を愛称で呼ぶのは嫌がるけど、私が呼ばれるのは大丈夫なはず。


「ありがとう。セティーと呼べる事が嬉しい」

「はっはい」


エルド王子のとても眩しい笑顔に少し驚いてしまったわ。

クールそうなのに、こんな一面もあるのね。


「私にも愛称があれば良かったのだが…」

「愛称でなくとも、エルド様のお名前は素敵ですよ」

「ありがとう」


エルド様と少し仲良くなれたなって思った頃、アルが到着したわ。


「すまない、遅くなってしまったか?」

「いいえ、時間ぴったりよ」

「すまないアルベルト殿。私が時間よりも早く来てしまったのだ」

「そうであったか」

「さぁアル様も掛けて。今お茶を淹れるわ」

「あぁありがとう」


エルド様と私のお茶も冷めてしまったから、3人分のお茶を淹れよう。

軽食も出すし、食事に合うスッキリとした味の茶葉が良いわね。


「どうぞ。食事に合わせてスッキリとした味わいのお茶です」

「ありがとう。セティーのお茶はいつも美味しいが、今日のお茶は格別に美味しいな」

「この茶葉のおかげよ。ウィザー伯爵領の物なのだけど、茶葉の産地としては有名では無かったのだけど、今年は寒冷の差があまり無くて、良い茶葉が育ったとフラン様に聞いたのよ」

「あそこの茶葉がこんなに美味しいとは、知らなかった」

「今年は例年とは違う領地の茶葉が美味しいみたいよ」


王家に献上しても良いくらい上質な茶葉が栽培できた領もあるのよね。


「セティーは茶葉に詳しいのだね」

「それぞれの領地出身の方が教えてくれるからですよ」

「その人達が、セティーに教えたいと思えるという事は、素晴らしい事だと思うよ」


エルド様に褒められてなんだか照れるわ。


「…。エルド殿、いつの間に私の婚約者と仲が良くなったのだ?」

「あぁ。先程、愛称で呼ぶ許可を頂けたんだ。もっと砕けた話しが出来る仲になりたいが、それはもう少し時間を掛けた方が良いかな?」

「嬉しいです。少しずつ敬語を無くさせて頂きますね」

「あぁそうしてほしい」

「……。」


あれ?なんだかアルの様子が…。

王太子の仮面を被っているよね?

ゔーん。

シャル様と違って友人というわけではないし、王太子として他国の王子と交流しているのね。

でもミーシアン国は友好国の一つだし、今度の為にも友人になれたら良いわよね。せっかく同じ年の王子なのだし。


シャル様は自分からグイグイ行くタイプだったけど、エルド様はそうじゃ無いわよね。

自分は第2王子で王太子であるアルの方が上であると考えているようだし。

私が橋渡しを出来れば良いわ。


それから私達は軽食やお菓子を食べ、この国の話をしたわ。

途中私が支援している孤児院の話になったわ。


「明日視察に行く予定なのです」

「その視察、私も同行しても構わないかな?」

「構いませんが、子供達が失礼をしてしまうかもしれません。その点をご理解して頂けますか?」

「あぁもちろんだとも」

「…明日か…。明日は公務が…」

「アル様。心配しないで、ちゃんと私がエルド様をご案内するわ」

「そう…なのだが…」

「そうだわ。エルド様、孤児院に行く前に、お時間はありますか?」

「あぁ大丈夫だよ」

「よければ王都をご案内します」

「ありがとう、是非お願いする。明日が楽しみだよ」


お茶会はお開きになり、エルド様とアルが宮殿に帰るわ。


「ありがとう。とても楽しい時間だった。お茶も食事もとても美味しかったよ。明日はよろしく」

「こちらこそよろしくお願いします」


「セティー、今日はありがとう。明日私は一緒に居れないが、エルド殿を頼む」

「えぇもちろんよ」


それぞれ馬車に乗り込み帰って行ったわ。

同じ王宮に帰るのだから一緒の馬車に乗れば良いのに、なんて思っていたけど、護衛の方も居るし、合計男性4人では狭いわね。



「ご機嫌ですねエルド様」

「もちろんだとも。この国に、あの方の側に来る事が出来て、とても幸せだよ。だがお前には、我儘に付き合わせて悪いな、とは思っている」

「私はかまいません。いつだったか、勝手にお忍びでに来た事を思えば、大した事ではありません」

「懐かしいな。あれはあれで楽しかった」

「はぁ全く。案内されずとも王都は知っているでしょう」

「数年前のことなのだから、私の知らない事もあるはずだ」


エルドは護衛に無邪気な笑顔を向けた。

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