人面イボ
向坂京子が美人であるということに、異論を唱えるものはないだろう。
たまのように白い肌。菩薩のように柔和な顔。菩薩のようというと、あまり美人では内容に思われるかもしれないが、向坂京子は紛れもなく美人である。彼女がとおりを歩いていると、何人もの男たちが、振り返り、涎をたらし、鼻息を荒くして、歩き去って行く彼女のおしりに熱い視線を送るのである。
おまけに、彼女は頭も良かった。
どうも男というのは自分より頭のよい女性というのが苦手な傾向があるらしく、言い寄ってくる有象無象の男どもはねのけるに、彼女の明晰な頭脳はずいぶんと役に立ってくれた。彼女の容姿と能力は経済的な成功ももたらし、もはや死ぬまで働かなくてもよいだけの金額が預金通帳に記されている。つまり、彼女はパーフェクトなのだった。
そんな女性であったから、同性はおろか、一部の男性たちからも非常な反感を買っていた。しかし、結局のところ、その反感というものは嫉妬以外のなにものでないわけだったので、そんな人間に出来ることなど、陰口をたたくくらいのもので、彼女はそんなくだらないものを気に掛けたりはしなかった。
京子がおかしなことに気がついたのは、自慢の肌に磨きをかけているときだった。滑らかな肌の輝くようにつややかな足だ。爪の先まで美しく整っている。しかし、親指の付け根に小さな盛り上がりがあるのを、京子は見つけてしまった。
彼女は愕然とした。
それは白く角質かした、魚の目のようなものだった。
つまりは、イボである。
京子は絶叫した。
彼女の完璧なボディにイボなんていう名前からして不細工なものがあってはならないのである。彼女がどれだけ現実を否定しようとしても、イボは変わらず彼女の肌の上にあった。実を言えば、京子は以前にも足にイボを作ったことがある。そのおかげで、今回のこれも依然と同じもの、イボであることが一目でわかってしまったのだ。
前回の時には、インターネットで調べ回って、対処法を探した。中でも有効性が高そうなヨクイニン(これには美肌効果もある)をのみ、鳩麦茶を大量摂取することで治療に成功したのだった。医者に行った方が確実で安全なのはわかっていたのだが、このうえなく美しいということに強い自負心を抱いている京子には、医者にこのイボを見せるという行為が、どうしても出来なかったのだ。
インターネットでは、不必要にグロテスクな画像まで見てしまい、そのせいで、余計にイボに対する恐怖心がかき立てられたものだ。なにせ、ウイルスで増えるというイボは、角質化してふくらんだ肌のてっぺんに小さな穴が開いた火山のようなイボが密集し、まるでフジツボが肌の内側から浸食してくるように見えるのだ。
なんとしてでも治療しなければならない。
それも、プライドにかけて秘密裏にである。
ヨクイニンの錠剤を飲み、鳩麦茶は常に冷蔵庫にストック。免疫能力を高めるため、睡眠時間を増やし、食事のバランスからサプリメントまで見直しをかける。治療のためならお金なんていくらかかっても構わなかった。このイボが治らなかったら人生崩壊である。恋人に見せることもできないし、そうなれば結婚することもできなくなり、障害一人さみしく孤独に高層ビルのフロアマンションで孤独死しなければならなくなる。
決死の覚悟で治療に挑んだのだが、しかし、彼女は再び絶叫することになる。
増えていたのだ。
イボが、二つに、増えていた! それはまるで、フジツボの兄妹のようで、このくらいならさして気持ち悪くはなく、自分の肌でなければ、さして気にもかからないようなものだった。しかし、京子にとっては耐えがたい悪夢のような存在であった。
これはもう切り取った方がよういのではないだろうか。そう思ったが、素人が下手に外科手術などして、痕が残ったら困る。困るなんてものではない。成功者としてこれまで歩んできた人生のプライドにかけ、そんな傷跡を体に残すわけにはいかなった。
最近恋人と喧嘩したせいだわ。
京子は、このところ仕事で時間がとれないという恋人と、とうとつ激しい喧嘩を繰り広げたのだった。それがストレスになったのだろう。ストレスは美肌の大敵。ホルモンバランスを崩し、自律神経を失調させ、免疫機能を低下させるのだ。美しい人生にストレスは不要である。京子は恋人と別れることを決意した。
