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悪役令嬢だけど両思いになりたい  作者: 月乃
第3章
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ダイエットは明日から②

「エリザベート様!私にもエリザベー様のピアノをお聞かせ下さい!」

「「私にも!」」

「もちろんですわ。皆様への感謝を込めて演奏致します」


私達のお願いにエリザベート様はニッコリと笑って了承してくれた。


「エリザベート様のピアノ。一度聴いてみたかったので嬉しいです」

「そんな。私の演奏なんて大しだ事はありませんわ」

「王室楽団に入れる程の腕前と聞いております!私もピアノを弾きますが、そこまで弾けるわけではありません」

「一度コンクールで優勝しただけですわ。セレスティーヌ様こそ幼い頃から天才と呼び声高かったですわ」

「幼い頃だけですよ。成長したらただの凡人です」


成長に伴って転生のアドバンテージが無くなったのよ。

私も難しい曲を弾くけど、弾けるってだけで表現とかそういうのは出来ないもの。


「わぁ!アル様の差し入れ、セティーさんの好きなタルトですよ!」

「南国のフルーツタルトね!綺麗!そして、何より美味しそうだわ」


ゴクリ。

マリア達の言う通り美味しそう。

私の好きなタルト。


「ヴィ君からは軽食。リュカからはジュースを貰いましたし、食べ物がたくさんになりましたね」

「皆様、本当に優しい方々ですわね」


エリザベート様にお茶会に誘って下さいと言ったものの、ベスタトールに戻ったら私達は派閥が違い、お茶会に招待するのは、政治的な事情があるわ。


それなら、ナハラセスに居るうちに行いましょうとなったのよ。


ただ自分の家では無いので、エリザベート様1人で色々揃えるのは大変だろうから、私達もお茶やお菓子を持って行こうとなったわ。

だけど、一応お礼される側だし、気を遣わせてしまうかもって話していたのよ。

それを聞いていたヴィクトルとリュカが、自分達からの差し入れって事にすれば良いと言ってくれたのよ。

アル様とお兄様も話を聞いて何か用意するって言ってくれたの。


「ヴィクトル様がご用意下さった軽食。とても美味しいですわ」

「ナハラセスの騎士達に聞いた店で買って来てくれたようです。スパイスが効いてて夏バテ解消に良いらしいですよ」

「まぁそうなのですね!確かに食欲を刺激されますわ」


エリザベート様の言う通り、この軽食、ついつい手が伸びてしまうのよ。


「リュカさんからの飲み物も、ベスタールにはない果実を使っていて新鮮ですわ」

「ベスタトールでは育たない果実です。加工品の飲み物なら痛む事を気にする必要がないので、人気が出そうなら輸入したいと言っていました。皆さんが美味しいって言っていたと、後でリュカに伝えます」

「これがベスタトールでも飲めるようになれば嬉しいですわ」


そうなのよ。

甘いだけでなく、程よい酸味が口の中をサッパリさせて幾らでも飲めそう。


差し入れのおかげで会話が弾んでいるわ。


「そういえばお兄様からは何かしら?」


お兄様は人数分の箱をそれぞれ座っている所に置いて行ったわ。

やっぱり食べ物なのかしら


「1人1箱なのでしょうか?皆さん開けてみましょう!」

「そうですわね」


私達はそれぞれ箱を開封する。


「「「「綺麗!!」」」」


お兄様が差し入れしてくれたのは、食べ物ではく、お花だった。

それもただのお花ではなく枯れないよう加工されてキラキラと光っている。


あっお兄様からのメッセージが入ってるわ。


『皆んな食べ物ばかりだったから、目で見て楽しめる物にしたんだ。気に入ってくれたかな?』


お兄様!ナイス!!

もちろん気に入りましたよ!!


これってプリザードフラワーよね?

この世界でも出来るのね!


