表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
悪役令嬢だけど両思いになりたい  作者: 月乃
第3章
194/235

東の国の姫②

クリスティーヌside


エリザベート様から東の国の姫様達の為に、お茶会を開くようにとお願いの手紙が来ましたわ。


アルベール家が、姫様達をもてなす役をするのは聞いてましたけど、お義兄様は顔合わせの場に行かれなかった様ですわ。


レニーとは距離を置いている状態との事ですから、きっとレニーに気を遣ったのですわ。


お義父様は3人の姫達の何方と、お義兄様との婚姻を結びたいはずですわ。


エリザベート様からのお願い通り、ここで私が姫様達と仲を深め、お義兄様と結びつける事が出来れば、評価されるでしょう。


ですが…。

お茶会を開く予算がありませんわ…。

はぁ…ここは仕方ありませんわ。

お義父様へ相談に行きましょう。


幸いエリザベート様からのお手紙がありますし、話を聞いてもらえるはずですわ。



「ミッドランド公爵家のエリザベート嬢より、お前が姫君達に茶会を開いてはどうかとの手紙が来た」

「私の所へも同様の内容の手紙が来ましたわ」


エリザベート様はお義父様にも手紙を出してくれていましたわ。


良かったですわ!

お茶会の費用を出してもらえますわ!


「エリザベート嬢曰く、姫君達もお前と親交を深める事を希望している様だ。だが、姫君達をもてなす茶会だ、貧相では困る。侯爵家の品格に合せなければならない。何よりお前に務まるのか疑問な所だ」

「でっ出来ますわ。きちんと執事に相談してメニューや飾りを決めますわ。社交も最近は上手く出来る様になりましたわ。私にチャンス下さいませ!」

「チャンスだと?」

「お義父様はお義兄様と姫様達の誰かと婚姻を結ばせたいのですわよね?」

「あぁそうだ」

「お義兄様はレニーへの義理立てをし、姫君達に会おうとしてませんわ。そこで私がお義兄様と姫様達を結びつけてみせますわ!私が上手くお義兄様と姫様を結びつけられたなら、あの男との婚姻を考え直して下さいませ」


私はお義父様に深く頭を下げましたわ。


「たとえあの男の元へ嫁がなくとも、お前の領地幽閉が覆る事はないぞ」

「わかっておりますわ!それでも、自分の未来が少しでも明るくなるなら足掻きたいのです。どうかご再考頂けたら有難いですわ」

「はぁわかった。もし上手くいったなら考え直してみよう」

「ありがとうございますわ」


私は自室へ戻りリーゼさんから頂いたマナー本を見直しましたわ。


えぇと。

•季節を取り入れたデザートや花、装飾品。

•相手の国の文化を取り入れる。

•自国の文化を相手の無理の無い範囲で用意する。


私は今まで自分に合い、ゴージャスに見える薔薇をメインにしてきましたわ。

食事やデザートは私の好きな物だけでしたわ。


相手の国の文化。

東の国のお菓子やお茶を用意すればよろしいのでしょうか。

でも私は東の国について詳しくありませんわ。

下手に知らない物を用意するのは良くありまりませんわ。

ここは季節のフルーツを使ったデザートと我が国特有のお茶を用意しましょう。


そしてお茶会で話して、我が家の庭園を案内すればよろしいですわよね。


私はそれからシェフや執事に白い目を向けられながらも準備を進めましたわ。

テーブルクロスの色や飾る装飾品、食器も決めましたし、デザートや食事の内容も決めましたわ。


「ようこそ。初めまして、私がクリスティーヌ•アルベールですわ」

「この度はご招待ありがとうございます」


お茶会は滞りなく進みましたわ。

まぁ相手側も私と仲良くなるつもりがお有りですから、会話に困る事はありませんでしたわ。


主にお義兄様についての質問ばかりですし。

特に第6.第8の姫は積極的にお義兄様について聞いてきますわ。

逆に第7の姫は、学園についてや、学んでいる学問について聞いてきましたわ。


「我が家の自慢の庭を案内致しますわ」

「楽しみですわ」


「こちらはお義兄様もお気に入りの庭なんですの」

「まぁ!そうなんですの」

「素敵なお庭ですね。彩りも鮮やかで素敵です」


庭を案内しながら、姉妹姫とばかり話していて、第7の姫の存在を失念しておりましたわ。


ふと後ろを振り向くと居るはずの大丈夫7の姫が居りませんでした。


「途中で道に迷ったのかもしれませんわ!探して来ますので、こちらでお待ち下さい!」

「お手数をお掛けしますわ。まったくあの子ったら」


私は来た道を戻りましたが、姫の姿はありませんでしたわ。


困りましたわ!

姫に何かあれば私の責任ですもの!


