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悪役令嬢だけど両思いになりたい  作者: 月乃
第3章
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パートナー①

誤字脱字の報告ありがとうございます。


もうすぐ夏休暇。

今年はアル様と王家の避暑地に行くの。

そのため、お昼休みにアル様と同伴してくれるお兄様それぞれ、予定表を持ち寄って日程の打ち合せをしてるわ。


「私はここはお茶会の予定が入っているの」

「私とアル様は会議の日程があるから…」

「私の公務、ジルの仕事やセティーの用事。予定が重なっていないここの日程はどうか」


夏休暇2週目の4日間、唯一わたし達の予定が重なっていない期間。


「私は大丈夫よ。お兄様はどうですか?」

「うん、大丈夫。ではアル様、私はここの日程に合わせて休暇を取らせて頂きます」

「では決まりだな。ジル、忙しい中で旅行の同伴本当にありがとう」

「お兄様、ありがとうございます。ですが、大丈夫ですか?お疲れになりませんか?」


お兄様はお仕事の合間でお見合いやパーティーの予定があるから、私達の旅行に同伴すると本当に休みが無くなってしまう。

でも、たとえ婚約者でも未婚の男女だけで旅行に行くわけにはいかないし。

同伴は親族が基本だけど、それこそ一緒に行ける人はお兄様にしか居ないし。


私が困り顔でいると、お兄様は私の頭を撫でながら優しく笑う。


「大丈夫だよ。むしろ旅行に同伴してる方が休めると思うから」

「そうですか?」

「王宮や王都に居ると、誰かに会う度に縁談の話をされてしまうからね。この学園の執務室が逃げ場になっているけど、夏休暇で自宅に戻ってくると知られてしまっているから、訪問のお願いも多いしね」

「ジルは注目の的だからな。それにしても、凄い数の見合いだな。セティーも茶会の予定が多いが大丈夫なのか?」

「これでも減った方なんですよ。まぁ縁を結べるかどうかは会ってみないとわかりませんが」

「お兄様の縁談にも関わるもの、私も頑張らないと!」

「セティーにまで迷惑を掛けてごめんね。別に参加しなくても良いだよ?」


お兄様の縁談。

将来のお義姉様が決まる大事な事だもの。

その為にお茶会で探りを入れるくらい、頑張らないと!


「大丈夫ですよ。リーゼさんが令嬢達の情報をまとめた資料をくれたんです!これで上手く立ち回れます!」

「リーゼが?」

「はい!この間のお茶会の時も頂いたんです!お兄様だけでなく、私にまで気を遣って頂いて。本当に優しい人ですよね!」

「リーゼには本当に助けられてるな」

「ジルの秘書か。少し前にセティーと話したが、中々知見の広い方だな」

「ええ、秘書として有能なだけでなく、とても優しい人ですよ」

「ジルが親しい女性以外を褒めるのは珍しいな」

「リーゼは私にとって、もう内側の人ですよ」



本当に優しい人だわ。

レオ君も懐いていたし。

そして本当に優秀なのよね。


「そうだわお兄様!パーティーのパートナーをリーゼさんに頼んでみてはどうでしょう?」

「え?リーゼに?」

「ええ!お兄様の秘書としてパーティーへの同伴をお願いしてはどうですか?秘書としなら他の令嬢達に角が立つ事はないと思います」

「確かにそれなら誤解されないと思うけど、リーゼにこれ以上負担を掛けるのは気が引けるよ」

「リーゼさんなら引き受けて頂ける気がしたんですけど」

「上司からのお願いなら断れないよ。リーゼは社交界に出ていなかったのだから、負担になるはずだよ」

「そうですか…。残念です」


それじゃあ、お兄様のパートナーはどうするのかしら。

ウチの身内に令嬢は私しか居ないし。





「セレスティーヌ様、難しいお顔をされて如何なさったのですか?」

「リーゼさん!?あっこないだはレオ君がすいません。目は大丈夫でしたか?怪我はありませんか?」


放課後、廊下を歩きながらお兄様のパートナーについて考えていると、ティーセットを持ったリーゼさんに会った。


「私でしたら大丈夫です。それより、セレスティーヌ様が何か悩まれているようにお見えしたのですが?」

「リーゼさん、セティーと呼んで下さいと前に言ったではありませんか」

「そっそれは、慣れるまで御勘弁下さい」

「では慣れる為にも呼んで下さい!先ほどお兄様がリーゼさんは自分の内側の人だと言ってました。ですから私にとっても大事な人ですので。」

「っ!ジェラルド様がその様なことを…」


リーゼさんのお顔が心なしか赤い気がする。

分厚いメガネのせいで表情は良くわからないけど、照れているのかな?


「ハッ!それよりもセッセティー様のことです!」

「ああ、悩み事というか。お兄様はパーティーのパートナーはどうするのかなと考えていただけです」

「パートナー!?」

「ええ、パートナー同伴が参加条件のパーティーがあるのですが、そのパートナーが居なくて」

「そっそうなのですか(ジェラルド様のパートナー…)」


「実はパートナーにリーゼさんはどうかとお兄様に提案したのですが」

「えっ!?(セレスティーヌ様、わたくしにその様なチャンスを!?)」

「秘書としてなら他の令嬢達に角が立つことはないですし、誤解を生むこともないと思ったのですが、お兄様からはこれ以上リーゼさんの負担を増やすのは気が引けると言われていましました。今思えば、リーゼさんの事を考えていない発言でした。リーゼさん、勝手に名前を出して申し訳ありません」

「いえ、大丈夫です。でも秘書としてなら、私がジェラルド様のパートナーでも良いですよね。ええ、そうですよね。」

「えっ?もしかして引き受け下さるのですか?」

「私のような地味な者でよければ」

「もちろんです!ありがとうございます!あっ上司の妹の願いだから、という事であれば断って大丈夫ですよ」


なんだか誘導したみたいで悪いわ。


「そっそんな事はありません!社交の勉強にもなりますし!そう、これも勉強です!」

「そうですか!そう言って頂き有難いです!」

「いえ、ジェラルド様に私でも良いと仰って頂けたらの話ですが」

「大丈夫ですよ。お兄様には私から話しますね!引き留めでごめんなさい。そのティーセット、もしかしてお兄様にですか?」

「はい。そろそろ一息ついては如何と思いまして。では私はこれで失礼致します」

「お兄様を気遣って頂いてありがとうございます。私も後でお兄様の所へ伺います」



リーゼさんて本当に優しい人だわ。

私やお兄様に媚を売る様子もないし。

リーゼさんならお兄様のパートナーでも安心だわ。

用事を済ませたらお兄様の所へ行って説明しないと。

もう少しエリザベートの話しが続きます。

恋人になったアルとセティーの話も書きたいです。

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