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悪役令嬢だけど両思いになりたい  作者: 月乃
第3章
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心遣い②

「お兄様!待って、待って下さい!!」

「セティーここは兄様に任せて、後の事は気にしないで」

「違うんです!エリザベート様じゃないんです!!」

「どういう事だい?」

「私にお茶を掛けたのはエリザベート様ではないのです!エリザベート様は飛んできたカップを掴んだだけです。むしろ強引に誘われていた私を助けようと話の間に割って入ってくれました。それに、ドレスの色で分かりづらいかもしれませんが、エリザベート様にもお茶が掛かっています」


(このままじゃエリザベート様だけが悪者になってしまうわ。エリザベート様は私に巻き込まれただけなのに)


セレスティーヌの話にジェラルドは顔を青くする。


「なんてことだ。そうとは知らずにエリザベート嬢に酷いことを言ってしまった」

「まだ会場に居るはずです!すぐに戻りましょう!!」




(はぁ。なんてことでしょう。まんまとハメられましたわ)


「私ったら、パニックになってしまって……。エリザベート様申し訳ありませんわ」


(白々しいですわ)


「いえ、巻き込まれてしまいましたが、セレスティーヌ様はきちんとわかってくださいますわ」

「……。ですが、エリザベート様はクリスティーヌ様はもちろんジェラルド様との縁が深くありませんわ。弁明する機会が有ればよろしいのですが」

「そうでもありませんわ。同じ公爵家ですから付き合いというものがありますわ」

「それは良かったですわ。エリザベート様が遠く嫁がれてしまうまでに解決出来るよう私も協力しますわ」

「っ!私を心配して頂くのは有り難いですが、貴方はきちんとセレスティーヌ様に謝罪出来るとよいですわね」


エリザベートと令嬢の間に火花が散っているかのような空気が流れる。


「「エリザベート様!/嬢!」」


セレスティーヌとジェラルドが息を切らしながらその場に現れ、既に帰ったと思われていた2人の登場に会場には騒めきが起こる。


「良かった。まだいらっしゃって」


セレスティーヌはすぐにエリザベートの側に来て、エリザベートの手を握る。


「セレスティーヌ様!?お帰りになられたのでは…」

「このままではいけないと思い、兄に事情を説明して戻って来ました」


セレスティーヌの言葉に主催者の令嬢は焦り始める。


「あっあの、セレスティーヌ様、先程は気が動転していまし…「エリザベート嬢、先程は大変失礼な事を。心からお詫び致します」


令嬢の言葉をジェラルドが遮り、ジェラルドはエリザベートの前で膝をつき、謝罪を述べる。

ジェラルドの行動が会場をさらに騒つかせる。


「ジェラルド様!?おっお立ちになってくださいませ!私は気にしていませんわ。あの状況では勘違いしても仕方ありませんでしたもの」

「しかし、妹は聞きました。エリザベート嬢は妹を庇いたまたま飛んできたカップを掴んだだけだと…。それなのに一方的にあのような態度を」

「大事な妹様のドレスがお茶で濡れているだなんて、ジェラルド様からしては一大事ですもの。誤解が解けただけで私は十分ですから、これ以上気になさらないで下さいませ」

「ありがとうございます。ですが、謝罪だけでは私の気がすみません。エリザベート嬢のドレスも濡れてしまったようですし…」


エリザベートが着ている濃紺ドレスの裾はよく見ると色が変わっていた。


「お兄様、汚れてしまったドレスの代わりにはなりませんが、エリザベート様にドレスを贈るのはどうでしょう?」

「それはいいね。エリザベート嬢、受け取って頂けますか?」

「いっ頂けませんわ!裾が少し汚れただけですから、お気になさらないで下さいませ!」


エリザベートは慌てて首を横に振りドレスを断る。


「エリザベート様、私からも心からお詫び申し上げます。エリザベート様はただ巻き込まれただけですのに、辛いお気持ちにさせてしまいました。私達はこのままでは気がすみません。どうか私達の気持ちと思って受け取って頂けませんか?」

「うっそこまで、仰られるなら…。この件はこれで水に流す事に致しましょう。これ以上の謝罪は不要ですわ」

「エリザベート嬢、ありがとうございます。それでは、屋敷まで送らせて下さい」

「馬車の中でエリザベート様の好みを聞かせて下さい。エリザベート様に気に入って頂けるドレスを仕立てます。丁度、領地から取り寄せた生地がありますし」

「!?その様な高価な物は頂けませんわ」

(ジェラルド様からのドレスは嬉しいですが、それは流石に頂けませんわ)



既製品のドレスを贈られると思っていたエリザベートは驚きを隠せない様子だ。


「でもエリザベート様が今お召しになられてるドレスも最高級の物ですし。私達の気持ちですから」

「そうですよ。エリザベート嬢はお気になさらず」


ジェラルドそう言うとエリザベートに向かって手を差し伸べ、馬車までエスコートしようとする。


「っ!?」

「どうか馬車までエスコートさせて頂けませんか?」

「はっはい。お願い致します」

「良かった。さぁ行きましょう。セティーも今度こそ帰ろう」

「えぇ。皆様お騒がせ致しました。失礼させて頂きますわ」


「あっあの!セレスティーヌ様!」

令嬢が立ち去ろうとするセレスティーヌに声をかける。


「なんでしょうか?」

「あの、私あの時は気が動転していまして」

「そうだと思ってました。そうでなければ、自分がお茶を掛けてしまったのに、あの様な答えをするはずはありませんから。わざとでは無かったのでしょう?もうけっこうですよ」