これで万全。しかし、京子は三度目の絶叫をあげることになった。
イボ三兄弟である。大きさが違うから、どれが兄でどれが弟か一発でわかる。こんなにイボが増えるなんて、そんなことがあっていいわけないわ。京子はもはや茫然自失。自慢の顔面を弛緩させ、涙も流さんばかり。涎が口の端からこぼれ落ちそうな、けして人様にお見せできない崩壊ぶりをさらけ出していた。
これは――どうするべきなのかしら。
真剣に、病院に行くことを検討し始めた。しかし、なかなか決心がつかない。もしも自分が不細工だったら、一も二もなく病院に行くのに。京子は自分の美しさを恨んだ。猥雑な下町にいぬのウンコが落ちていたとして子供が棒でつつく程度のものだが、おしゃれなパリジェンヌの街にいぬのウンコが転がっていては台無しである。京子は台無しになりたくなかった。それはもう、人生をかけてなりたくなかったのである。
どうしようかしら?
決断できないまま、ただ時間だけが過ぎていった。もちろん、その間も、自分にできる治療は続けていたのだが、いっこうに回復の兆しは見えてこなかった。むしろ病状は悪化。イボはむくむくと大きくなってくるようである。そしてそうなると、なおさら医者にかかる気持ちにはなれなくなってくるのだった。
表面上はパーフェクトウーマン。しかし、足にはイボがある。
その事実は、彼女のプライドをいたく傷つけた。
もうどうにもならないのかしら。このまま、このイボたちと共存していかなければならないの?
憂鬱は彼女の頬を少しこけさせたが、それは男たちの目に、憂いをたたえた美女としか映らなかった。よってくる男はよりどりみどりだが、どれだけいい男がいても、私の足にはイボがあるのだと思うと、もう一歩踏み込めなくなるのだった。
このままでは私の人生がイボによって崩壊していく――。
京子はとうとう、病院に行くことを決意した。
行くは一時のイボ、行かぬは一生のイボである。いくと決めれば、お金はいくらでもあるのだ。最高の医者を探し、できるだけ人払いをさせて治療するように予約をとった。さぁこれでイボともおさらば。パーフェクトな人生が帰ってくるのだ。
そう思っていた。
治療の日の朝、最後の別れとイボを見たとき、京子は驚きに目を見張った。
盛り上がったイボの皮が破れて、中からつるりとした丸いものが顔を覗かせている。顔を覗かせていると言うのは、比喩ではなく、そのままだった。破れたイボの隆起部から、目を閉じた人間の顔が覗いてきているのだった。
なんなの、これは。
京子は驚愕した。イボとばかり思っていたが、自分はもっと大変な事態に陥ってしまっていたらしい。その顔を見ていると、京子は昔読んだホラー漫画を思い出した。そうだ、これは人面瘡だ。
どうしよう。こんなものを人に見せるわけにはいかない。ただのイボならプライドの問題だが、人面瘡となると、化け物と人間の境界線を越えてしまうではないか。もしこんなことが人に知れたら、マスメディアのパパラッチたちが家に押しかけ、『絶世の美女! 足に人面瘡が出来る!』という最近下火の怪奇現象特番が組まれてしまう。週刊誌には下世話な異性関係まですっぱ抜かれ、もと恋人を名乗る男たちがあることないことぶちまけるのだ。そして最後には政府の研究機関に連れ去られてしまい、一生を研究所の中で過ごすことになるに違いないのだった。
そんなことは、断じて許すわけにはいかない。京子は急遽手術をキャンセル。相手の先生は理由を知りたがったが、手術代金はそのまま支払うというと大人しく引き下がった。金の力は絶大である。
さて、この問題をどう解決したらよいのだろうか。京子は考えた。しかし、そもそも京子は妖怪だのなんだのと言う分野には詳しくない。お祓いだろうか? だが京子には霊能力者の知り合いなんていなかった。漫画や小説では、都合良く霊能力者の知り合いがいて、なんだかんだで解決したりするのだが、現実にはそんなものそうそういるわけがない。現代の賢者インターネットに尋ねてみても、うさんくさいいかにも詐欺師な霊能力者の紹介ページか、精神を病んでしまっているのが見て取れる、どこか病的な神秘世界を賛美する人たちしか見つからなかった。精神を病みそうなのは京子の方である。むしろ病んでいるのかも知れない。私の足にある人面瘡、これは幻覚じゃないかしら?
