表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
悪役令嬢だけど両思いになりたい  作者: 月乃
第3章
190/236

音楽祭 その後

「「「音楽祭、お疲れさまー」」」

「無事に終わったわね!」

「盛り上がって良かったですね!」


今日は音楽祭の打ち上げよ!

本当に無事に終わって良かったわ!

レニーさんとクリスティーヌ様の連奏も心配してたけど、問題なく終わって良かった。


あれからクリスティーヌ様は演奏会に出た人達と交流しているし、少しだけど、学園内の立場も良くなったみたい。


「リュカ、ありがとう。レニーさんとクリスティーヌ様の事、私の杞憂だったみたい」

「いえ。何も無くて良かったですね(セティー様の胸騒ぎは当たっていましたよ)」


「それにしても、模範生としての仕事もあと僅かだな」

「あぁそうだな。後数ヶ月もすれば来年の模範生への引き継ぎだな」


アル様とシャル様の言う通り、模範生としての仕事やイベントは残り少しだわ。

なんだかこの一年も色々あったわね。


「それが終わればいよいよ最終学年ですね」

「そうだな。俺は早期卒業の為に勉学に励まなければな」

「僕も卒業後の進路の為に色々と準備しなければ」


最終学年かぁ。

こうして皆んなで笑ってられるのも後少し。


「マリアさん、王妃教育どうですか?」

「もー大変よー。セティーはよく何年も続けられたわね」

「まぁそれは必要な事だから。それに、アル様の方が大変だもの」


ナハラセスは元々王妃が行う仕事は無いって聞いているけど、シャル様とマリアはその制度や文化を変えていくの。

既存の大臣や貴族から反発はあるだろうから、知識はあればあるだけ良いし、ベスタトール国としてもマリアには良い王妃になってもらって、より友好関係を強くしたいものね。

私がやっていた王妃教育の内容でナハラセス国版を勉強するマリアは大変だわ。

嫁いだ後は国に関する重要事項も学ぶだろうし。


数ヶ月後にはお兄様とリーゼ義姉様の結婚式がある。

すっごく楽しみだわぁ。

皆んなが忙しくなる前に思い出作りが出来たらなぁ。


「今のうちに両親やヴィと思い出作りに、旅行に行くつもりなの。セティーも家族と思い出作りするの?」

「家族との思い出もほしいけど、私は皆んなとの思い出もほしいわ」


アル様と結婚したら家族とは中々会えないのは当然。

マリアやシャル様はナハラセスへ。

ヴィクトルは騎士団に入団。

エメリアは官僚へ。

リュカも自分で商売や開発等の事業をしていく。


みんなそれぞれの道へ向かっていく。

当分皆んなに会う事は出来なくなるわ。


「ねぇリュカが改良したカメラ、いつ発売なのかしら?」

「今販売に向けて最終調整を行なっている所です。それが終われば販売出来そうです。それもこれもジル様が出資して下ったおかげです」

「お兄様が?初耳だわ」

「そうでしたか。エリザベート様のウェディングドレス姿を撮影したいとのご希望でして。高性能に改良出来るならと出資して頂けました」


そうだったのね。

ウェディングフォトね!

素敵!


