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悪役令嬢だけど両思いになりたい  作者: 月乃
第3章
109/236

事情①

(クリスティーヌside)


「聞きまして!ジェラルド様が婚約者を探し始めたそうですわ!」

「聞きましたわ!ついにお見合いをするそうです!」

「今まではセレスティーヌ様の結婚を見届けてからと仰っていましたのに。ついにご自身の結婚に前向きになられましたのね」


令嬢達の噂話はまだまだ続く。


「セレスティーヌ様はアルベルト殿下と仲睦まじくされてますもの。ジェラルド様も安心なさったのではありませんか?」

「きっとそうですわ!あんなにも愛し合っている恋人は他に居りませんわ!」

「お2人の仲は学園の生徒全員が知ってますもの。私もお2人が寄り添っている所は何度も目にしてますもの」

「セレスティーヌ様は凄いですわ。アルベルト様からあんなにも愛されているなんて」

「「「あの指輪」」」


令嬢達は口を揃え、興奮した声を上げる。


「本当素敵ですわ!」

「愛を誓った指輪をお2人で身に付けるなんて!」

「しかも指輪の裏にはお互いへのメッセージが刻印されているとか!」


令嬢達はセレスティーヌとアルベルトの話をさらに続ける。


「お2人は以前から恋人でしたのに表立って行動出来ませんでしたから、今が何よりも幸せなんですわ」

「そういえばクリスティーヌ様が身を引いたんでしたわね」


令嬢達は一斉にクリスティーヌを見る。

「えっええ」


「クリスティーヌ様、仮にも婚約者候補でしたから引くて数多ではありませんの?」

「同じ婚約者候補者だったマリア様は常にお見合いの申し込みが殺到してますし」

「「「どうなのです?」」」


再び一斉にクリスティーヌを見る。


「オーホホホホ。私に見合う殿方が中々居りませんのよ。私も罪な女ですわぁ!」

「まぁ、流石はクリスティーヌ様ですわね」

「早く素敵な人が見つかる事を祈ってますわ」

「婚約者が居るのも中々楽しいですわよ」

「私達、休暇は婚約者と一緒に過ごしますのよ」

「私に見合う方が居ましたら婚約して差し上げても良いですわ。オーホホホホ」



はぁ。

もう縁談が来ていないなんて、言えるはずがありませんわ。

初めはあんなにもたくさんの縁談が来ていたというのに。

それに向こうからの申し込みだと言うのに1度会っただけでお断りされてるだなんて言えませんわ。


それと、アルベルト様とセレスティーヌの話を聞くのももう嫌ですわ!


あの女がセレスティーヌを突き落としたまでは上手くいってましたのに!

弁護人に私を指名してるだなんて言われた時は、仲間だと思われたらどうしようかと思いましたわ!


セレスティーヌを突き落とした話を聞いた時は褒めてあげようかと思いましたが、よりにもよってアルベルト様を巻き込み、怪我をさせるだなんて!

しかも私が唆したとか言い始めて。

これを考えたのは私ではなくオリヴィアさんですわ!


アルベルト様とセレスティーヌは当然、学園を休みましたわ。

理由は公務だとしてますが、私は怪我だと知ってますわ。


私はセレスティーヌのせいで怪我をしたと噂を広めようとしたのに、あの女の存在が邪魔をしましたわ。

あの女、私の知らない所で私を自分の指導生だと言っていたなんて!

お陰で指導力がないと私まで笑い者ですわ!


これでは噂が流せませんわ!


何なんですの!

だいたい模範生であるセレスティーヌ達が不甲斐ないせいですわ!

たった数回の指導で匙を投げてしまうなんて!


そして何よりも悲惨だったのは王宮に事情聴取に呼ばれた事ですわ。

2人が登校した時に言った発言のせいですが、まさか計画犯の容疑を掛けられるだなんて!

