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第12話 プチ旅行(3)

「ほら、珍しい鳥がいるよ!」


「ほら、珍しい花が咲いてる!」


「ほら…」


 あれ?もしかして私の方がはしゃいでる?

 何だか少し恥ずかしくなっちゃったな。

 って、ハルの方を振り向いたらハルがいないっ?(困惑)。


(うそっ?さっきまでっ?)


 ウキキーッ!


「あっ!」


 ハル、お猿さんに連れ去られてる…(汗)。

 まぁ確かに動くぬいぐるみなんて珍しいけど…でもそれは私のハルだーッ!


「こらー!待て猿ーッ!」


 私はハルを連れ去る猿を追いかけていった。

 けど流石地元の野生動物…すぐに猿の姿は見えなくなってしまった。

 そんな…そんなバカな…(落胆)。


 ハルの為にやってきた旅行でまさかハルが連れ去られてしまうなんて…。

 私はもうどうしていいのか分からなくなって旅館街一帯をハルを探して歩き回っていた。

 こんな事をしたって無駄だって分かっていながらそうしないと気が収まらなかったんだ。


 夕暮れになっても結局ハルは見つからず私は取り敢えず旅館に戻る事にした。

 旅館に近付いてくると何やら旅館の周りが騒がしい。


(ん?一体何があったんだ?)


 私はちょっと興味を持ってその騒ぎの正体を探りに行った。


 ウッキー!

 ウキキー!

 ウッキウッキー!


 あ、猿だ。猿の大群が旅館の周りに…。

 もしかしてあの猿ってハルを連れ去ったやつ?

 嫌な胸騒ぎを感じて私が駆け寄ると…。


 猿のボスになったハルがそこにいた。


 ななな、一体これどう言う事?

 私はあまりの展開に軽く事態を飲み込めないでいた。


「あ、渚!遅かったね!」


「お、遅かったじゃないよ!今まで一体何がどうなってこんな事になってんのよ!」


 我ながら頭が混乱してちょっと言葉が意味不明。

 でも仕方ないよね。こんな展開誰も想像出来ないよっ。


「うん、どうやらね僕が珍しかったからこの猿がボスに会わせたかったんだって」


「ハル…猿語も分かるの?」


「え?みんなは猿の言葉分からないの?」


 ハルのこの態度に私は思わず春の頭をげんこつグリグリしてやった。

 このっ!人の気持ちも知らないでっ!反省しろ反省!


 グリグリグリッ!


「ちょ、痛い!痛いってー!」


 ウキー!ウキキキーッ!


「や、痛っ!猿っ!」


 私がハルをいじめていると猿が代わりに私に反撃してきた。

 流石は野生動物、その攻撃に容赦はない。


「分かっ分かったからもう止めるからっ!」


 私がハルを開放するとサルたちは攻撃をやめた。

 園児ばかりか猿にもモテるのかこのぬいぐるみ。

 うぬぬ…恐ろしいぬいぐるみッ!(白目)。

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