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悪役令嬢だけど両思いになりたい  作者: 月乃
第1章
16/235

お友達①

私は8歳になった。


あれからアル様とは、お兄様に会いに来た時に、少しお話しをしている。

他に、手紙のやり取りをしていて、良好な関係だと思う。

たぶん。


そうそう、あれからついにお勉強や刺繍、絵やお花などの勉強が始まり、公爵令嬢として頑張っている。

それと、少し前から教会や孤児院へのボランティアを始めた。

ノブレス・オブリージュというやつだ。

今はチャリティーバザーに、昔買い漁ったドレスの布地でクッションなどを作り、刺繍をして出している。売り上げは全て寄付されるので、頑張って作っている。

これは私の刺繍の練習にもなっていて、私も助かっている。

他には、孤児院の子供たちに文字を教えている。

孤児院の子供達は可愛いし、勉強を教えるのは私にとっても復習になるので、苦にならない。


それから、私はある本にハマっている。

それはいわゆるロマンス小説というものだ。

他にも英雄物語も好きで読んでいる。

元々アニメや漫画、ゲームが好きで、物語に飢えていた私はどっぷりハマった。

ただ一緒に感動を分かち合うお友達がいないのが寂しい。

本来ならお母様達のお茶会に参加し、お友達を作るのだが、私はあまり参加していない。

悪役令嬢のセレスティーヌは、たくさんの友達というか手下の令嬢を引き連れてたけど、私はそうはなりたくない。

なので、お母様が一緒にお茶会へ行こうと言っても断っている。



そんな感じで3年が過ぎたある日、王宮から招待状が届いた。

お父様によると、アル様の婚約者候補達が招待され、一緒にお茶会をする。

いわゆる顔合わせというものらしい。


当初15人いた候補者は現在私を入れて10人になった。

ここでもうちょっと絞る予定なのかもしれない。



私は当日、早めに王宮に着いたため、庭園を見せて頂くことにした。


やっぱりここの庭園は素敵だなぁ。

『アリスとエリスのお茶会』に出てくる庭園みたい!


『アリスとエリスのお茶会』は私が今ハマっている本で、令嬢のアリスと平民のエリスの友情物語だ。


そんなことを考えていると、噴水の所に女の子が1人俯いて座っているのが見えた。


ん? どうしたんだろう??

ここに居るって事はお茶会の参加者なのかな?

気分でも悪いのかな?

「あの?どうかされましたか?」

「えっ!?あっ、わっわたし?」


わぁ、可愛い子だな。

私が話しかけたことで、驚いて顔をあげた子は、赤い髪に緑の目、タレ目で、ちょっと気弱そうな印象を受ける可愛い子だった。

緑のドレスがとても良く似合っている。


「えぇ、あなたよ。俯いてたので、気分でも悪いのかと思いまして」

「い、いえ、あっ、あのだっ大丈夫です。ただ、この庭園を眺めてただけで」

「そうでしたの。あっ名乗るが遅れました。私はセレスティーヌ・マルヴィンと申します」

「あっ!わ、わたしはマリア・エルランジェです」


私が名乗ると、相手も慌てて名乗る。

やっぱり、婚約候補者の1人!

それも有力候補とされている内の1人だわ!

可愛いなぁ。

こんな可愛い子とお友達になりたいけど、お互い候補者だからなぁ。

残念だ。


「私も早く来てしまったので、庭園を見学させて頂いてたんです。ここの庭園は素敵なので」

というとマリア様も

「ほっ本当に素敵ですよね。アリスのお庭みたい。あっ!今のは忘れてください!」


「!?マリア様!それって『アリスとエリスのお茶会』のアリスのお庭のことですか!?」

私が興奮気味に聞き、マリア様は戸惑っている。


「えっ!?あっはい。そうですが、ご存知なのですか?」

「えぇ私の大好きな本ですもの。マリア様はこう言った本をよくお読みになりますか!?」

もしかしたら、同志かも!?


「はっはい。わ、わたし、物語の本が好きで、よく読みます」


やっぱり!

あぁ、こんな所に同じ趣味の女の子が居るなんて!!


「まぁ、私もなんです!あの、良かったらお友達になってくださいませんか!?」

「えぇ!?おっお友達ですか!?」


やっぱり同じ候補者だからダメなのかな!?

でもお友達になりたい


「えぇ!私、本のお話しが出来るお友達が欲しかったのです。マリア様が嫌でなければ、お願いしたいのですが?」

「そっそんな!わっ私なんかでよければ喜んで!」


やったぁー!凄く嬉しい!


「あぁ、良かった!では、私のことはセティーと呼んでください、マリア様」

「えっ!?そんな、公爵令嬢のセレスティーヌ様を愛称呼びなんて、いいのですか?」

「もちろん!良いに決まってます!」

「あっありがとうございます!あっ、わっ私に様はいりません!私のこともマリアと呼んでください」

「マリア!ありがとうございます!」


やったー!今の人生初のお友達だよぉー!

嬉しすぎぅ!

これから一緒に、本の感想を語ることが出来る!



長くなりそうなので続きます。

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