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悪役令嬢だけど両思いになりたい  作者: 月乃
第3章
164/236

レニー

レニーside


柔らかそうな栗毛に、暖かさを感じさせる茶色の瞳。

そして優しそうな笑顔。

初めて見た時からカミーユ様は私にとっての王子様でした。


そんな素敵なカミーユ様ですが、お母様が平民だからと家門の人達に受け入れられていなかったのです。


でも家門の方達は、形上否定しているだけに決まっています。

だって、あのサンドラ様が母親だったら、こんなに素敵な人は生まれきません。

皆んな、サンドラ様ではなく、侯爵様自ら教育をなさる事に、安心感を抱いているようですし。


私は、絶対にカミーユ様は立派な後継者になる方だと、初めて見た時からわかっていました。

本来なら、お披露目パーティーで婚約者が決まっていたはずです。

でも他の家の令嬢達は、親の言う通りに、カミーユ様を避けていたおかげで、私にもチャンスが回ってきました。


両親は良い顔はされませんでしたが、お陰でカミーユ様の初めてのダンスの相手を務める事が出来きました。


月日は流れ、勉学に励み、武芸にも打ち込まれ、どんどん素敵に成長されるカミーユ様。

そんな素敵なカミーユ様だから、お母様が平民である事を気にしない令嬢は多く居ました。

そんな人気があり、すぐに婚約者が決まりそうなカミーユ様ですが、大きな障害がありました。

それはクリスティーヌ様です。

カミーユ様と結婚するという事は、クリスティーヌ様が義妹になるということ。

その事実に皆んな眉を顰めました。


「でもクリスティーヌ様はいつか嫁ぎますわ。義妹になるとしても、私に害が無ければ大丈夫ですわ」

中には、そう言っている令嬢達が居ました。


私は、そんな令嬢達の前で、敢えてクリスティーヌ様に罵られている所を見せました。


「クリスティーヌ様と同じ屋敷で過ごすなんて…怖いです。クリスティーヌ様は侯爵令嬢です。侯爵夫人と言っても元々は自身の方が身分は低いですし…今以上に辛い目に合うじゃあ…」


罵られる場面を見せ、後日令嬢達の前で震えながらそう答えれば、令嬢達は意見を変えてくれました。


カミーユ様は血筋を保つ為、侯爵家を継ぐ為に、必ず有力貴族の令嬢を妻に迎え入れる必要があります。

ですので、令嬢達がカミーユ様を避ける理由になった、クリスティーヌ様には、ある意味感謝してます。


そんな嫌われ者である、クリスティーヌ様と一緒に居る事で、カミーユ様と過ごす時間を得る事が出来ましたが、苦痛な日々でした。


「あの時レニーがカミーユ様の手を取った際は眉を顰めたが、今となっては、レニーのお陰で我が家は侯爵様の覚えも良く、我が家の資金も潤ったな」

「貴方、それだけじゃないわ。レニーが辛抱してクリスティーヌ様と一緒に居るからだわ。貴方には本当に苦労を掛けてるわ」


お父様、初めの頃はあんなに怒っていた癖に。

お母様も私が辛い目に遭っている事を知っていながら、クリスティーヌ様から離れて良いとは言わないのですね。


「お父様とお母様に喜んで頂けて嬉しいです。これからも頑張りますね」


「レニーもう少し派手なドレスだって良いだぞ?なんせ我が家の資金は潤っているからな」

「良いのですお父様。目立ってしまってはクリスティーヌ様からお怒りが向けられます」


何せ初めて会った時に私の髪を引っ張り、「貴方ごときが私と同じ金髪なんて気に入りませんわ」と言われ、その後も少しでも私が着飾ると憤慨され、髪飾りが叩き落とされましたからね。