「エリザベート様のお写真!絶対綺麗だわ!」

「販売に当たってエリザベート様のにはモデルをお願いしているです。ドレスのトーンやベールがとても長い、撮影用のドレスで撮影する予定です」

「お兄様とリーゼ義姉様の結婚は、今社交界で1番の話題だから、宣伝になるわね」

「えぇ。ジル様より先にエリザベート様のウェディング姿を見るわけにはいきませんので、撮影は本物の結婚式の後になりますが、良い写真が撮れると思います」


絶対綺麗よ。


写真館のように、外観に飾られれるリーゼ義姉様の写真を想像してうっとりする。


「なぁマリア。そのカメラが販売されたら、我々の結婚式でも使いたいな」

「えぇ!もちろん!嬉しいわ!」

「専属の撮影係が居れば、良い写真が撮れるだろう。カメラに慣れた者が良いが。リュカ、手配をお願い出来るか?」

「もちろんです。是非ウチのカメラマンをお使い下さい」


シャル様とマリアは嬉しそうに結婚式の写真について話しているわ。


マリアの結婚式が写真に残るなんて素敵だわ。

私も一枚くらいは写真を撮りたいけど、仕方ないわね。


「そうだ。今一枚撮ってみますか?」


リュカがカバンからカメラを取り出して皆んなに問う。


「あら良いの?是非お願いするわ」

「では皆んな集まり下さい」


アル様やシャル様を中心に集まり並び、リュカがカメラを構える。


「あっそれだとリュカが写真に映れないわ。誰かカメラのシャッターを押す人を呼んで来るわ」

「いえ、僕は構いませんので」

「でも、せっかくの集合写真だし。あっフィルムがあるなら後で交代しましょう!」

「わかりました」


リュカが構えたカメラがパシャッという音がした後ゆっくりとカメラの下側から写真が出てきた。


リュカが持っていたのはポラロイドカメラだったのね。


「「凄い!」」

「凄いや!こんなすぐに写真になるなんて!」

「このカメラにはその場で写真に出来る特徴があるのです。その代わり、写真のサイズは小さく、写真もこの一枚のみで増やせないのですが」

「それでも凄いわ!それに写真の映像が鮮明だわ!」

「こんな凄いのが出来るなんて!流石リュカ!」


マリア、ヴィクトル、エメリアが写真とカメラを見ながらはしゃいでいる。


本当に凄いわ。

この世界にカメラが出来るなんて革命だわ。


「じゃあ次は私がシャッターを押すわ」

「セティーさん。私が押しますよ」

「エメリアいいのよ。私が写真を撮ってみたいのよ」


私はリュカと交代して写真を撮った。

ブレてはいないと思うんだけど。


「この写真は私とリアが持っていても良いですか?」

「あぁもちろんだ」

「カメラの持ち主であるリュカに決定権があるな」

「俺達も写真が欲しいから、今度普通のカメラで記念写真を撮ろうよ」

「えぇ。今度持ってきますね」


お開きになり、学園の廊下をマリアとエメリアと歩く。


「ふふふ。皆さんとの写真嬉しいです!」

「私、リュカのカメラが発売されたら絶対買うわ!それで皆んなの写真をたくさん撮るの」

「私も。たくさん写真を撮ってナハラセスに持っていくわ!」


写真は思い出に残せるものね。


「そっその写真…」


声のする方を向くと顔色の悪いレニーさんが居た。

レニーさんの視線の先はエメリアが持っている写真。


「レニーさん、この写真がどうかしたの?」

「いっいえ、なんでも無いです。しっ失礼しました」


レニーさんは写真について問うとハッとした表情を浮かべて

慌てるようにその場を離れていったわ。


「どうしたのかしら?」

「色々と気掛かりな事があるんじゃ無いかしら?音楽祭でカミーユ様とご一緒する約束をしていたけど、演奏前も演奏後もご一緒出来なかったそうよ」

「リュカがアルベール侯爵様それとカミーユ様にお仕事のお話をした後、そのまま帰ってしまわれたようです」

「おかげでレニーさんはずっと1人で待っていたみたいよ。婚約も認めてもらえてないし、カミーユ様に袖にされたと噂が立てられて、心穏やかに過ごせていないのかもね」


マリアとエメリアの話を聞いて納得したけど、違和感を覚えたわ。


婚約の件は家の問題もあるからなんとも言えないけど、カミーユ様は何も言わずに約束を破るような方じゃないわ。

何か事情があったのかしら?


「逆にクリスティーヌは演奏も無事に終わったし、噂も風化して落ち着いたからか、最近イキイキしてるわね」

「そうなのね。それは、良かったわ」


それから数日。

リュカが新しいカメラの宣伝のため、ポラロイドカメラで生徒達を撮影してあげている。

その為写真を持って嬉しそうにしている生徒がチラホラ見える。


写真を持つ生徒が増えるに比例してレニーの心は乱れていった。


いくら手紙を出しても、カミーユから返事が来ない状況がレニーを不安にさせた。

さらに、例の写真が他の人に流されていないかと不安で堪らない日々を過ごした。


レニーは音楽祭からリュカに話しかけるタイミングを伺っていたが、リュカが1人で居る事がなく、その機会に恵まれなかった。

そしてようやく、選択授業の帰りに貴族棟から平民の棟へと1人で帰るリュカに遭遇した。


「あの、リュカさん!」

「レニー様どうされました?この間のお代なら商会に直接お支払い頂けだと聞いてますが」

「あの写真を買い取らせて下さい。買値は言い値で構いませんから」

「それは出来かねます」

「どうしてですか!?幾らだってお支払いしますから」

「あの写真は既に僕の手を離れていますから」

「!?どういう事ですか!?だっ誰に売ったのですか!?」


レニーは写真が第三者に渡ったと知り青ざめ、リュカの腕を強く握る。


「これ以上は守秘義務に当たりますのでお答え出来かねます」

「誰にも口外しないと言ったではありませんか!?」

「関係者以外にはと言ったはずですよ。次の授業がありますのでこれで失礼します」


リュカはレニーの手を解き、その場を去る。

リュカが去った後、レニーはその場に力無く座り込んだ。


--------------------------


「お嬢様!カミーユ様からお手紙ですよ!」


笑顔で手紙を渡すメイドとは対照的にレニーは表情を曇らせたまま手紙を受け取った。


「お嬢様、そんなお顔をされないで下さい。カミーユ様はきっと忙しかっただけですよ」

「えぇ…そうね」

 

レニーは手紙を開け、内容を確認する。


「手紙にはなんと書かれていたのですか?」

「今度の休みに屋敷に来てほしいと書いてあったわ」

「まぁ!もしかしたら侯爵様とお話がついたのではありませんか?当日は腕によりを掛けて支度しますね!」

「えぇ…ありがとう」


手紙の内容は確かに屋敷に来てほしいと書いてあったが、内容は普段の手紙と違い、何処か事務的で、レニーを気遣う言葉の一つも無かった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