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悪役令嬢だけど両思いになりたい  作者: 月乃
第3章
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パーティー準備

アル様と2人きりで食事をとった後、ソファで2人でゆっくりしているわ。


「セティー。今度のパーティーだが、私はあの三姫とは踊らない」

「そうなのね。じゃあ私は特使の方と踊らなくても良いかしら?」

「そうだな。無理に踊る必要はないな。だから、私とだけ踊ろう」

「もうアル様ったら、そんなわけにはいかないのに…。でもそうね、出来たらアル様も私とだけ踊ってほしいわ」

「セティー、今は2人きりだ」

「そうだったわね、アル」


アル様と甘いひと時を過ごして、幸せを感じている。

ただ、まだアル様の事、心の中でも様付けで呼んでしまっているのよね。

早く慣れないと。

マリアが2人きりでなくても、自然とシャル様の事を敬称無しで呼んでるのだから見習わないと。


そういえば、東の国の姫様達は思ったよりも、ベスタトールに馴染んでいるみたい。


「そういえば第7姫が学園を見学に来るようだ」

「クリスティーヌ様がご案内すると聞いているわ。姫様達にお茶会を開いてもらったけど、それも上手くいったみたいだし、任せて良いと思うわ」

「セティーがそう言うのなら…。許可する方向で話を進めよう」


最近クリスティーヌ様より、レニーさんの方が心配だわ。

数日前から学園に登校していないようだし。

噂がレニーさんを苦しめているのかもしれないわ。


クリスティーヌ様は学園内のお茶会でカミーユ様とレニーさんは恋仲ではないと触れ回っているし。

今度のパーティー出て来れるかしら。


「セティー。何か心配事でも?」

「レニーさんが学園を休んでいるみたいらなの。音楽祭から良くない噂もあったから、心配だわ」

「あの子爵令嬢か。そのうち噂も落ち着き、出て来れるだろう」


アル様は私の頭を撫でて、心配ないと言ってくれたわ。

そのままアル様の胸に顔寄せ、アル様に甘えたわ。


だから、その時のアル様表情は見ていなかったわ。


-----------------------------


「今度のパーティー。どんなドレスを着るの?」 


寮でマリアとエメリアと話をしているわ。


「私はヴィからもらったドレスを着ようと思うの」

「嫁ぐ時にとっておかなくていいの?」

「嫁ぐ時も着るわよ。でもあのドレスを着た姿を見てもらえるのが、一部の人だけじゃあもったいないと思うの。せっかくヴィがくれた大事なドレスなんだし」

「素敵ですね!楽しみにしてます!」

「それもそうね。私もあのドレスを着て会場中から賞賛されるマリアが見たいわ」


ヴィがマリアに贈ったドレス、やっと見れるのね。

私も楽しみだわ。


「エメリアは?どんなドレスを着るの?」

「リュカの所のデザイナーが作ってくれたんです!リュカには当日までのお楽しみだって言われて、ドキドキしながら待っているんです!」

「リュカがエメリアに贈ってくれるの?」

「そうなんです!私嬉しくって!」


エメリアがとびきりの笑顔で嬉しそうに答えるわ。

あぁ本当に可愛い。


「リュカなら絶対にエメリアにピッタリなドレスを作ってくれるわね!」

「そうね!絶対にエメリアの魅力が全て引き出されるドレスだわ!」


エメリアのドレスに、私もマリアも心を踊らせるわ。


「セティーさんはどんなドレスなんですか?」

「私のドレスは今回は赤いドレスなの」

「セティーが濃い色のドレスなの珍しいわね」

「瞳の色に合わせた紫色なら、着たことがあるわよ」

「あのドレスはどちらかと言うとラベンダー色だったと思います」


今回のドレスは挑戦なのよ。


「今回は挑戦なのよ。王太子妃になったら、着るドレスは濃い色が多いから」

「式典とかは決まった色のドレスを着るものね」

「そうなのよ。年間行事で既に決まってるから、今から慣れておかないと」


いかにも悪役って感じにならないと良いのだけど。


「セティーさんならどんな色のドレスでも素敵に決まってます!」

「そうよ!セティーなら着こなすに決まっているわ!」

「2人とも、ありがとう!」


----------------------------

クリスティーヌside


一方その頃クリスティーヌがリュカに会っていた。


「クリスティーヌ様用のドレスをリーファン姫が着るのですか?」

「えぇ。パーティー当日、私は具合が悪くなる予定ですの」


デザイナーが夜会用のドレスもデザインする様になり、宣伝の為に格安でクリスティーヌに作成する事になっていた。


「こちらとしては問題ありませんが、一度リーファン姫をお連れいただくか、姫の元を訪問させて頂いて、サイズの調整をさせて頂きたいです」

「それには及びませんわ。こちらが姫のドレスに必要な寸法ですわ」

「採寸済みなのですね」

「リーファン妃が学園を見学しに来ますの。どうせなら数日通える様にして、制服を着てもらったらと思いましたの。それで採寸しましたのよ」


リュカは渡されたメモをデザイナーに渡す。

デザイナーはメモに書かれたサイズを確認し、リュカに頷く。


「これなら大丈夫です。リーファン妃の制服ですが、ブラウス等はこちらがご用意致しましようか?」

「そちらもよろしく頼みますわ。あら?そちらのドレス…素敵ですわ」


クリスティーヌの目に1着のドレスが目に留まる。


「このドレスですか?」