「綺麗なドレスは私の背の成長が止まってから作りましょう。その方が長く着れますもの」


いくら資金力が潤ったと言っても、高位貴族の様にそう何着もドレスを作る事は出来ません。

大事に着ないといけません。


クリスティーヌ様は、地味な装いの私を変わらず私を見下し続けました。


私は、他の令嬢達がクリスティーヌ様に攻撃されそうになった際、前に出て庇っていました。

その甲斐あって、私に感謝と同情が集まり、味方になってくれる人が増えました。


私を通して人脈が広がり、家の事業も上手くいき、今や力のある子爵家となりました。


「この度は後婚約おめでとうございます」

「ありがとうございます。レニーさんには縁を繋いで頂いて、本当に感謝してます」


これでアルベール侯爵家と釣り合いの取れる令嬢はほぼ婚約が決まりました。

手紙の橋渡しをした甲斐がありました。


同じ家門で婚約者が居ない年頃の令嬢は、私とオリヴィアさんくらいです。


オリヴィアさんは伯爵家、我が家は子爵家。

家の格はオリヴィアさんの方が上ですが、あちらは没落寸前です。


出会った頃は、しがない子爵令嬢の私では、カミーユ様と釣り合わない、初めてのダンスの相手を務められただけで十分だと思っていました。

ですが、出来る事なら私がカミーユ様の伴侶にという欲を持ち始め、その気持ちは歳を重ねる事に強くなっていきました。


カミーユ様の伴侶にと願う一方で、他の令嬢達と同じように、私にとってもクリスティーヌ様は大きな障害でした。


クリスティーヌ様はアルベルト王子様の婚約者候補でしたが、選ばれる事はないとわかっています。

ライバルであるセレスティーヌ様があまりにも完璧で、素晴らしい方ですから。


婚約候補から外れたクリスティーヌ様の嫁ぎ先を見つけるのはきっと難しいでしょう。

もしクリスティーヌ様が嫁げないとなると、学園を卒業し、嫁ぎ先が決まるまで侯爵家で過ごされるでしょう。

そうなると、カミーユ様の相手に選ばれても、不幸な婚姻生活を送る羽目になります。


そこで私はクリスティーヌ様の弱みを握り、優位に立てればと考えました。


クリスティーヌ様の動向を探る為に、人を雇い、クリスティーヌ様が怪しい人達と会っているという事を知り、跡をつけました。

こっそり聞き耳を立てて会話を聞いて驚きました。

セレスティーヌ様を脅すように依頼しているだなんて。


セレスティーヌ様に嫉妬していると思っていましたが、まさかこんな事を企んでいるだなんて。

この事が世間に知られたら、いくらクリスティーヌ様でも断罪は逃れられませんが、この事が公になる事はないでしょう。


アルベルト王子はセレスティーヌ様の事をとても愛されてますから、きっとセレスティーヌ様の不利になる事はなさらないでしょう。

ですからこの事を知っているのは数少ない人だけ。

大きな弱味を握る事が出来ました。


さらに、クリスティーヌ様が侯爵家の血を継いでいないと言う事実を引退したメイドに聞くことが出来ました。


あんなに私に偉そうにしていたのに、自分が侯爵家の血を引いていない、不貞の子だと知ったらどんな顔をするでしょう。


フフ。

考えただけで笑えますね。


今はまだクリスティーヌ様に反撃する場面ではありません。

きっと私に都合が良い時が来ます。

それまで待ちましょう。


それから約1年。

私の望む展開になりました。


アルベール家が王室派になり、サンドラ様が離縁されました。

それと同時にクリスティーヌ様が学園をお休みするようになりました。

おそらく、サンドラ様とクリスティーヌ様の悪事が侯爵家内で公になったのでしょう。


サンドラ様は侯爵家を去りましまたが、クリスティーヌ様は侯爵家に留まっています。

ですが、このまま順当にいけば、クリスティーヌ様は戒律の厳しい修道院に送られることでしょう。


クリスティーヌ様は断罪され、侯爵家から居なくなると思っていましたのに、更生する事が出来たら侯爵家に残る可能性があるだなんて。


メイド達の話では、辺境の男爵家に嫁ぐ予定があるそうです。

ですが、その話が白紙となり、侯爵家に相応しい所へ嫁ぎ社交界へ復帰も可能になるだなんて。

嫁ぎ先を見つけるまで、侯爵家で過ごす事になります。

そんなの嫌です。


私と再びクラスメイトになってしまい、カミーユ様に頼まれた事もあって、私はクリスティーヌ様と関わらなければいけません。


私の平和とカミーユ様からの信頼の為、クリスティーヌ様には大人しくなってもらいますが、更生なんてさせません。

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