第15話 またね(2)
それからはあれよあれよと時間は過ぎちゃってついに当日の朝がやって来た。
私がこの街のいいところを紹介するんだから一番しっかりしないと!
…そう思うと眠れなかったよ、トホホ…。朝からねーむーいー。
ただ、緊張していたのはハルもユキちゃんも一緒だったみたい。
寝不足三人組がうつろな瞳でこれから街を徘徊するのだ…何だこれ(汗)。
「よし!じゃあ行こうか!」
三人の足並みが揃ったところで私は出発の合図をする。
そして家の敷地内から一般道路に出ようと私が足を踏み出した時、背後の玄関のドアが開いた。
ガチャッ!
「渚っ!」
お母さんだ。
お母さんのその手にはお弁当が入ったバッグが握られていた。
「これ、お昼ごはん」
お母さん、グッズ制作に集中しているかと思ったら…お弁当作ってくれていたんだ。
正直、お昼はお気に入りのファミレスで食べようと思っていたけど…お弁当も悪くはないかな。
私はお母さんから素直にそのバッグを受け取った。
「あ、ありがと」
「最後にいい思い出を作ってあげてね」
「勿論よ!」
お母さんに見送られて今度こそ出発!
お母さんは私達が見えなくなるまで見送ってくれた。
お母さんもくればいいのにって思ったけど私に任せてくれたのも愛情なのかも。
お母さん、お母さんの分までこの旅行?を楽しんでくるからね!
3人で歩きながらこの街の名所を次々に案内する私。
ハルもユキちゃんもまるで借りてきた猫みたい。
その光景が初々しくて私何枚の写真を、何分の動画を撮った事やら。
「ほら、ここの展望台から街が一望出来るんだ」
「おお~これはすごい」
「…」
ユキちゃんはハルにベタぼれだからか無言率は高め。
ユキちゃんの声可愛くて好きなんだけどな…仕方ないか。
お昼は折角お弁当をもらったから景色の良い所で外で食べる事に。
これ計画に無かったからいい場所探すのにちょっと苦労しちゃったよ。
今日は梅雨の晴れ間で結構行楽客が多い。
梅雨の晴れ間って結構雲がすごくて好きなんだよね。
と言う訳でその空も楽しめる高台の行楽施設へと私達はやってきた。
ここならお昼に空を見ながらごはんを食べる事も出来るし。
私もお気に入りのその場所は休日と言う事もあって人がたくさんいた。
中には保育園でハルと仲良しの子もいたりして子供達が集まったりしてちょっと大変だった。