「違うよ」
とつぜんの声に京子は蜂にさされた恐竜の子供みたいな声をあげて驚いた。
なにせ、この広い夜景が素敵な部屋には、京子以外の誰もいないはずなのである。
「俺は幻覚じゃない。ここにいる」
ぎょっとして足を見ると、人面瘡が目をあけていた。ぎょろりとした魚みたいな目をしている。
「俺のことを忘れたのか」
まるで知り合いみたいな口を聞く。しかし、京子に人面瘡の知り合いはいない。驚きに目を見開いたまま、まじましとその顔を見つめていると、それは次第に別れた恋人のような気がしてきた。
「もしかして、孝なの」
「そうだよ。俺は孝だ」
にやりと笑って人面瘡が答える。すると、人面イボの顔が、少しずつ変化し始めた。そしてすぐにそれは、どう見てもかつての恋人、孝そっくりになってしまった。
「あんた、なんでイボなんかになってるのよ」
「なにも俺だってイボになりたくてなっているわけじゃない。人間が人間として生まれたがったから人間として生まれてくるのでないのと同じで、俺だってイボとして生まれたいなんて思わなかったが、気がついたらもうイボだったんだ」
「そんな馬鹿な」
そんな話があるだろうか。いや、あったとしても別にいい。ただし自分に関わりのない範囲であればの話だ。
「今すぐ消えてよ」
「それも出来ない。俺は俺の意思でここにいるわけじゃなく、ただ気がついたらここに痛んだ。そしてどこに行くことも出来ない。俺に出来るのはしゃべることだけだ」
「なんなのよ、いったい!」
「さぁな、だが、俺にとってはいい機会だ。君に復讐するチャンスをずっと狙っていたんだから」
京子は恐怖した。たしかに、孝とはちょっと良くない別れかたをしたが、復讐したいと思うくらいに恨まれているとは思わなかった。京子の人生における男性というのは、ある種のファッションアイテムであって、飽きれば別れるし、もっと魅力的な相手がいれば新しいものを手に入れるのに躊躇いがない。そんな程度のものでしかなかったのだ。
そして孝の復讐が始まった。
復讐といってもしょせんはイボである。たいしたことが出来るわけでもない。四六時中しゃべり続けているだけだ。しかし、その内容の多くが彼女に対する誹謗中傷で、イボを人に知られるのを恐れる京子は一日中家の中にこもっていたから、その暴言をただ一人受け続けなければならなかった。それは思った以上に彼女の精神をすり減らせた。
京子も黙っていたわけではない。
むしろ彼女は口げんかが強い方だった。並大抵のことでは言い負かされない。しかし、相手はイボである。孝に対する悪口をいくら言い返しても、イボはまったく気にした様子がなかった。しょせんイボは社会活動を営むわけでも、人間的自尊心を持っているわけでもないのだ。傷つく心のない相手と悪口合戦を行ったとして、いったいどうして勝つことができるだろう。
「君は表面では立派な人間を装っているが、一皮むけばそこらの馬鹿な女たちとなにも変わらない。むしろプライドが凝り固まっているぶんだけ、いっそ厄介な存在になっている。考えてもみろよ、君が自慢に思っている美貌は、数十年で綺麗にふっとぶものなんだぞ。美貌と金で相手はとっかえひっかえだろうが、君は永遠に孤独なままさ」
「もう許せない。あんたなんかこうしてやるは」
京子はカミソリを持ちだして、カミソリの刃をイボに沿わせた。力を込めてざくりと刃を滑らせる。熱い感触がした。赤い血がタラタラと流れる。剥がれた顔はマスクみたいに京子の肌から削り落とされた。