「本当に綺麗ですわ…これならベスタトールでも南国のお花を楽しむ事が出来ますわ(これも一生の宝物として大事に飾りましょう)」

「そうですね。お兄様も食べ物だったら、食べきれないわって思っていたのですが、お兄様もそれがわかっていた様です」


私はお兄様からもメッセージを皆んなに見せる。


「流石はジェラルド様ですわ」

「皆さんの差し入れを聞いてバランスを考えてくれたんですね」

「ジル様からのお花を置いたら一層華やかになったわね」


皆んな気に入った様で良かったわ。


それにしても、今日も食べ過ぎてしまったわ。

でっでも仕方ないわよね。

せっかくの差し入れだもの!


私はそう思いながら食べ物に手を伸ばす!


うーん!フルーツが瑞々しくて美味しい!

タルト生地もサクサクだわ!

シャル様からの飴細工も凄く美味しい!


明日からダイエットすれば大丈夫よね。

たぶん…。


「美味しい物がたくさん食べれて幸せです!でも、帰ったらダイエットしなくちゃです」

「私もこれ以上太らないようにしなくちゃ」

「2人はダイエットは必要ないんじゃない?私は少し太ってしまったし、最近食べてばかりだったから明日から節制しないといけないわ」

「「そんな事ないわ!/です!」」


マリアとエメリアは私の顔に近づいて、声を合わせて否定する。


「私だってせっかく痩せたのに、元に戻るどころか筋肉が落ちて、前より引き締まりが足りない気がするのよ」

「わっ私だって着痩せして見えるだけで、どんどん太っていってしまって」


「それに、だんだん痩せにくくなった気がするわ」

「なんだか私達、ずっとダイエットの話しをしてる気がします」

「うっ確かに」


お菓子食べながらダイエットの話しをしてる気がするわ。


「フッフフフ」

エリザベート様は私達のやりとりを見て笑い始めた。


「女性の悩みは世代が違っても同じですわね」

「えっ?エリザベート様でも体型を気にされるのですか!?」


こんなに細いのに!?


「当たり前ですわ、同じ女性ですもの」

「何か体型を保つ秘訣があるんですか!?」

「「「教えて下さい!!」」」


「秘訣…そうですわね、適度な運動かしら」


エリザベート様はニッコリと笑って答える。

その答えに私達は落胆する。


「やっぱり運動しかないんですね」

「楽して痩せれるわけないわよね」

「「「はぁー」」」

私達は自然とため息をつく。


「ダンスや馬術の時間を増やしてみては如何ですか?」


馬術かぁ。

馬術以前に乗馬が上手くないのよね。

実は3人の中で一番乗馬が下手なの。

普段は馬車だから馬に乗る機会は少ないけど、乗馬は令嬢の嗜みの一つなのよね。

それに、乗馬は全身運動だし、もう少し頑張ってみようかしら。


「ありがとうございます。馬術はまだ私には難しいのですが、乗馬の時間を設ける事にします」

「私は馬術を習ってみたかったので、この機会に始めてみます」

「私も!もっと馬と早く走れるように頑張ります!」


「エリザベート様は馬術を習うほど乗馬がお上手なのですね」

「えぇまぁ。人並みですけど(後継者教育の一つでしたから。緊急時に馬で駆けつけ、主君と民を守れなくてはいけませんもの。私が実は剣も嗜むと知ったら、皆様驚くでしょうね)」


「皆んなで乗馬を頑張って痩せましょう!」

「えぇ!エリザベート様のスタイル維持の秘訣ですもの!頑張るわ!」


「ふふ。後はやっぱりなんと言ってもバランスの良い食事ですわ。私は夕食はあまり召し上がらないようにしてますの」

「「「えっ!お腹空きませんか!?」」」


そんなの絶対、お腹空いて寝れないわ。


「量を取らないと言うだけですよ。それに皆様、20歳を過ぎてからが本当の戦いでのよ。20歳を越えてから、何処まで体型と肌を維持できるかですわ。ガクッと代謝も落ち、肌悩みも出てきますもの」


エリザベート様の言葉に私達はサーと青ざめた。


ダイエット、明日からするわ!

絶対に!

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