表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
悪役令嬢だけど両思いになりたい  作者: 月乃
第1章
15/235

舞台裏

とある日の王宮執務室



「はぁー。終わらん。エドガルド、もう残りは明日にしないか」

「何を言ってんですか陛下。明日こそは、愛しい家族が待つ我が家に帰るんですから。あなたは徹夜してでも終わらせて下さい」

「おい!それが国王に対する宰相の言葉なのか⁉︎」

「うるさいですよ!とっくに勤務時間外です!ここからは旧友として接します。ロベルト!さっさとこの書類に目を通せ!」


そう、1人はこの国の国王、ロベルト・ヴェスタトール。

そしてもう1人はこの国の宰相、エドガルド・マルヴィンだ。


「もう、ワシは疲れたぞ!お前も家に帰って明日にしよう」

「はぁ!?今帰っても、数時間後にはここに居るんだぞ!それに!家に帰っても、家族の顔も見れないなんて嫌だ!明日こそは、皆で夕食を取るんだからな!今やれ!」

「なに!?」

「そもそもロベルト!私はずっと言ってるだろ!こんな仕事は辞めて、領地で愛する妻と息子、そして我が天使とひっそり、ゆっくり過ごすと‼︎」

「何を勝手なことを言ってるんだ!エドガルド!お前以外に宰相が務まるか!!それに約束しただろ!!お前とエレオノーラ夫人がくっつけるのを手伝ったら、宰相となり私の手助けをすると!!」

「それはすごく感謝してる!だが!もうじゅーぶん、働いただろうが!!だいたい、その愛する妻とまともに会話も出来ず、愛する妻が産んでくれた子供達にも、会えない仕事ってなんだ!?何が悲しくて、こんなおっさんとずっと一緒にいなければならないんだ!!」

「おっさんとはなんだ!?おっさんとは!?ワシだってアイリーンの待つ寝室にさっさと引っ込みたいわ!!妻や子供に会いたいのはお前だけではない!」


日頃の仕事の疲れとストレスで、2人の不満(宰相の方が多め)は止まらない。


「もう嫌だ!セティーに会いたい!セティーに癒されたい!あぁー私の天使!」

「ついに壊れよったか。一番に会いたいのはエレオノーラ夫人ではないのかぁ?なんだ愛する順番が変わったか?ニヤっ)」

「変わってない!エレオノーラへの気持ちは昔のままだ! ただセティーは特別なんだ!ただでさえ女の子なんだぞ!いつかはお嫁に行ってしまうっていうのに、すでに会えない生活なんて……。

やっぱりこんな仕事辞めて領地に籠ろう」

「おいおい、そんなんで本当に嫁に出せるのかぁ?」

「セティーはお嫁になんて行かなくていい!!」


「ハッ!そうだ! ロベルト!!アルベルト様の婚約者にセティーはどうだ!?」

「はぁ?お前いきなりどうした?さっきまで嫁に出すつもりなかったくせに」

「考えたんだ!セティーのお嫁先がここなら、お嫁に行ってもいつでも会える! セティーが結婚後も幸せでいるか、見守る事ができる!そう考えるとアルベルト様は都合がいい!!」

「お前なぁ、未来の国王に向かって都合がいいとは。せめてもっとマシな言い方を……」

(まてよ、今の話でいけば、セレスティーヌ嬢が王宮で暮らすかぎり、こいつは宰相を辞めないんじゃないのか!?なんて都合が良いんだ!)

「たしかに!都合が良いな!ではそうしよう!」


「あっいや待てロベルト。もし、セティーがアルベルト様が嫌いならこの話は無しだ!」

「おい、王子を嫌うような令嬢がいると思うのか?第1、ワシの息子だぞ!?将来美男子なのは間違いなしだぞ!」

「自分でよくいうな!?わからないだろ?」

「いやいや、逆にワシの息子がセレスティーヌ嬢を気に入らないかもしれんぞ?」

「はぁ?セティーを気に入らないとか何様なんだ!?そんな奴は目が腐ってるとしか思えない!」

「いや、何様って、王太子様なんだが。では、こうしよう。息子も今年で5歳になる。5歳になれば、お披露目と称してパーティーを開くだろう。そこで2人を会わせて、セレスティーヌ嬢が婚約に乗り気なら正式に婚約を結ぼうじゃないか」

「わかった。そこではっきりとセティーが嫌がったらこの話は無しだからな」

「なぁに、どうせ上手くいくだろ」





パーティー当日、セレスティーヌがアルベルトに対して興味が無いような態度をとり、他の貴族から婚約候補者にと申し入れの話を出されるとは、思ってもいなかっただろう。

作中に出てくる名前のみ2人

エレオノーラ・マルヴィン:セレスティーヌの母、公爵夫人です。


アイリーン・ヴェスタトール:アルベルトの母、現王妃です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