第2話 ハルとの生活
「ハル…?ここに買っておいたポテチがなくなってるんだけど?」
「うん、結構イケるねアレ」
「はぁ?」(威圧)
ハルと暮らす事を決めた次に日に早速これだ。
こいつ嘘つきやがった。
「あんた昨日お腹空かないって言ったよね?」
「言ったけど何も食べないとは言ってない」(キリッ!)
ブォン!
「ふぎゅあ!」
私は無言でハルをぶん投げた。
ポテチの恨みはこんなもんじゃないぞ!
「ま、待って!謝るから!もうしないから!」
ハルを床に叩きつけてグーパンをかまそうと構えたところでハルから泣きが入った。
本当に約束を守るのか全く信用出来なかったけどこいつ見た目は可愛いぬいぐるみなんだよなぁ。
私としても何だかこれ以上はかわいそうになってきて
「今度やったら容赦しないからね!」
って事で許してやった。
まぁこれだけ恐怖を与えればまず二度と間違いは起こさないでしょ。
一応今度からおやつは鍵付きの場所にしまう事にしよう。
「向こうの世界じゃあんた何やってたの?」
「普通に公務員だったよ」
「うっそだぁ~」
ハルの話は適当に聞いていると結構面白い。
これがいい暇潰しにもなっていた。
「ハルのいた世界って生き物みんなぬいぐるみなの?」
「違う違う…向こうじゃ僕らも人間の姿だよ…こっちに来ると身体がぬいぐるみになるんだ」
「何それ?変なの~」
でも学校でこの事を話せないのはちょっと残念だなぁ。
話したらこっちの方が残念扱いされるだけだもんね。
だからハルの事は私だけの秘密。
クラスメイトにも友達にもお隣の幼なじみにも家族にも内緒。
私だけのトップシークレットなのだ!




