表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
悪役令嬢だけど両思いになりたい  作者: 月乃
第3章
210/235

写真撮影②

明けまして

おめでとうございます。

撮影の為、ドレスを着てヘアメイクをしていく。

今日の為にメイド3人が頑張ってくれたわ。


「本番の結婚式では、王宮でお支度されますから、今回、私達がお嬢様を飾り立てられる事が嬉しいです」

「全力でお嬢様の美しさを何倍にもしてみせます」

「お嬢様の描いていた髪型は習得済みです!必ずやご満足頂けます!」


このようにメイド3人はとてもやる気に満ち溢れているわ。

この撮影が決まった時から私と同じくらい、あるいはそれ以上に楽しみにしてくれていたの。


結婚後も私に仕えたいと言ってくれていたけど、家のメイドは連れて行かないと言った上に、結婚式の支度も王宮のメイドにしてもらうと事を伝えた際、3人はとても残念そうにしていたわ。


今回の撮影で私の希望する髪型や化粧の練習をしてくれたの。

おかげで私の希望する髪型は全て再現可能となったわ。


初めの髪型はアップスタイル。

宝石を散りばめて綺麗に仕上がったわ。


鏡に写る自身の姿に満足したわ。

真っ白なウェディングドレス。

ビスチェタイプだけど胸元が悪目立ちせず、あしらわれたレースや飾りが可愛い。

スカートの刺繍やレースがさらにこのドレスの可愛くしているわ。

それに可愛さだけではないわ。

全体的に品があり、綺麗さも兼ね備えている。


「「「お嬢様、お綺麗です!!」」」

「ありがとう」

「アルベルト王太子様が隣のお部屋でお待ちです」


扉を開くと座っていたアルが立ち上がってこちらを見たわ。


「セティー…言葉に出来ない程、美しい…」

「ありがとう。アル様に見てもらえて嬉しいわ」


アルにこの姿を褒めてもらえて、私の心は満たされていくわ。


「セティー凄く綺麗だよ。マリア達も待っているよ」


護衛役をしているヴィクトルからも褒めてくれたわ。


アルにエスコートされて、撮影会場になっている礼拝堂へ向かうわ。


礼拝堂は撮影の為にキャンドルが飾られて幻想的になっていたわ。


「「凄く綺麗!!」」

「ふふ2人ともありがとう」


「セティー様、早速撮影させて頂きます」


撮影はとても楽しかったわ。

礼拝堂のを照らすキャンドルの光が良い演出をさせてくれる。

途中髪型や飾りを変えたわ。


そしてベールやスカートをなびかせて撮影。

きっと素敵に写っているはず。


「今の素敵です!」

「ええ!スカートとベールがキャンドルの灯りに照らされて、とても幻想的だわ」

「これは写真の出来上がりが楽しみですね」


薔薇の花びらを床に引き詰め、その上に座ったり横たわったりして撮影したわ。

ドレスのトレーンでハートを描いたりと一般的じゃない写真も撮ったわ。


そしてガウンと羽織り、後付け用のスカートを装着したわ。


「わぁ!ガラリと印象が変わりますね!」

「ブルーグレーのガウン。とっても素敵だわ」

「ふふありがとう。カラードレスみたいでしょう?」

「ウェディングドレスで白以外なんて概念が覆されそうだわ。それにしても、白からブルーグレーに変わってアル様に染められているみたいね」


マリアとエメリアがニヤニヤ顔でこちらを見てきたわ。

わかってたけど、照れるわ。


「どうせ着るならアル様の色が良かったのよ…」

「後でアル様に言ってあげたら喜ぶわよ」

「アル様とツーショットも撮って下さいね」


アルとツーショット…。

撮りたい…。

アルはタキシードじゃなくて制服だけど、それでも一緒に撮りたいわ。


そんな事を思っている間にリュカがアルにコソッと耳打ちをしていた。


「お嬢様。髪型を変えましょう」

「えぇお願い」


髪に花やカスミソウの飾りと一緒に編み込んで後ろに垂らす。

そして所々に宝石を散りばめる。


花と一緒に編み込むのは難しいけど、メイドの3人が頑張って習得してくれたの。