怪我のとこはあの女が牢屋で話したと牢番が話してくれなければどうなっていたか。

あの女と親しくしていた理由なんてないですもの。

あの女はもう2度と会うことはありませんが、オリヴィアさんにはどう償ってもらおうかしら。



「あちらにいらっしゃるのはアルベルト殿下とセレスティーヌ様だわ」

「今日はお2人で過ごされてますのね」


令嬢達の声で当たりを見渡すとアルベルト様とセレスティーヌが少し離れたテラスで食事をしているのが見えましたわ。


「本当にお似合いですわ」

「私達はそろそろ解散しましょう。お邪魔しては悪いですわ」

「そうですわね。それでは皆さんご機嫌よう」

「「「ご機嫌よう」」」


他の令嬢達がクラスに戻りましたが、私はアルベルト様達に近づきましたわ。

ちょうど柱で見えない位置ですわ。



「セティー、こっちも美味しいから食べてごらん。はいあーん」

「アル様、ここ外なのに」

「大丈夫、誰も居ない。それに少しは慣れてほしいからな」


ここに居ますわ!


「もう。アル様が素敵すぎるのがいけないのよ」

「私だってセティーの可愛さに胸が高まって仕方ないんだ。お互い様だな」

「もうアル様ったら」

「はは、本当可愛いな」


アルベルト様がセレスティーヌの頬にキスをするのが見えてしまいましたわ。


何なんですのあの2人は!?

前よりも格段に甘い雰囲気。

何よりアルベルト様の顔!

あんな顔見たことありませんわ!


「放課後はお兄様とお茶をするの。その時に避暑地への同伴を頼んでみるわ」

「私も一緒に頼みに行こう。誘ったのは私だからな」

「良いの?」

「ああ。いくら婚約者でも、結婚前に2人で旅行に行けるはずもないし、家族であるジルなら同伴者に相応しい。それに、こういうのは男が誠意を見せるものだ」

「ふふ、ありがとう。心強いわ。早くアル様と2人で旅行できるようになりたいわね」

「セティー、ああなんて可愛いんだ。私もセティーと2人きりで旅行したい。ハネムーンは長く休めるよう頑張るからな」


旅行ですって!?

2人の関係がここまで進んでいるだなんて!

このまま指を咥えて見ているだけなんてダメですわ!

何か作戦を考えませんと!



「マーサ!マーサは居ないの!?」

「クリスティーヌ様、マーサなら本日付けで邸宅に戻られております」

「なんですって!?私の許可なく帰ったというの!?」

「旦那様からの御用命です。私達も本日付けでクリスティーヌ様の側仕えの任を解いて頂くことになりました」

「は?」

「これからクリスティーヌ様のお世話は新しくこの2人が行います」


「クリスティーヌ様、旦那様の御用命で参りました」

「これからクリスティーヌ様付きのメイドをさせて頂きます」


2人のメイドは私は丸められた用紙を差し出してきましたわ。


「私達2人の仕事はこの用紙にかかれた内容になります」

「なっなんなんですのこれは!?」


①クリスティーヌの世話は最低限の身の回りの世話のみとし、それ以外の要件は従わなくて良い。

②仕事時間は朝7時から夜8時までとする。それ以外の時間は要件に従わなくて良い。

③クリスティーヌの生活態度を記録し、当主へ報告すること。


「私達が当主様と交わした契約となります」

「また私達の雇い主は当主様ですので、クリスティーヌ様に私達を解雇する権限はございません」


「私は侯爵令嬢ですのよ!?それなのに側仕えが2人だけですって!それにこの内容は何なんですの!」


「今まで私達を不当にコキ使ったからですよ」

「今までの行いが目に余るため、この様に監視兼任の側仕えが来ました」

「私達はようやくクリスティーヌ様から解放されて嬉しいです」


「主人に向かってなんて口の聞き方なの!?」

「「「私達の主人は当主であるガジミーユ様です」」」

「その当主の娘に対して礼節を弁えなさい!」


メイド達は私の言葉を無視して部屋を出て行った。


「何なんですの!?お父様の娘であるこの私にあんな態度を取るなんて! お父様に告げ口してやりますわ!」


私はお父様に会うべく王宮に向かいましたわ。

長くなるので続きます。

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