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悪役令嬢だけど両思いになりたい  作者: 月乃
第3章
193/236

東の国の姫①

東の国の特使と共に3人の姫が到着したわ。

アル様と共に応接間で出迎えたわ。


「3人の姫君、特使殿よくぞ来られた。こちらは婚約者のセレスティーヌ•マルヴィン公爵令嬢」

「ご紹介に賜りました。セレスティーヌと申します。長旅でお疲れでしょう。後日私共のお茶会へご招待させて頂けたら嬉しいです」


アル様に紹介されて、3人の姫様に礼をし、後日お茶会を開く事を伝えたわ。


「まぁありがとうございます。是非とも参加させて頂きます」

「嬉しいお誘い。ありがとうございます」


第6、第8の姫が前に出て返事をしてくれたわ。

第7の姫様は遠慮がちに私に会釈をしてくれた。


第6、第8の姫は確かは母親が同じだったわね。

間に挟まれてる第7のお姫様は大人しい印象だわ。


2日後私は王宮のお庭でお茶会を開いた。

本当なら王妃様のお仕事なんだけど。

『良い機会だわぁ。他国の王族へのお茶会を主催してねぇ。地位的にそんなに高い人達じゃ無いから気を張らなくても大丈夫よぉー』

と王妃様からお茶会を託されてしまったの。


まだ嫁いでもいないのに、慣れない王宮でなんて、ハードルが高いと思ったけど、練習だと思えばね。

それに、リーゼ義姉様とマリアも参加してくれるから心強いわ。


マリアは王妃教育の一環で他国の王族とのやり取りを学ぶ為に。

リーゼ義姉様は実家やお兄様の仕事関係の為に参加してくれるの。


「セレスティーヌ様、テーブルの飾りはこちらでよろしいでしょうか」

「えぇありがとう。完璧だわ」


避暑地への旅行の時に付いてくれたメイド達が準備を手伝ってくれて良かったわ。

知らない人にアレコレ指示を出さないといけないって思ってたけど、王妃様が配慮して下さったのね。


料理やスイーツ、花や飾りが揃った所でリーゼ義姉様とマリアが来たわ。


「セティーさん、本日はよろしくお願いしますわ」

「セティー今日はよろしくね」


「2人が居てくれて心強いわ」

「婚約者の立場で王宮でお茶会を主催のなんて大変ね」

「本当ですわね。とは言っても政治的に重要な相手ではありませんわ。気軽に楽しみましょう」

「えぇ。そうですね」


そうしているうちに姫様達がいらしたわ。


「ようこそ。どうぞお掛け下さい」

「「「お招きありがとうございます」」」


「ご紹介させて頂きます。こちらは私の兄の婚約者、エリザベート•ミッドランド公爵令嬢です」


「えっ」


第6の姫様が声を上げたわ。


「失礼しました。ジェラルド様には婚約者は居られないと聞いていたもので」

「兄が長年の恋をようやく実らせ、2人の婚約が整ったのです。春には結婚式を控えています」

「そっそうでしたの。」


お兄様に婚約者出来た事、知らなかったのね。

第6の姫はお兄様狙いだったのね。

確かお兄様は2年前に東の国へお仕事で行かれてるから、その時に見初めたのかしら。

まぁお兄様が魅力的なのは仕方ないけど。


リーゼ義姉様も気づいているだろうけど、余裕そうに微笑んでるわ。


「そしてこちらは私の友人のマリア•エルランジェ侯爵令嬢です。ナハラセス国のシャルエラント王子の婚約者に在らせられます」

「シャルエラント王子の噂は私達の国にも届いておりますわ」


マリアとリーゼ義姉様はお辞儀をして挨拶が終わったわ。


第6の姫から

「せっかく恋人になられましたのに、婚約期間が短いのは寂しくありませんか?」との質問に対してリーゼ義姉様が、「私達の年齢を考えれば致し方ありませんわ。それに私は、ジルと一緒に暮らせる様になる事が嬉しいのですわ」

と返答して一瞬場が凍った気がしたわ。


第6の姫はリーゼ義姉様と同じ歳。

年齢の話は気に触るわよね。


「あのマリア様、ヴィクトル様は今度のパーティーでエスコートする女性は居るのでしょうか?もし、居られないようなら私のエスコートをお願いしたいのですが」

第8の姫様がやや食い気味にマリアに問いかけたわ。


確か第8の姫は今年で15歳。

年齢的にヴィクトル狙いなのね。


「残念ながら、兄がエスコートする女性は既に決まっておられます」

「そう…なのですか。婚約者は居られないと聞いていましたので、お近づきになれたらと思ったのですが…どうにかなりませんか?」


第8の姫様は目を潤せ、マリアにお願いするけど、それを第6の姫が嗜めたわ。


「マリア様にご迷惑をお掛けしてはいけないわ。潔く諦めなさい」


第6.第8の姫様は母親が同じで金髪、碧眼と同じ色彩をもっているわ。

違うのは顔立ちの系等ね。

第6の姫様は綺麗系で、第8の姫様は可愛い系。

2人とも自身の魅力を引き立たせる装いをしているわ。


そして先程唐聞き役に徹している第7の姫様。

青みがかったプラチナブロンドに薄黄色の瞳の愛らしい顔立ちの姫様だわ。

着ているドレスや飾りは最小限って感じね。

母親が既に亡くなっていると聞いていたし、立場も3人の姫の中で1番低いけど、最低限整えてもらえているのね。

明らかに冷遇されているわけでは無いみたいで、安心したわ。


「どなたか気になる方は居ましたか?」

「えっあっ。わっ私は…」


第7の姫様は誰か気になる方は居るのかと聞いたら顔を赤くして俯いてしまったわ。

唐突に聞いてしまったわね。


「申し訳ありません。この子はそう言う事に疎いのです」

「いえ、私が唐突に聞いてしまったものですから」


第6の姫様がフォローしてくれてわ。


「この中でアルベール侯爵家のカミーユ様と親交がある方は居りますか?生憎、侯爵様とはご挨拶したのですが、カミーユ様はご不在で。是非私をカミーユ様へと繋げてほしいのです」