とっととこうしてしまえばよかったのだ。傷跡は残るかもしれないが、クソみたいなイボに精神をすり減らされるよりはずっとましだ。京子はすがすがしい気分で傷に包帯を当てた。
そして次の日、イボは二つに増えていた。
孝と、もう一人は、かつての上司の顔だった。皆の前で仕事のミスを指摘してやったことがある。それから彼女は目の敵にされたが、持ち前の能力で結局は役職でも追い抜かしてしまった。それから先のことは会社をやめてしまったのでよく知らないが、ギャンブルにはまり会社のお金に手をつけたという噂だった男だ。
「君って奴はそうやって他人も切り捨てながら生きてきたんだ」
「お前のせいで俺は家族を失ったんだ。お前がいなけりゃ俺の人生はもっとまともだったんだ」
「やつあたりじゃないの!」
八つ当たり以外の何物でもなかった。負け犬どもの蠢く執念が、人面イボを借りて拭きだしてきているようだった。京子はまた、カミソリでざくりとやった。
そして翌日、イボはまた増えていた。
「まったく、この子はいくつになっても孫の顔も見せやしない。家にもろくに寄りつかないし、一体何を考えているのか」
母だった。
京子の母は早くに夫を亡くし、それから女で一つで京子のことを育ててくれたのだが、どうにも考えが古くさく、会えば小言ばかり言われるので、もうずいぶんと実家に帰るのを敬遠しているのだった。
「この子を育てるのに、いったいどれだけ苦労したことか」
母の顔をしたイボは言った。
「お金だったらちゃんと毎月あげてるじゃないの」
「お金じゃないんだよ。心なんだよ」
京子はまたざくりとやった。
そして翌日、イボはまた増えていた。
それから毎日、イボは増え続けた。イボに浮き出てくる顔は様々だった。友人の顔をしたイボもあれば、行きつけのレストランの店員の顔をしたイボもあった。たくさんの顔はおぼこ盛り上がり、フジツボに寄生されたみたいにくるぶしの辺りまで広がり始めていた。
その人面イボたちは、みな共通して、京子に対する不満や、悪口を口にするのだった。
たくさんの顔が発する汚れた言葉は、重なり、絡まり、意味をなさない雑音になって、それゆれにむしろ、ひとつの意思をはっきりと見せつけた。その雑音は京子に対する呪詛であった。仏教のお坊さんが唱えるお経にも似て、しかしその意味合いは真逆の呪いの言葉だ。
京子は自分が発狂したと思った。
こうなればいっそ足首から切り落としてやりたくなった。実際、もう少しこの状況が続けば、彼女はそうしていただろう。
ある日とつぜん、母親の顔が消えていることに気がついた。最近の彼女の楽しみは、人面イボに焼けた鉄の棒を押しつけることだった。皮膚の焼ける痛みと、肉の焦げる匂いがして、人面イボは悲鳴をあげる。しかししばらくすると、何事もなかったかのようにまた京子の足に浮かび上がっているのだった。腹の立つことだが、その一瞬はかなり気持ちがよいのだった。中でも、母の顔をした人面イボは京子のお気に入りだった。
その人面イボが消えた。
回復の兆しが見えたというわけではなさそうだ。母の顔をしたイボ以外は、いつも通り京子に対する罵詈雑言を吐きまくっている。ただ母の顔だけが消えて、母の顔があった場所だけ、元どおりの綺麗な皮膚に戻っているのだ。
なぜ、母の顔をした人面イボは消えたのだろう。
京子がその理由を考えているときだった。不意に電話のベルがなった。
