プロローグ
毎度毎度、勇者と魔王の戦い。
それは、どこの世界でもお約束のイベントのような戦い。
魔族の頂点に君臨する王、魔王。
魔王を倒す存在、勇者。
魔王と勇者はそれぞれの時代に必ず一人は存在する。
ただし、例外もある。ごくまれに、魔王と勇者が2人いた時代もあった。
勇者が倒された時その世界は終わる。
それが自然の摂理ですから。
魔王と勇者の戦いは、まさに一進一退。
魔王は魔法を使う。
それに対して勇者も魔法を使う。
まさに魔法一つとっても互角の勝負。
私は魔王を守るべく魔王様の配下、低俗モンスター、スライム。
そして戦いは最終局面を迎えていた。
そしてお互い最後の力を振り絞って最後の魔法のぶつかり合い。
互いに魔法の力も一緒。
そして勝負あり。
互いの激しい戦いは、幕を閉じた。
そしてその強烈な魔法のぶつかり合いで辺り一面がまるで焼け野原風になっていたことを僕は覚えている。
スライムである僕は、その衝撃であっけなく命を落とした。
しかも、僕一匹、スライム最弱。
ありえない確率で、僕の魂の一部が、違う世界で新しい命として生まれ変わる。
これは僕個人の一匹の物語。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
「うんぎゃー!」
意味不明のうめき声をあげたつもりだったんだけど、うめき声がでた。
今の私の体の状態がわからない。
しっかりしろ、僕。
体が今どのような状態になっているかさっぱり理解できない。
覚えてることは、魔法の衝撃で死んだところまでだ。