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悪役令嬢だけど両思いになりたい  作者: 月乃
第1章
12/239

後日(アルベルト視点)

アルベルト視点続きます。

パーティーの翌日父に呼び出された。

「父上!お呼びですか」

「来たか。まぁそう硬くなるな。とりあえず座れ」

父が砕けた感じで話しかけてきた。


私の父、ロベルト・ヴェスタトール。

現国王だ。

普段は威厳のある顔で仕事をしている。

他人の目がある所では、いくら親子でも馴れ馴れしくしないが、こうして人目のない所では、いつも私を揶揄ってくる人だ。


椅子に座ると、父がニヤついた表情で話し始める。

「早速だが、昨日のパーティーはどうだった? 気になる令嬢は居たかぁ? たくさん囲まれてモテてただろぅ?」


やっぱりか……。

また私を揶揄うために、わざわざ呼び出したのか……。


「居ても、居なくても同じでしょう」

私は呆れながら答える。


「同じではないぞ、昨日来ていた令嬢の中から、お前の婚約者を決めるんだから」

「その話なら、以前から話が挙がっている方がいるようでしたけど」

「知っていたのか。なんだ、つまらん」


人の婚約を、つまる、つまらないで語らないでほしい。


「だがなぁー。以前から話が挙がっていたマルヴィン家のご令嬢は、お前に興味ないようだし、この話は無かったことにしようかと……」


「!? 父上! お待ち下さい!」

思わず、声を上げてしまった。


「思っていたんだが、婚約候補者とすることにした。どうだ? 嬉しいだろう?」

父がニヤァと嫌な顔をしてこちらの反応を伺っている。


くっ!嵌められた‼︎



「他の令嬢には、大して興味なさそうにしてたくせに。セレスティーヌ嬢にはチラチラ視線を送ってただろぅ。父の目は誤魔化されんぞ」


ダメだ、完全に揶揄われている。

オモチャで遊ぶように私の頬をついてくる父を睨む。

「なんだ、嬉しくないのか。では仕方ない、セレスティーヌ嬢には候補者を降りてもらうしかあるまい」

「いえ、そんなことはありません‼︎」


いけない、揶揄われるのは嫌だが、このチャンスを逃すともう、セレスティーヌ嬢と話すことは出来ない。

ここは我慢だ。


あの中で、一番興味を惹かれたのは間違いなくセレスティーヌ嬢だ。

婚約者であれば、屋敷を訪ねて、会いに行ける。


「セレスティーヌ嬢を婚約者にして下さい」


「それがなぁ。今回のパーティーで、セレスティーヌ嬢がお前を気に入れば正式な婚約者にしたんだが、パーティーでのセレスティーヌ嬢の様子では、お前に興味を示してないようだから、仕方なく、候補者としたのだ」

「そんな!?」

「仕方ないだろう。これは決定だ。ちなみに、セレスティーヌ嬢以外にも候補者は居るぞ。お前との婚姻を結びたいと申し出のあった14名の令嬢がお前の婚約候補者だ」


「はっ!?」

私は驚愕のあまり、固まってしまう


「流石に多いと思ったんだが、なにせ筆頭貴族である公爵家の令嬢が、お前に気がないということで、他の者は自分達にチャンスがあると思っているようでなぁ。断れば角が立つのだ」


「それでも多すぎます!そんな数の令嬢達、相手に出来ません」


「なにを情けないことを。だがまぁ、この中でも有力候補の3名を平等に扱ってれば良い。一人はアルベール侯爵家クリスティーヌ嬢、もう一人がエルランジェ侯爵家マリア嬢だ」

「ん?後一人は誰ですか?」

「もちろんマルヴィン公爵家のセレスティーヌ嬢に決まっている。良いか、いくらお前がセレスティーヌ嬢に惚れているとはいえ、お前は王族なのだ。正式な婚約者が決まるまで、くれぐれも他の令嬢を蔑ろにするなよ」


「♯☆$€%!?」

父にセレスティーヌ嬢に惚れていると言われ、焦りすぎて言葉にならない。


「この際、他の令嬢達は良い。だか、この有力とされる3名はいずれも力のある家だ。正式に決まらない内に一方だけを特別扱いをすることは許されん。セレスティーヌ嬢の所へ訪問するなら、必ず他の2名の所にも訪問するんだぞ。なに、お前がセレスティーヌ嬢を振り向かせることが出来たら、すぐに婚約を成立させてやる。私も王妃とは政略結婚とはいえ、恋愛して婚姻を結んだんだ。お前にも、幸せになってもらいたいと願うのも親の務めであろう」


「父上、わかりました。ありがとうございます」



------------

自室に戻り、父に言われたことを考える。


父にはセレスティーヌ嬢に惚れていると言われたが、果たして本当にそうなのか。

言われた時は焦ってしまったが、この感情が果たしてなんなのか。


あの日見た、セレスティーヌ嬢の笑顔と辛そうな表情が頭から離れない。



考えても答えは出ず、セレスティーヌ嬢に会えばきっとわかるだろうと、私は考えるのをやめた。

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