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魔王、鬼姫に意見を求める

何やらイルゼ嬢がぶつぶつ言っているが、まぁ、今は置いておこう。


「俺達の現状を考えれば、選択肢は引き続きダンジョン内に籠城するか、若しくは眼前の敵を討つかだ…… どう思うミツキ?」


根本的な方針に対して、スカーレットはあまり仲の宜しくないミツキの意見を求めた事が気に入らないのか、やや不満そうな表情をしている。


だが、意見と言うのは幅広く聞いておいたほうが良い。


「では、僭越ながら意見を言わせて頂きます。此処は攻めるべきかと……」

「理由は?」


「今、森の外にいる彼らは狭いダンジョンに逐次投入される前提で組織された部隊です。でなければ、一個連隊1200名程度という数は王国兵の規模を考えると少なすぎます。隣国に対する備えは動かせないとしても、本来ならば四個連隊から成る旅団規模かと……」


それは…… 現状の戦闘可能な魔族兵1200前後で相手にするのは厳しいな。

ダンジョンから出て、地上での活動を考えるとそのハードルは高い。

……なにせ、絶滅寸前まで数が減っているわけだからな。


「こちらの投入可能な兵数からすれば脅威だな……」


「で、あればこそ森の外で陣を構える一個連隊を先に潰しておく事に意味があります。どうせ、ダンジョンに籠っても、守勢になるばかりで先は見えませんから……」


ふむ、攻める場合であっても次戦を考えると極力被害は出せない。

つまり、圧倒的に勝利する必要がある。


そうすれば、シュタルティア王国も及び腰になるやもしれない。

希望的観測だがな……


「スカーレットの意見も聞きたい」

「あまり、認めたくはないのですけど、そちらの鬼姫と同意見ですわ」


ヴィレダは……聞くまでも無いか、話の流れが交戦に向かっているからか、その目つきは鋭さを増している。


戦うとすれば、如何な手段を用いるかだが……


「リゼ、雷霆の準備はどうなっている」


「勿論、妾に抜かりはないのじゃッ! 第3工房のエルミア班が改良した自走式爆薬“雷霆”20機を用意してあるのじゃ。レオンの言う通り、爆薬と一緒に鉛玉を加えてあるでのぅ、爆発すると前方に指向性をもって弾けるのじゃ!!“くれいもあ”だったかのう?あれと同じ仕組みなのじゃよ」


彼女は青銅のエルフに特徴的な長い笹穂耳をピコピコさせて、嬉しそうに話す。


「後、スカーレットから頼まれていた“天雷”もできておる。これは試作型ゆえ、2個だけじゃがのぅ」


“天雷”? 聞きなれない言葉が出てきたな……


その計画書は提出されているのかもしれないが、スカーレットからの要望はほとんど素通りさせているからな…… 先日も “おじ様、信頼は嬉しいのですけど、ちゃんと確認してくださいまし” と怒られたばかりだ。


俺は事前にリーゼロッテから配られた手元のA4資料を捲り、“天雷”に関する記述を見つける。


これは……吸血飛兵での運用を想定した爆弾か?


地球で言うところのガスボンベのような物体に2本の鎖と持ち手部分が取り付けられた爆弾が資料には記載されていた……


読んでくださる皆様には本当に感謝です!!

拙い作品ではありますが、頑張って書いて行こうという励みになります。

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