「その髪型可愛い!エリザベート様もその髪型してたけど、花で飾るのも可愛いわ!」

「花の色が入って華やかな印象になりますね」


ふふ。

ラプンツェルみたいな髪型したかったのよ。

出来て嬉しいわ。

この後この髪型で花冠もするからより華やかになるはずだわ。


「セティー様、そちらの窓越しに腰掛けください。窓ガラスの反射を利用して写真撮りましょう」

「えぇそうね。色々な写真が撮れて嬉しいわ」


写真を何枚か撮っていて気づかなかったけど、アルが居ないわ。

護衛役のヴィクトルも居ないし、帰ったのかしら?

最後まで居るとは言われてないし、撮影を初めて1時間も経っているから仕方ないわね。


「セティー様。目を瞑った写真も撮ろうと思います」

「立ち位置はここで良いかしら?」

「そうですね。ではブーケを持って目を瞑って下さい」


リュカの指示通り目を瞑るわ。

周りがバタバタと歩いている音が聞こえるわ。

きっと背景とかの調整をしているのね。


そろそろ写真を撮るかなっと思ったら唇に柔らかい物が触れ、その瞬間にシャッター音が聞こえたわ。


「えっ?」


驚いて目を開けるとタキシードを着たアルが目の前に居たわ。


「えっどうして…。というか今のって…」


「誓いのキス。よく撮れたな」

「素敵だったわよセティー」


頭の回転が間に合わない私にニヤリと笑っているシャル様とマリアが答えを教えてくれたわ。


皆んなの前でキスするなんて…はっ恥ずかしい…。


「セティー大丈夫か?驚かせ過ぎてしまっただろうか?」

「だっ大丈夫よ。それよりその格好…」

「これか?リュカが今回の為に用意してくれたんだ。どうだろうか?」


濃い青色のタキシード。

普段アルが着る正装とは違って煌びやかさはないけど、良い生地を使っているわ。

シンプルだからカジュアルな雰囲気。


「凄く似合ってるわ。カッコいい」

「そうか!セティーにそう言われて嬉しい」


サプライズしてもらって驚いたけど、嬉しい。

タキシードを着たアルと写真が撮れるなんて。


「セティー様がカラードレスならば、アル様がこの衣装でも良いと思いまして。後から何か言われても言い訳が立ちますし」

「たしかにウェディングの写真ではないと言い張れるわね」

「はい。ただアル様がお召しになるには、品格が足りませんので、そこは心配ですが」


リュカが少し心配そうな顔をしているわ。


「そうだろうか。良い生地だ」

「そうよ。柔らかくて良い生地だわ。それに一般向けならこれくらいシンプルな方が良いわ」


普段のは飾りがたくさんだもんね。


「このタキシード、新郎に人気が出そうね。真っ白より、着やすいじゃないかしら」

「そう言って頂けて、有難いです。別の色でも作る予定です」


それから、2人でハートの飾りを持ったり、背中合わせで撮ったり、先程引き詰めた花びらの上に2人で座ったりなど、たくさん撮ったわ。

驚いたのはアルに抱き上げられた事。


アルが抱き上げて、私のベールとドレスをなびかせた写真が撮られたわ。

憧れていたお姫様抱っこでの写真も。


「少しでもセティーの望みを叶えられているだろうか」

「少しどころか、たくさん叶えてもらったわ。ありがとう」


やりたかった事、こんなに叶えてもらえて、凄く嬉しい。


「最後に撮りたい写真があります。お2人はそちらに向かい合わせになって頂いて、額を合わせて下さい」

「こうか?」

「はい!バッチリです」


リュカは聖壇の明かりのみを残して、辺りを暗くしたわ。

どんな写真になっているのかしら。


「はい!撮れました。予定していた撮影は以上ですが、追加で撮りたい写真はありますか?」

「いいえ、凄く満足!リュカ、本当にありがとう!」

「喜んで頂けてこちらも嬉しいです。写真は出来上がり次第お見せします」


こうして私の撮影会は無事に終わったわ。


今年こそはこの作品を完結させたいです。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