「失礼ですわよ!」


第8の姫様がカミーユ様を紹介してほしいと言った事に対して姉である第6の姫様が嗜める。


「お姉様、私達はなりふり構っていられませんのよ?セレスティーヌ様達もご存じだと思いますが、我が国は数年前まで他国と争っていました。多くの有力な貴族子息は戦いで命を落とし、降嫁出来る家には既に姉達が嫁いで居ます。残された私達は他国へ嫁ぐ意外、道は無いのです」


王族が降嫁する爵位には伯爵位以上が必要。

ある程度の家柄でないと政治的にも面倒になるもの。


第8の姫様の話では、母親である皇妃が今回でお相手を見つけられたら、支度金を用意してくれるみたい。

まぁヴィクトルにカミーユ様と高位貴族子息に婚約者が居ない状況なんて、姫様達からしたら滅多にないチャンスよね。

それで張り切っているのね。


「上の姉様達の様に他国へ平和条約の為に嫁ぐ事も、国内を安定させる為に降嫁する事も出来ないんですもの。こちらへ滞在出来る時間はそう多くはありませんので、チャンスがあるなら頑張りませんと!」


戦争終結の為に第3の姫が敵国に嫁いだのよね。

他の姫様も国内で内戦が起きぬ様に主要な家に嫁いでいるわ。

でここに残された姫様が居ると。

王城に残る事も出来るでしょうけど、王太子だった王子に王位が譲渡され、その新たな王には既に世継ぎも居るわ。

新しい時代へと移っている今、前王の姫である自分達は何処かへ嫁いだ方が王族の為になるわね。


「そう言う事ですの。何方かアルベール家と親交がありませんか?」


それならクリスティーヌ様にお願いすれば、と頭に浮かんだけど、私もマリアもクリスティーヌ様と親しくないし。

その上私がアルベール家と関わるのは家族やアル様がどう思うか。


「それでしたらカミーユ様の義妹であるクリスティーヌ様と親交をお持ちになられた方がよろしいかと。クリスティーヌ様には私がお手紙をお書きしますわ」


リーゼ義姉様がお茶を飲みながら静かに言った。


「本当ですか。是非お願い致します」

「エリザベート様、本当によろしいのですのか?」

「えぇ。彼女とは以前になりますが、何度かお茶会に招待した仲ですから。アルベール家の令嬢としてお茶会を開く様、お願いしてみますわ」


「そっそれなら私も参加させて頂きたいですわ」

「あらお姉様。ご遠慮して下さると思っていましたわ」

「カミーユ様には私の方が年齢的に合っていますわ」

「あら妻は若ければ若いだけ良いと思いますけど?」


第6.第8の姉妹姫様達の間でバチっと火花が散っているわ。


「3人ともお茶会に招待する様書いておきますわ」


リーゼ義姉様の冷静な言葉をに、2人は顔を赤くしたわ。


「あっ。お見苦しい所をお見せして申し訳ありません。お願いしますわ」


2人のいがみ合いが終わり、お茶会は再開したわ。

今ベスタトールで流行ってるドレスやアクセサリーの話にはなったわ。

私とリーゼ義姉様が着けている指輪についても話題になったわ。


「これはアル様から頂いた指輪でして、互いの瞳の色の宝石を使ったペアリングです。愛の証にと贈られました」

「私のは婚約指輪として贈られましたわ。愛と婚約の証ですわ。2人で身につけられる結婚指輪も作る予定ですの。マリア様もシャルエラント王子とお揃いの指輪を作るとか」

「えぇ。2人の様にお揃いの指輪を作る予定です。私の場合はシャル様からはこのお揃いのイヤリングを贈っていた頂きました」


私達はそれぞれ相手から贈られたお揃いの指輪やイヤリングを姫様達に見せたわ。

姫様は目を輝かせているわ。


「素敵ですわぁ!」

「男性もお揃いの物を身に付けるなんて、愛し合う証が目に見えて型になるなんて」

「私達もそんな愛し愛される方を見つけたいですわ」


お茶会が終わり、リーゼ義姉様と一緒に我が家へと帰る。


「リーゼ義姉様、クリスティーヌ様への仲介、本当に良いのですか?」

「直接クリスティーヌ様と関わっていくわけでは無いですし、ただ提案の手紙を出すだけですから大丈夫ですわ。それに、きっとクリスティーヌ様にとっても良い結果を生むと思いますの」

「良い結果ですか?」

「えぇ。どうやらクリスティーヌ様にはまともな婚姻は用意されていない様ですわ。カミーユ様と姫様との婚姻を結ぶ立役者になれば、侯爵に婚姻条件を考え直してもらえるかもしれませんわ」

「なるほど。それならクリスティーヌ様も頑張ってくれるかもしれませんね」


更生出来たかどうかの結果が、駄目だった場合に備えて、クリスティーヌ様の為になるなら今回は静観する事にするわ。


もし、クリスティーヌ様が姫様達に失礼を働く様なら止めないとだけど。

最近のクリスティーヌ様なら大丈夫な気がするわ。


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