「失礼します。向坂京子さんのお宅ですか」
固い声の若い女性からだった。肯定の返事を返すと、母の住む街の市立病院の名前のものだと口にした。
「お母様が息を引き取られました」
遺族に死を告げなければならないという、重い役目を負わされた、沈痛な声だった。その声の主はきっと京子を気遣っていたのだろうが、京子の頭を占めていたのは、母が死んだという事実ではなく、このタイミングで母の死を告げる電話がかかってきたということの方だった。
これだ。
直感した。これこそが、母の顔をした人面イボが消えてしまった理由なのだ。
「もしもし、向坂さん? 大丈夫ですか」
返事をしなくなった京子のことを心配する声が受話器から響いた。適当な返事を返し、今後京子が取らなければならない行動の説明を聞くともなしに聞き、礼を言って受話器を置いた。
不思議と母が死んだというのに悲しくはなかった。母に対する愛情よりも、ここしばらくの間に人面イボから植え付けられた憎しみの方が大きくなってしまっていたようだ。
母は死んだ。そしてイボは消えた。
この事実から考えるに、イボの存在と、そのもとになった人間の存在はひとつながりになっているのだ。いや、ひとつながりというのはおかしい。イボは、人間の命に寄生して生きているのだ。イボを削ろうが潰そうがもとに戻ってしまう。人間が生きている限り、イボを殺しても意味がない。逆に言えば、人間が死ねばイボも消滅するしかないのだ。
京子は笑いがこみ上げてくるのを抑えきれなかった。
迅速に、だが秘密裏に、イボを消滅させなければならない。
京子はすっきりとした足を眺めて、久しぶりに満足を覚えていた。
あれほど京子を悩ませていた人面イボもいまはもうない。かつてのようなつるりとしたきめの細かい美しい肌が戻ってきている。
京子の体には、母親の顔をしたものをのぞき、十六個のイボがあった。今はもうない。京子に対してのろいの言葉を吐き散らしていた十六個のイボは、綺麗さっぱり消え去ってしまっている。それはすなわち、十六人の人間が死んだことを意味していた。
京子が殺したのだった。
一人死ぬたびに一つイボが消えていく。それは素晴らしい開放感に満ちた行為だった。恐ろしいのは最初の一歩を踏み出す瞬間だけであって、あとは加速度的に転がり落ちていくだけである。慣れてしまえば殺人は、ニキビを潰す楽しみとさして変わらなかった。
京子の頭脳は殺人計画を練るのに役立ってくれた。
死んでいった人々は、殺されたとすら認識されていないだろう。偶然にも、京子と関わりのある人間が次々と死んでいった。不審に思う人はいるだろう。だが、存在しない殺人事件を立件することなどできない。
彼女は満足だった。あのうるさいイボから解放されたのだ。パーフェクトな体が、人生が戻ってきたのだ。
しかし、と彼女は思う。
そこに一抹の寂しさがあるというのもまた事実だ。できものを潰して中の膿を絞り出すのがある種の快楽を伴うように、イボを消すために人を殺すのも他では味わうことの出来ない快楽だったのは間違いがない。
そんなことを考えているときだった。
腹の辺りがむずむずとする。手を伸ばしてみると、固い感触があった。角質化した皮膚の感触だ。慌てて服を脱ぎ、鏡に映して確かめて見る。
そこにには、人間の顔をした巨大なイボがあった。
そしてその顔は――。
しばらくして、週刊誌にこんな文字が躍った。
『資産家の美女、謎の割腹自殺!』