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悪役令嬢だけど両思いになりたい  作者: 月乃
第3章
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恋人の関係性

シャルエラントとマリアが恋人になって数日後。


「マリアー!!おめでとうー!!」

「マリアさん!おめでとうございます!」


監督生専用の温室でマリアとシャル様が結ばれたと報告があったわ。


「ありがとう2人とも。たくさん相談に乗ってくれて。おかげ様でシャル様に思いを伝える事が出来たわ」

「マリア、頑張ったわね」

「お2人が幸せで嬉しいです」


マリア幸せそうで良かったわ。

あっマリアの左耳のイヤリングってシャル様が付けてた物と同じだわ!

早速お揃いの物を身につけてるわ!


ヴィクトルも笑顔で祝福しているし、良かったわ。


「ねぇマリア。今度ヴィクトルから貰ったドレス姿、見せてね」

「えぇもちろん。セティーも協力してくれたみたいね。ありがとう」

「アドバイスしただけよ。ヴィクトルが頑張ったのよ」


デザイン画をチラッと見せてもらったけど、絶対マリアに良く似合っていたはずだわ。


マリアはシャル様の元へ嫁ぐ為に王妃教育を受ける事になったわ。

本来ナハラセスには王妃教育はないから、私を指導してくれていた先生達に学ぶ事になるの。


嫁ぐ時にナハラセスの官僚試験を受けると言ってたけど、大変じゃないかしら?

これから王妃教育に官僚試験の勉強って多忙過ぎるじゃぁないかしら。

マリアなら厳しい先生達にもついていけると思うけど、結婚準備もあるし、本当に大変だわ。


「マリア、手伝える事があったら言ってね!私が勉強したノートとか見せられる物は見せるわ!」

「ありがとう。シャル様がお父様達に挨拶した翌週には始マル予定だから、予習がしたかったのよ」


「マリアさんはセティーさんと同じ王妃教育を受けるのですか?」

「違うわよ。私は他国へ行くから、ベスタトールの事は多くは学ばないわ。主に諸外国の事や教養面よ。流石にセティーと同じ内容なんて無理よ」

「それなら安心しました」

「後はナハラセスからも先生が来てくれるから、その方にナハラセスについて学ぶわ」


私は自国の事でも精一杯だったのに、これから他国について深く勉強するなんて凄く大変な事よ。

でもマリアの目は希望に満ち溢れているわ。

シャル様の為に王妃になる覚悟もついたのね。


私はシャル様にコソッと話しかける。


「シャル様、マリアを悲しませたら許しませんよ」


万が一マリアが悲しむ事があったら、どんな事をしてでもマリアをベスタトールに取り戻すわ。


「ハハ。セティーにも命を狙われるのか。もちろんだ。必ず幸せにする」


シャル様は真剣な顔で答えてくれた。


それぞれ寮へ戻るため、男女で別れるわ。

寮で女子会しましょう。

結婚式について話がしたいし。



-----------------------------


「リュカもありがとうね。ドレスの糸や布を手配してくれて助かったよ」

「いえいえ。お役に立てて良かったです。こちらこそマダム•フルールさんと縁が出来て良かったです。今後ウチからも布や糸を買って頂けるようになったんです」

「それなら良かった。またリュカが担当してる部門が大きくなるね!」


平民寮への分岐前でシャルエラントがヴィクトルに話しかける。


「そうだ。ヴィ今日もよろしく頼む」

「良いけど、手加減しないよ?」

「望む所だ。腕を磨かなければならないからな」

「今日も剣の稽古か?」

「ああ。今週末にはマリアの父君にお会いするからな。剣を交える事になった際に不甲斐ない所は見せられない。そうだ、アルも一緒にどうだ?」

「ヴィの本気の剣をまともに受けたら軽い怪我では済まないからな。出来たら遠慮したいな」

「皆さん頑張って下さい」

「たまにはリュカもどうだ?」

「いえいえ!僕なんかじゃあ骨が折れてしまいますよ」

「「「ハハハ」」」


「あっよかった。まだ寮に入ってなくて」

男性陣が笑いあっているとマリアが小走りで駆け寄ってきた。


「そんなに慌ててどうした?」

「お父様から手紙が来てたのを思い出したのよ。シャルにも見せるようにって」

「そうか。ありがとう」


手紙には、シャルエラントに剣と防具を贈ると書かれていた。


「もう!お父様ったら!」

「これは…ますます気合いを入れねばな」

「ハハ。じゃあ俺も本気で鍛えてあげなくちゃね」

「ヴィ!」


「大丈夫だ。愛するマリアの為なら、こんな事は些細な事だ」

シャルエラントはマリアの頬に触れ、片目を瞑りニカッと笑う。


「もうシャルったら。私は心配してるのよ?」

「心配してくれるのは嬉しいが、俺の活躍を期待しててくれ」


その後シャルエラントはマリアを女子寮へ送り、男子寮へ戻ってきた。


アルベルト、ヴィクトル、シャルエラントの3人だけが談話室に居る。

アルベルトは本越しにシャルエラントの顔をジーッと見ている。


「なんだ?先ほどから俺の顔を見ているが、俺がどうかしたか?」

「いや。マリアはシャルの事を敬称無しで呼ぶのだな」

「そりゃあ恋人だからな。人前では敬称を付けるが、仲間内の前ではな。2人きりの時は俺の最初の名前を呼んでくれる。セティーだってアルと2人きりの時はそうだろう?」

「………。」


シャルエラントとヴィクトルはアルベルトの無言の表情を見てすかさずフォローを入れる。


「まぁ恋人同士の呼び方なんて人それぞれだからな」

「そうだよ!セティーはアル様って呼ぶ様になって長いし、定着してるって感じだよ」


アルベルトは無表情で呟く。


「しかし…恋人になって暫く経つというのに。数日のシャル達の方が関係が進んでいる様に見える」


「はぁ、拗ねるな。そもそもセティーに敬称無しで呼んでほしいと言ったのか?」

「いや、それは…。父上と母上は初めから気安く呼び合っていたらしいから、自然にそうなるものかと」


シャルエラントはやれやれと手を挙げる。


「はぁ。アルから言わなければ無理だろ。セティー達は最高水準の淑女教育を受けているだ。婚約者、恋人であっても王子であるアルの方が立場は上だと自然に思うものだ。いくら口では対等と言っても、こちらが寄り添わなれば難しい」

「わっわかっている」


「アルは俺と違って真面目だからな。俺のように気軽な雰囲気にもなりにくいだろ」

「アル様は普段から俺達以外に接する時は雰囲気がだいぶ違うんだけどね。俺達の前くらいもっと気楽になっても良いと思うよ」

「そうか?ヴィ達の前では随分と自分を出していると思うが…」

「なんにしても、ちゃんとセティーに言うべきだな」


アルベルトは表情を固くして答える。


「わかっている。今度2人でランチをする際に話しをする」


アルベルトの言葉を聞き、シャルエラントは揶揄う様にニヤッと笑う。


「まぁ俺達が親密なのは呼び名だけではないがな。何せマリアから俺に甘えてくれるからな。羨ましいだろ?」

「なっ!?セティーだって私に甘えてくれる事くらいある!」

「強がるな。どうせアルの方からだろ」


アルベルトを揶揄うシャルエラントの後ろでヴィクトルが手を組みボキボキと指を鳴らしながら微笑む。


「シャル様。くれぐれも節度も保ってね」

「うっうむ。わかっているさ」


シャルエラントはアルベルトにコソッと耳打ちする。


「まったく。兄という存在は厄介な者だな」

「全くだ」

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