「えぇ、素敵ですわ!是非売ってほしいですわ!」

「残念ながら、これは誰にも売るつもりは無いのです」

「まぁ。そこをなんとかなりませんの?」

「世界に1人だけの為に使ったドレスですから」

「世界に1人だけ…。そうですの、残念ですわ」


とても愛しそうにドレスを見つめるリュカにクリスティーヌは諦めた。


クリスティーヌは学園に戻る前に屋敷へ戻る。


「リーファン姫が来ております」

「向かいますわ」


アルベール侯爵家の図書室にリーファン姫が居る。


「お待たせしましたわ!」

「いえ。私が無理言って来させて頂いているので。クリスティーヌ様、学園での勉学があるのに、週末私に時間を割いて頂いてありがとうございます」

「我が家の蔵書を披露すると言ったのは私ですわ!」

「ありがとうございます。私で何かお礼が出来る事があれば良いのですが」

「それでしたら私の我儘を一つ叶えてくださいませ!」

「我儘…ですか?」


リーファン姫はどんな願い事が出されるのかと不安そうな顔をする。


「今度のパーティー、我が家で私と一緒に支度をしてほしいのですわ」

「えっ支度ですか?あの、それはかえってご迷惑になるのでは?」

「私には姉妹が居ませんわ。誰かと一緒に楽しく支度をする経験がありませんの。私の我儘を叶えると思って来てもらえたら嬉しいですわ」

「そういう事でしたら。むしろ私の方がよろしくお願い致します」


パーティー当日。


「クリスティーヌ様がお風邪を!?」


リーファン姫は1人のお付きのメイドと共にアルベール侯爵家に来たが、クリスティーヌが風邪を引いたと聞かされた。


「クリスティーヌ様!大丈夫ですか!?」

「リーファン姫、申し訳ありませんわ。ゴホゴホ。私は体調が優れないので、本日のパーティーは欠席しますわ」

「残念ですが、仕方ありませんね。ご自愛下さい」


クリスティーヌはリーファン姫の手を握る。


「リーファン姫、申し訳ないのですが、お願いがありますの」

「なんでしょうか」

「ゴホ。私の代わりにあのドレスを着て、お義兄様とパーティーに参加してほしいのですわ」

「えっ!?あれはクリスティーヌ様のドレスですよ!?それに、私がカミーユ様となんて」


クリスティーヌは泣き真似をする。


「実はあのドレスは、知り合いのデザイナーの宣伝を兼ねておりますの。今回のパーティーで自身のドレスが売れる事を願ってますのに…申し訳なくて…」

「でっですがサイズが…。それに私にあんな豪華なドレスなんて…」

「多少の調整が付きますわ。それに異国の姫が着てくれたなんて、デザイナーも喜びますわ」

「クリスティーヌ様がそこまで仰るなら…。着こなす自信はありませんが…」

「ありがとうございますわ」


「あっあとカミーユ様と行くというのは、一体何故ですか?」

「お義兄様は私のエスコートをすると、他の姫君や令嬢達からのお誘いをお断りしましたの。それなのに1人でパーティーに行くなんて、お義兄様に恥を掻かせてしまいますわ」

「クリスティーヌ様がお風邪なのですから、仕方ない事だと思いますが」

「それだけではないのですわ。お義兄様の恋人だと勝手に名乗り、風潮している方が居ますの。エスコートの相手が居ないと、憶測でデタラメな噂が立ってしまいますわ…。お義兄様と私を助けると思って、お願いしますわ。ゴホッゴホ」


言い終わるとクリスティーヌは盛大に咳き込んだ。


「クリスティーヌ様!わっわかりましたから、無理しないで寝てくださいませ!」

「リーファン姫、ありがとうございますわ」


私、演技の才能がありますわ。


「支度は我が家のメイドが行いますわ。リーファン姫、私の分もパーティーを楽しんで来て下さいませ」

「クリスティーヌ様…」


メイド達によって支度が完成したリーファン姫は鏡に映る自身の姿に驚いた。

薄青のドレスに、薄黄色の飾りを付け、髪を綺麗に結い上げ、化粧を施され、まるで別人だと自身で思う。

自国でも自分付きのメイドは1人のみで、豪華なドレスも無く、こんなに着飾る事は生まれて初めてであった。


「パーティーに行く前にクリスティーヌ様にお見せしたいです」


リーファン姫は支度していた部屋からクリスティーヌの部屋を訪れる。


「クリスティーヌ様、こんな豪華なドレスを私に着せてくださってありがとうございます」

「とてもお似合いですわ。私よりお似合いですわね」

「そんな事はありません」


リーファン姫が謙遜しているとカミーユが訪ねて来た。


「クリス!風邪だって?大丈夫かい?」

「お義兄様、ゴホ。申し訳ありませんわ。つきましては、私の代わりにリーファン姫のエスコートをお願いしますわ」

「えっリーファン姫の?」


そこで近くに居たリーファン姫の姿を見て、カミーユは息を飲む。


「お義兄様、私今日のパーティーで、お義兄様が例の方をエスコートする事はないと、学園の令嬢達に言っておりますの。ここで誰ともパーティーに行かなければ、また変な噂が立ちますわ。それに、リーファン姫もお一人では変な輩が近づ居てしましいますわ」

「そっそうだね。リーファン姫、突然ですが、私に貴方様をエスコートする栄誉を与え下さい」

「えっあっそんな。私の方こそよろしくお願いします」


こうしてカミーユとリーファン姫はパーティーへと向かった。


「やりましたわ!作戦成功ですわ!私ったらなんて天才なのかしら!」

私事ですが、間も無く出産が近いので、更新がさらに不定期になる恐れがあります。

申し訳ありません。

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