第15話 またね
ハルと出会って約三ヶ月。
ハルがここに来た理由も分かり、後はどう綺麗に忘れるかだけになった。
って!
忘れられないよ!忘れたくないよ!
絶対忘れてなんかやらないんだから!
忘れないようにするためには…
「ハルくんグッズしかないでしょ!」
…お母さん…まだ諦めてないの…。
個人で作るのは自由だけど商売にするのだけはやめてよね…(汗)。
「同人だとどれくらい作ったら儲けになるのかしら…」
ちょ、ネットで何か調べてるし…。
もう何も止めやしないけど私達家族に迷惑かけないようにしてよね…。
その後のハルとユキちゃんだけど、ぎこちないながらも交流をするようになっていた。
今どき交換日記とか…昭和か!
でもそう言う相手がいるのはいいなぁ。
私、いつになったら恋人とか出来る様になるんだろ…(遠い目)。
カオルはバスケに夢中でそう言うの全然興味ないみたいだし…。
べ、別にカオルが好きな訳じゃないけど…大体顔見知り過ぎて無理だわ。
ちなみにユキちゃんがカオルの家にやってきたのは偶然みたい。
こんな偶然って普通ないよね…安っぽいドラマだよね。
脚本家もうちょっと捻れよって言うね。
ハルが何も言わないから私、保育園の方に連絡入れといたよ。
保育士さんは残念そうにしていたけど何とか理解してくれたみたい。
園児達の説得もお願いしちゃったけどきっとプロの話術で何とかしてくれるでしょ。
遠い所に行っちゃうからって理由、園児達も納得してくれたらいいんだけどな…。
そんな訳で私はある計画を実行する事にした。
その名も「ハルを忘れない計画」…って名前そのまんま…(汗)。
で、このハルを忘れない計画って言うのは出来るだけビデオや写真にハルを残す事。
実はこれ、ちょっと前から考えてたんだ。
前みたいな旅行はちょっと無理だけどこの街の景色のいいところをハルとユキちゃんとで巡って写真と動画で永久保存するのだ!
カオルは部活で忙しいしお母さんはグッズ制作始めちゃうしお父さんは仕事だしこの計画に参加出来るのは私しかいないんだよね。何て役得!
ハルと過ごせる最後の週末に計画は実行ですよ。
週間天気予報を見ても天気は梅雨なのに奇跡的に問題なし!
写真も動画もスマホクオリティだけどきっと問題ない…よね?
後はバッテリーとメモリに気をつけなくちゃ…。特に予備のバッテリーは必須!




