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悪役令嬢だけど両思いになりたい  作者: 月乃
第1章
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お宅訪問(アルベルト視点)

私はすぐに、セレスティーヌ嬢の元へ行くつもりだった。

しかし、正式な訪問となると前もって調整をしたり、先触れを出さなければならない。

しかも、セレスティーヌ嬢の所へ行くとなると、他の令嬢の屋敷にも訪問しなければならないので、さらに調整がかかるという。


くそっ!すぐに会いに行くつもりだったのに!

思い通りにいかず、面白くない。



しばらくして、ジルが王宮に来る日になり、セレスティーヌ嬢の話題が出た。

今までは、どうでも良いと、聞き流していたが、今はジルが話すセレスティーヌ嬢のことを真剣に聞いている。

話の中で、ジルがセレスティーヌ嬢のピアノは素晴らしいと褒める。

ついこないだ始めたばかりだと聞いていたが……。


ハッ!これはチャンスかもしれない!

今日は、母上が公爵夫人とお茶会をしているので、夫人は屋敷に居ない。

宰相である公爵も、父上と一緒に仕事で忙しいはず。


今行けば、屋敷には私とセレスティーヌ嬢、それにジルの3人だけ!

しかもこれは、非公式な訪問だから、他の令嬢の所へ行かなくて済む!


ジルにセレスティーヌ嬢の、ピアノを聴きたいと無理を言い、一緒に屋敷へ連れてってもらうことにした。



出迎えてくれた執事やメイド達には驚かせてしまって申し訳無かったが、ようやくセレスティーヌ嬢に会えた。


突然私が来たことと、ピアノを聴きたいと無理を言ったため、困らせてしまった。


けど、困った顔も可愛い……。


セレスティーヌ嬢の聴かせてくれた曲には驚いた。

全く聴いたことのない曲。

それも私の知っている曲とは、リズムも曲調も全く違っていた。

だが、弾むようなリズムの曲は、聴いててなんだか楽しかった。


しかもなんと、自分で作った曲だったとは!

それを自慢する様子もないセレスティーヌ嬢に好感が持てた。


さらにワガママを言い、セレスティーヌ嬢の部屋へ入れて頂いた。


やはり私の部屋とはまるで違うな。

まさしく、女の子の部屋、という感じだ。


そして、ずっと疑問に思っていたことを、セレスティーヌ嬢に聞いてみることにした。



セレスティーヌ嬢は、自分の過ちに気づき、お金の尊さをわかっている。

それはとても素晴らしいことだ。

貴族の中には、自分は選ばれた人間なのだと、勘違いし、領民をお金としか見ていない者がいる。

そんな者がいる中で、セレスティーヌ嬢は自分で気づき、反省することのできる素晴らしい人だ。



突然来たのに長く居ては失礼なので、そろそろ帰らねばと思うが、出来ればセレスティーヌ嬢と2人で話がしたい。

だが、いくら子供とはいえ男女。

2人っきりには中々させてもらえない。


そこで私は、見送りにメイドや執事達の立会いは断り、わざとセレスティーヌ嬢の部屋にハンカチを落とした。

優しいジルのことだ、自分やセレスティーヌ嬢に取りには行かせないだろ。


予想通り、上手くいきセレスティーヌ嬢と2人になれた。


ふふっ上手くいった。


セレスティーヌ嬢に愛称で呼ぶ許可をも頂けた。


私も愛称で呼ばれたい


私のことを愛称で呼ぶように伝えると、セレスティーヌ嬢は頬を赤く染め、あのパーティーで見た笑顔になる。


っ‼︎ やっぱり可愛いな!


愛称で呼ぶ許可をもらったので、さっそく呼んでみたくなり、呼んでみる。


「セティー」

名前を呼ぶとまだ赤い顔で返事をされたが、特に話題はないので

「ふふっ呼んでみただけですよ」

と私は少しイタズラをした気持ちで答えた。


するとセティーはますます顔を赤くした。


可愛いい!見てて飽きないな。

私も呼んでほしい。


その後セティーに名前を呼んでもらい、ジルも戻ってきたので帰宅することにした。



今日はセティーの色々な表情が見れた。

困った顔も、ピアノを弾いてる時の、楽しそうな顔も、赤くした顔も全てが可愛かった。

セティーの内面も知ることが出来て嬉しかったし、やはり一緒にいると胸が高鳴るようにザワつく。


父上の言う通りで、認めるのは癪な気分だが、やはりこれは、恋なのだろう。


気持ちを自覚した所で、自分の顔に熱が集まっていることを自覚した。

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