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第15話 またね(4)

「それでは皆さんお世話になりました!」


「またね!」


 ハルと私達はお互いに手を振って…そしてハルは元の世界に帰っていった。

 そして呆気なくハルが来る前の当たり前の日常が戻ってきた。

 それはもう歴史が上書きされたんじゃないかと思うくらいあっけなかった。

 ハルのいた痕跡はあちこちに残っているのに…ハルがそこにいないと言うだけなのに…。


 チチチ…チチチ…


「渚ー!いつまで寝てるのー!」


「…ほぇ?」


 し、しまったーッ!

 ハルが来てからずっとヤツに目覚ましをお願いしていたから起こされ癖がついてるっ!

 えぇと…今が…分だから…やばい…ご飯を食べる時間がない。


「ちょ、ご飯はっ!」


「ごめん!食べる時間ない!」


「じゃあパンだけでも食べて行きなっ!」


 そう言ってお母さんにパンを渡された。これでも食べないよりはマシか。

 今日の準備をして焦って玄関を出るとお隣も私と全く同じ状況だった。

もしかしてカオルもユキちゃんに起こしてもらっていたのかな…。


 その状況を見ていたら不意にカオルと目が合っちゃってお互い何か照れくさくなっちゃった。


「な、渚も寝坊…?ははっ!」


「何よ!そっちだって!」



 季節は巡る。

 もう沖縄はとっくに梅雨明けをしていて西日本もそろそろだと天気予報が告げていた。

 暑いのはちょっと嫌だな…そう思う私だった。



 あれから数ヶ月して私宛に差出人の記入のない封筒が届いた。

 怪しく思いながら封を切ると中には手紙と一枚の写真。


 手紙の差出人はハルだった。



 元気にしていますか。ハルです。

 この度私はユキさんと正式に付き合う事になりました。

 ここまでスムーズに事が運んだのも皆さんのおかげです。

 本当に有難うございました。


 いつかお礼が出来るようになればまたそちらにお伺いしたいと思います。

 その時にはまた宜しくお願います。


 P.S.

 最近の私達を写真に撮って同封します。

 前にも言いましたがそちらの世界ではぬいぐるみでも元の世界では私達もちゃんと人間なんです。

 それを証明したくて写真を撮りました。

 勿論私達がうまく行っているところを見せて安心して欲しいって言う意図もありますけど。



 え?あのぬいぐるみ、元の世界では人間だったの?

 前にそんな事ハルが言ってた事があった気がするけどアレ冗談だと思ってた。

 そう思って同封していた写真を見てみると


 イケメンと美少女がラブラブオーラ出しながらデートしておりました。


 くうゥゥゥゥッ!リア充爆発しろ!



(おしまい)

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