表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

61/196

魔王、耐火煉瓦の構成を知る

例の魔物の大量発生が落ち着くまで、幾分かの時間ができた。

その瞬間を虎視眈々と狙っていたものが此処に一人……


「のぅ、レオン、暇じゃろぅ?暇なのじゃろ?妾と鉱山区画に“ぼーきさいと”と珪石を取りに行くのじゃあ!」


「…… 今度は何をやらかすんだ?」


「失礼な物言いじゃのぅ、以前に言うておった“反射炉”じゃよ」

「ああ、そういえば計画書が出ていたな」


「うむ、これが色々と試して作った耐火煉瓦じゃッ!」


おもむろにリーゼロッテが黄色っぽい煉瓦を取り出す。


「ここまでくるのが長かったのじゃよ……先ずは苛性ソーダが必要なのじゃが、それには塩化ナトリウム水溶液、まぁ食塩水をのぅ、蒸気式発電機を使った水銀法で電気分解せんとならんのじゃ」


……長くなりそうな事は確実だが、聞かなければ拗ねるからな……


「で、その苛性ソーダがどう耐火煉瓦につながるんだ?」


「うむッ!良い質問なのじゃッ!!この苛性ソーダの熱溶液で“ぼーきさいと”を洗浄するとのぅ、そこに含有される“あるみな”が溶液中に水酸化アルミニウムとして溶けだすのじゃ。その溶液を冷ましてやるとのぅ、なんと、高純度“あるみな”のできあがりじゃッ!!」


わからん、ちっとも分らん。


「での、“あるみな”と珪石を蒸気機関式粉砕機で粉末状にして、粘土と混ぜて焼成したものがこれじゃあッ!!」


これ見よがしに耐火煉瓦を突き付けてくる。


「反射炉を造るにはそれなりの数がいるからのぅ、皆で採りに行くのじゃッ!!」


こうして、その日は中央工房所属の青銅のエルフ達の地下30階層の鉱山区画遠足となった。


「これを探せばいいのか?」

「うむ、頼んだのじゃッ!」


俺の手元にはボーキサイト鉱石と珪石がある。

それに魔力を通して、その際の抵抗の感覚を掴んだ後に跪いて大地に手を触れる。


“造成”の概念装を用いて鉱山区画の広範囲に魔力を浸透させ、目的のものと同じ感覚がする鉱物を探す。


……効果範囲が広いから脱力感が半端ない。


「ん、リゼ、見つけたぞ」

「おぉ、さすがレオンなのじゃッ!!」


すかさず、リーゼロッテが鉱山区画の見取り図とペンを渡してくるので、ざっと反応のあった地点に丸を付けていく。


「よし、皆の者、妾に続くのじゃッ!」

「「おー!」」


俺から地図をひったくるとリーゼロッテと配下の青銅のエルフ達がツルハシ片手に走り去っていく。ただ、彼らは頭脳労働専門のため採掘作業が遅々として進まず、3つ下の階層の人狼族の居住区画まで応援を呼ぶことになる。


そうして、結構な時間を掛けたがボーキサイトと珪石の採掘は無事終了した。


なお、最初に説明のあったように、ボーキサイトから熱溶液でアルミナを精製する工程、それを珪石と一緒に粉砕する作業に相応の時間がかかるとの事で、耐火煉瓦の製造はまだ少し遠い。


泥まみれになりながらも充実した疲労感に包まれて、青銅のエルフ達は工房区画へと帰還していく……

読んでくださる皆様には本当に感謝です!!


ふと気づけば評価やブクマを頂けていた時とか、すごく嬉しいです!

拙い作品ではありますが、頑張って書いて行こうという励みになります。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] うむ、分からん。ちっとも分からん(^v^)
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