セレスティーヌはそれだけ言ってその場を去る。



エリザベートはジェラルドにエスコートされながら馬車へと乗り込み、セレスティーヌもそれに続く。


「エリザベート様、改めて本日はありがとうございます。そして私と令嬢のトラブルに巻き込んでしまい、申し訳ありません」

「頭をお上げください。もう水に流すと言ったではありませんか」

「ありがとうございます。それにしてもどうして助けてくださったのですか?」

「別にセレスティーヌ様を助けに割って入ったわけではありませんわ。私はただ挨拶をしようとしただけですわ。あの方がずっとセレスティーヌ様に話しかけてましたし、お茶を持つ手が不安定だったので話の途中で声を掛けただけですわ」


エリザベートは照れた様にツンとした態度を取る。

「それでもありがとうございました」

「いっいえ」


「所でドレスは何色がよろしいですか?」

「お好きな色はありますか?」

ジェラルドとセレスティーヌがドレスについて質問する。


「好きな色ですか……」

そう呟くきエリザベートはジェラルドの方を向き、ジェラルドと目線が合い慌てて視線を逸らす。


「エリザベート様は何時も落ち着いたお色のドレスが多いようですが、緑色がお好きなのですか?」

「え?なっ何故ですの?」

「以前も同じ色の耳飾りや髪飾りをしてらしたので、そうなのかなと思いました」

「えっえぇ好きですわ。特に翡翠色が…」

エリザベートはそう言って自身の耳飾りに触れる。


(翡翠…お兄様の瞳の色…)


「では翡翠色のドレスにしましょう!」

「!?ダメですわ。私は翡翠色が似合いませんわ」

「そうでしょうか?エリザベート様はお綺麗ですから何色でもお似合いになると思います」

「いいえ、この漆黒な髪に赤いつり目。キツイ顔である私には翡翠のような優しい色は似合いませんわ」

「そんな事はありませんよ。翡翠は淡い色合いから深緑まで様々ですから」

「私はこの耳飾りの様に淡い色味の翡翠が好きなのです。今までに試しきに身に付けてみた事はありますが、とても人様に見せられる姿ではありませんでしたわ。私も淡い色が似合う顔立ちなら良かったのですが」

「エリザベート様……」


「本日は送って頂きありがとうございました」

門の所でエリザベートは馬車を降り礼を述べすぐに立ち去ろうとする。


「エリザベート嬢、出来れば屋敷までお送らせて下さい。公爵にもご説明を」

「ジェラルド様、気を使って頂きありがとうございます。ですが、これ以上ジェラルド様と一緒では屋敷の者達を驚かせてしまいますのでご遠慮させて下さい」

(婚姻の打診を断られた身ですもの。家の者達に無駄な期待をさせてしまいますわ)


「それでは私がお送りします!」

「「え?」」

「私なら問題ありません!私が巻き込んでしまった事ですから、私がきちんと公爵に説明します!エリザベート様!行きましょう!」


セレスティーヌは場所を降り、エリザベートの手の取る。




「こっこれは、どうした事でしょう……」

「ミッドランド公爵、実は……」


セレスティーヌに送られて帰ってきたエリザベートを見た公爵は戸惑うがセレスティーヌの説明を聞きホッとした表情を浮かべる。


「そうですか。私はてっきりエリザベートがセレスティーヌ嬢を害したのかと……」

「お父様!!私が悪役顔だからってあんまりですわ!!」

「すまんすまん。しかし客観的に見てそれしか考えられないだろ」

「私がこのキツイ顔立ちを気にしていると知っておきながら、あんまりですわ」

「お前は気にしてるかもしれないが、お前は母親似で美人だから大丈夫だ」

「同じキツイ顔でもお母様の髪と瞳は優しい色合いで可愛らしい雰囲気ですわ!!」


「あっあの…。エリザベート様…」

「ハッ!申し訳ありませんセレスティーヌ様。見苦しいものをお見せしてしまって」

「いっいえ。その微笑ましい親子関係ですね」


(ミッドランド公爵、王宮で見た雰囲気と全然違うわ。まぁそれはうちのお父様もそうだけど)


「娘との会話なんてこんなものですよ。宰相も普段と仕事中の顔は違うでしょう?」

「はい」


(思ったより普通の親子なのね。それにしても悪役顔だなんて。エリザベート様は自分の顔立ちを気にしているのね。悪役顔ではないと思うんだけど。妖艶な雰囲気が嫌ならお化粧や髪型、ドレスでどうにかなりそうだけど)



セレスティーヌは挨拶を済ませ、馬車へと戻った。


「セティーありがとう。本当は兄様が行かないと行けないのに」

「大丈夫ですよお兄様。それよりお兄様に相談があるのですが」

「なんだい? なんでも言ってごらん」

「エリザベート様のドレスのことなんですけど…」


エリザベートのドレスについて何か考えがあるセレスティーヌ。

いったいどんなことをするのだろうか。

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