違う庭へ行ったのかもしれませんわ。

近くにレティシア様が私的に栽培している庭がありますの。

もしかしたら、そこかもしれませんわ!


レティシア様の庭へ続く道を走っり、アーチを抜けた先に、青みのあるプラチナブロンドの髪が見えましたわ!

居ました!良かったですわ!


ホッとした所で、姫の前にお義兄様が居ることに気付きましたわ。


姫は後ろ姿なので表情は見えませんが、お義兄様は顔を少し赤らめて笑っていますわ。


え?

なっなんだか良い雰囲気ではありませんの!?

第7の姫はお義兄様狙いでは無いと思っていましたのに!?

でも、大人しく控えめな第7の姫の方が、他の2人の姫よりもお義兄様にお似合いかもしれませんわ!


「ここに居ましたのね。心配致しましたわ」

「あっ。ごっごめんなさい、お庭の植物に夢中になって、逸れてしまった上に、こちらに迷い込んでしまって」

「いえ、何もなくて安心しましたわ。お2人の姫も心配しておりましたわ。戻りましょう。あっお義兄様、お時間がお有りでしたらご、挨拶だけでも姫達にして頂けたら嬉しいのですが」

「えっああ、そうだね。挨拶だけでもさせて頂くよ」


戻りながら第7の姫に話かけましたわ。


「そういえば、学園で学んでいる学問にご興味お有りのでしたわよね?よろしければ、私の使っていない教本をお貸し致しますわ」


教本の貸し借りをすれば、この先も繋がりが出来ますわ!


「よろしいのですか!ありがとうございます!自国では学ぶ機会に恵まれなくて…とっても嬉しいです」


他国と争っていましたから、学園に通うなどの余裕もなかったのでしょう。


「どんな学問にご興味があるんですか?」

「えっと…植物学に考古学…最近では機械工学にも興味が…」


姫はお義兄様の質問に遠慮がち答えていますわ。

随分と多岐にわたって学びたい学問がお有りの様ですわ。


「それならクリスの教本だけでは足りないと思います。良ければ僕の教本もお貸ししますよ」

「ありがとうございます!お2人ともお優しいのりですね!」


無事に合流し、お義兄様はお2人にもご挨拶をしましたわ。

2人の姫は目を輝かせてましたわ。

そして案の定、質問攻めにあっていましたわ。


好きな物や色なんかは私から聞いてましたが、下の姫なんてストレートに好きな女性のタイプを聞いてましたわ。


「またお誘い頂けたら嬉しいですわ」

「これからも仲良くさせて下さい」


とにかく、本日のお茶会を姫達が喜んでくれて良かったですわ。


---------------------------------

カミーユside


はぁ。

レニーの事、早く解決しないと。


レニーが買収していたメイドは、元々サンドラ様が実家から連れてきて、クリスに虐げられていた者達だった。

忠誠心は微塵もなく、レニーにクリスがアルベール家の血を引いていないことはもちろん、セレスティーヌ様の誘拐を企てたという情報も流していた。


レニーは全部知っていたんだ。

母さんのお披露目の会でのレニーの発言。

わざとクリスを貶める為なのかもしれない。


レニーを調査すると、例の誘拐事件の直後にレニーの元を辞めたメイドがいる事がわかり、その人の元を訪ねた。


その人が言葉にした話は信じられないものだった。


セレスティーヌ様が誘拐される前日、つまりクリスが暴漢を雇った日の夜、レニーはこっそりと夜に町へ出掛けた。

わざわざクリスと同じ髪型にし、黒い外套に手袋をして。


元メイドの話では、レニーは貴族の娘ではなく、別人として自由に外に出てみたかったと言ったそうだ。


クリスの言っていたレニーの声真似。

クリスと同じ髪型にし、わざわざ夜に出歩いた。


捕まった犯人の証言であった再び現れ、遠回しに処理する様伝えた人物は、レニーなのかもしれない。

もし本当にそうなら…。


「レニーとは一緒に居られそうにない…」


この件に関しては状況証拠だけで、僕の憶測だ。

レニーに問いただすしかないのか…。

問いただした所で、公に出来ない事件だ。

これ以上蒸し返す事も、罰を与えられる事もないけど。


はぁ。

気分転換に母さんの庭に水をあげに行こう。


今日はクリスが東の国の姫とお茶会をしているけど、母さんの庭だったら会う事はないだろう。


父様は姫と僕を結びつけたいみたいだけど、レニーとの事が解決してない状況では考えられないよ。


母さんの庭へ出ると青みのある綺麗なプラチナブロンドの髪をなびかせ、庭を笑顔で眺める女性が居た。

そして女性はこちらに気付き、綺麗な薄黄色の瞳と目があった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