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悪役令嬢だけど両思いになりたい  作者: 月乃
第1章
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ゲーム補正?

晩餐の後、お父様の書斎に来るように言われた。

今日のパーティーのことかな?


ドアの前に立ち、深呼吸をしてからノックをする。

「お父様、セレスティーヌです」


入室の許可をもらい、書斎に入ると、中央のデスクにお父様が座っていた。


エドガルド・マルヴィン

この国の宰相を務めている。

茶色の髪に私より薄い、薄紫色の瞳、キリッとした顔立ちだが、娘の私にはいつもデレデレな表情を向けてくる。


そんなお父様が珍しく真面目な顔をしている。


「セレスティーヌ、私は今からマルヴィン公爵家当主として話をするよ」



ゴクリと喉がなる。

わざわざ公爵家当主の立場を前置きするなんて、一体どんな話なんだろう。



「実はセレスティーヌに婚約の話が出ている」


「えっ!?」


思わず声が出てしまった。


「慌てるな、まだ候補に挙がっているというだけだ」

「候補??」


「ああ、婚約相手は、この国の王太子、アルベルト様だよ。実は前々からアルベルト様の相手にセレスティーヌはどうかと、陛下と話を進めていたんだけど、パーティーでセレスティーヌがアルベルト様に興味を示さなかったので、ひとまずは第1候補となったんだ」


「!?」

驚きすぎて私は固まり、言葉が出ない。


興味を示さなかったのに、候補とはいえ婚約の話が出るなんて。

アルベルト様とはほとんど話をしていない。

他の令嬢達のようにアピールもしていない。

それなのにこの展開は、もしやこれがゲーム補正というやつだろうか。


固まったままの私を無視し、お父様が話を進める。

「他にも候補者がたくさんいるんだ。ただ、他の公爵家にはアルベルト様と、年の近い令嬢は居なくてね。必然的に、我が公爵家が候補の中で一番爵位が高いんだが、パーティーでのセレスティーヌの姿を見て他の貴族がやる気でね。自分の娘を未来の王太子妃にと押しているんだ。有力なのは、アルベール侯爵家、エルランジェ侯爵家の令嬢だよ」


「セレスティーヌには、世間体を考えて、この話を受けてもらいたい。本当ならパーティーでセレスティーヌがアルベルト様を気に入れば正式に婚約を結ぶ筈だったんだけど、セレスティーヌはアルベルト様が嫌いかい?」


「嫌いじゃないです!!」


お父様の最後の言葉に思わず反応してしまった。


「それは、良かった。可愛い娘が嫌ってる男の、候補とはいえ婚約者なんかにしたくないからね。まぁ、本音を言えば、世間体を気にして、しばらくは候補者であってもらうけど、嫌になったらいつでも言ってくれて構わないからね」


「えっ!?良いんですか?」

勝手に候補者降りたいとかいいの?


お父様はもう、キリッとした表情ではなく、いつも私に向けてくる表情をしている。


「もちろん!可愛い娘に、最高の相手を選ぶのも、父親の役目と思って、陛下にセティーを薦めたけど、嫌だったらいつでも言ってくれ。なんなら、一生嫁がなくてもいいからね!むしろ、ずーっとお父様のセティーでいてね!」


私をぎゅーっと抱きしめながらお父様は言った。


相変わらず私に甘いお父様だ。

だけど、最後の方の発言。

嫁がなくていいって、なんで国王様に私を薦めたのか、疑問なんだけど。


「公爵家の私がどこにも嫁がないのは問題かと思いますが、アルベルト様なら良いんですか?」


「セティーが皇太子妃になって、王宮へ行ってしまっても、お父様は王宮で働いてるからいつでも会えるんだよ。どこの馬の骨かわからない男、まして遠くの領地持ちなんかの所にお嫁に行ったら、中々会えなくなってしまうじゃないか!セティーのすぐそばで!セティーの幸せを見守れる嫁ぎ先で、最高の男避けになる相手はアルベルト様しかいない! 今回、婚約者候補となったけど、相手は王太子!十分男避けにできる!」

えーー!

自分のためなの!?

そんな理由で妃に私を薦めたとか。


えっこの人宰相だよね?

この国大丈夫なのだろうか。


私は抱きしめられながら乾いた笑いしか出なかった。

中々話しが進められない。

つぎアルベルト目線で書けたら良いなって思ってます。

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